木走日記

場末の時事評論

新設された日本ブログ協会への素朴な疑問〜目的を隠蔽する総務省のいやな手口

日本ブログ協会が正式に設立

 日本ブログ協会が正式に設立されたようです。

日本ブログ協会
http://www.fmmc.or.jp/japan-blog/index.html

 で、日本ブログ協会の概要はというと、

1.名 称
日本ブログ協会

2.目 的
ブログに関する啓蒙、表彰、研究、調査、交流、支援、提言等を行うことを通じて、我が国におけるブログの普及促進を図る。

3.活動内容
1) 啓蒙活動:会員を対象としたブログに関する講演会やシンポジウムの開催等
2) 表彰活動:会員投票によるビジネスブログの優秀事例の表彰等
3) 研究活動:会員有志によるブログの役割・市場動向・将来予測等の理論的分析等
4) 調査活動:会員の協力による意識・利用動向アンケートの実施・集計・公表等
5) 交流活動:各ブログ関連団体との総合リンクサイトの構築等
6) 支援活動:会員を対象としたブログに関する相談や情報提供の実施等
7) 提言活動:ブログの利用者やブログサービス提供事業者に対する提言等

4.活動予定期間
平成18年2月28日〜19年3月末

5.役員等
会長等の役員は、当分の間おかない。

6.事務局
財団法人マルチメディア振興センター
http://www.fmmc.or.jp

7.入会資格
個人の資格で自由に入会(入会資格に特別な資格は不要)。

8.入会料
無料

9.入会申込み
入会申し込みはただいまメンテナンス中です。

10.本件の問合せ先
財団法人マルチメディア振興センター 利用推進部(杉内担当部長)
電話:03−3583−5807
FAX:03−5561−6889

「ブログに関する啓蒙、表彰、研究、調査、交流、支援、提言等を行うことを通じて、我が国におけるブログの普及促進を図る。」という、崇高な目的で設立されたと言うことであります。

 ・・・

 ・・・

 こいつは、少しばかりイヤなやりかたじゃないですかね、総務省さん。

 ・・・

 今日は、健全にブログでコミュニケーションを楽しんでいる良い子のみんなのために、少しだけ大人の裏事情を知っているITオヤジが、良い子のみんなを代表して、日本ブログ協会への素朴な疑問をぶつけてみましょう。



●組織としての3つの素朴な疑問

【疑問1】:活動予定期間が最初から約1年なのはどういう理由からか

4.活動予定期間
平成18年2月28日〜19年3月末

 自らを約1年の命として規定する超異例の任意団体なのでありますが、これはどういうことでしょう。

 設立主旨を読んでも「協会の活動期間は、 “平成18年2月28日から平成19年3月末まで” とし、短期集中型で活動していく予定です。」という説明があるだけで、何故「短期集中型で活動していく予定」なのか、その理由は明らかになっていないのです。

 これは不思議な任意団体であります。

【疑問2】:代表や役員等を置かないのはどういう理由からか

5.役員等
会長等の役員は、当分の間おかない。

 奇妙な話です。「会長等の役員は、当分の間おかない」ということは、当面、日本ブログ協会の事務局となる「財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)が、運営代行することを意味しているのでしょう。

 しかしいくら任意団体とはいえ、役員を配置しないで運営していくとはどういう理由なのでしょうか。

 「当分の間」とありますので、そのうち配置するのかも知れませんが、活動予定期間が約1年しかないのだから会長選出したときには「はい、さようなら」なんてことにはならないのでしょうか。

【疑問3】:「入会申し込みはただいまメンテナンス中」はどういう理由からか

9.入会申込み
入会申し込みはただいまメンテナンス中です。

 ずいぶん、準備不足の日本ブログ協会なのであります。

 「ブログに関する啓蒙、表彰、研究、調査、交流、支援、提言等を行うことを通じて、我が国におけるブログの普及促進を図る。」という、崇高な目的を掲げた団体の割には、開設日に入会申し込みフォームが間に合わないとは、これはいかなる理由からでしょうか。

 スキル不足ですか。

 何なら木走が下請けしましょうか。お安くしときますですよ(苦笑)

 ・・・

 以上、ブログを楽しんでいる良い子のみんなを代表して、不肖・木走が素朴な疑問を3つぶつけさせていただきました。

 良い子のみなさん、さてどうでしょう。

 とても不思議な団体だとは思いませんか。



日本ブログ協会の母体「財団法人マルチメディア振興センター」(FMMC)の種明かし

 日本ブログ協会の事務局を代行するのは「財団法人マルチメディア振興センター」(FMMC)であります。

財団法人マルチメディア振興センター
http://www.fmmc.or.jp/fmmc-html/top/top.html

 みなさん、木走オヤジはここの活動をお仕事の関係で良く知っているのでありますですよ。

事 業 概 要

財団法人マルチメディア振興センターではインターネット等のマルチメディア通信に対応するネットワーク及びその利用に関する調査研究、技術開発、実用実験、 情報の収集及び提供並びに普及啓発等の事業を行っております。

■ 事業内容 寄附行為(抄録)

(目的)

第3条 この法人は、インターネット等のマルチメディア通信に対応するネットワーク及びその利用に関する調査研究、技術開発、実用実験、情報の収集及び提供並びに普及啓発等の活動を行うことを通じて、我が国の情報通信基盤の高度化、 高信頼化を図り、もって、我が国経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする。

(事業)

第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。

(1)インターネット等のマルチメディア通信に対応するネットワーク及びその利用に関する次の事業

・情報の収集及び調査研究

・技術開発

・実用実験

・情報の提供及び普及啓発

コンサルティング

・人材の育成

・関係機関への提言

(2)その他ネットワーク及びその利用に関する事業

(3)前各号に附帯する事業

(4)前各号に定めるもののほか、この法人の目的を達成するために必要な事業

 この団体はですね、総務省(旧郵政省系)というお役人さん達が音頭をとって、「インターネット等のマルチメディア通信に対応するネットワーク及びその利用に関する調査研究、技術開発、実用実験、情報の収集及び提供並びに普及啓発等の活動を行うことを通じて、我が国の情報通信基盤の高度化、 高信頼化を図り、もって、我が国経済社会の発展と国民生活の向上に寄与することを目的」にするという崇高な使命を持っている総務省特殊法人なのであります。

 で、役員及び評議員はこんな人たちです。

役 員 名 簿

■ 役 員
(敬称略)  

理 事(理事長) 白 井    太 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・フロンティア 代表取締役会長  (元郵政省事務次官
理 事(専務理事・常勤) 田 川 義 博
理 事(専務理事・常勤) 安 成 知 文
理 事 池 田    茂 情報通信ネットワーク産業協会 専務理事 
理 事 齊 藤 忠 夫 東京大学工学部 名誉教授
理 事 塩 路 洋 一 郎 日本電気株式会社 執行役員
理 事 高 橋 利 紀 富士通株式会社 常務理事
理 事 立 野    敏 財団法人テレコム先端技術研究支援センター専務理事
(元郵政省関東電気通信監理局長)
理 事 玉 井 弘 明 東日本電信電話株式会社 取締役
(元郵政省関東郵政局長)
理 事 藤 野 隆 雄 関西電力株式会社 
支配人 経営改革・IT本部 副本部長
理 事 松 本 隆 明 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 
技術開発本部 本部長
理 事 村 上 仁 己 KDDI株式会社 執行役員
監 事 比 留 川 実   社団法人電気通信事業者協会 専務理事
(元総務省新東京郵便局長)
監 事 廣 岡    明  通信電線線材協会 専務理事

理事12名、監事2名

■ 評 議 員
青 木 利 晴 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 取締役相談役
秋 草 直 之 富士通株式会社 代表取締役会長
秋 山    稔 東京大学 名誉教授
石 原 廣 司 古河電気工業株式会社 代表取締役社長
大 歳 卓 麻 日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役 社長執行役員
大 橋 一 彦 株式会社フジクラ 取締役社長
岡 村    正 株式会社東芝 取締役代表執行役社長
小 野 寺 正 KDDI株式会社 代表取締役社長
金 杉 明 信 日本電気株式会社 代表取締役 執行役員社長
北 里 光 司 郎 株式会社パワードコム 取締役会長
櫛 木 好 明 パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長
倉 重 英 樹 日本テレコム株式会社 取締役代表執行役社長
小 林 庄 一 郎 関西電力株式会社 顧問
塩 野    宏 東亜大学通信制大学院 教授
篠 塚 勝 正 沖電気工業株式会社 代表取締役社長
芝 野 博 文 大阪瓦斯株式会社 代表取締役社長
清 水 英 一 日本ルーセント・テクノロジー株式会社 代表取締役会長
庄 山 悦 彦 株式会社日立製作所 取締役代表執行役 執行役社長
辻 井 重 男 情報セキュリティ大学院大学 学長
橋 本 元 一 日本放送協会 会長
羽 鳥 光 俊 中央大学理工学部 教授
三 浦    惺 東日本電信電話株式会社 代表取締役社長
森    英 恵 デザイナー

  評議員23名

■ 顧 問

山 口 信 夫 日本商工会議所 会頭
森 本 哲 夫 財団法人衛星放送セキュリティセンター 理事長

  顧問 2名

  (平成17年6月25日現在)
http://www.fmmc.or.jp/fmmc-html/data/02/02index.html

 御覧の通り、そうそうたるメンバーであり、理事長は元郵政省事務次官で今はNTTグループに天下っている方なのであります。

 で、会員がまたすごい組織がならんでいますですよ。

会 員一覧

■ 一 般 会 員
 
 アルプス電気 (株)
 アンリツ (株)
 (財) 移動無線センター
 (株) インテック
 NECインフロンティア (株)
 (株) NHKアイテック
 NTTコミュニケーションズ (株)
 (株) エヌ・ティ・ティ・データ
 (株) エヌ・ティ・ティ・ドコモ
 (株) NTT PCコミュニケ-ションズ
 大阪瓦斯 (株)
 大阪府
 沖電気工業 (株)
 オムロン (株)
 鹿島建設 (株)
 神奈川県
 関西電力 (株)
 (株) 関電工
 クラビット (株)
 KDDI (株)
 神戸市
 (株) 神戸製鋼所
 コーニング・ケーブルシステムズ・インターナショナルコープ
 (財) 国際通信経済研究所
 埼玉県
 JSAT (株)
 (株) ジェイティービー
 シャ-プ (株)
 (社) 情報通信技術委員会
 住友商事(株)
 ソニ- (株)
 (株)第一物産
 (株) ダイナックス
 大日本印刷 (株)
 千葉県
 DXアンテナ (株)
 (社) デジタルメディア協会
 (社) テレコムサービス協会
 (財) テレコム先端技術研究支援センター
 (社) 電気通信協会
 
 (財) 電気通信高度化協会
 (株) 電通国際情報サ-ビス
 東京電力 (株)
 東京都
 (株) 東芝
 西日本電信電話(株)
 (財) 日本ITU協会
 日本アイ・ビー・エム (株)
 日本商工会議所
 (株) 日本総合研究所
 日本たばこ産業 (株)
 (財) 日本デ-タ通信協会
 日本テレコム (株)
 日本電気 (株)
 日本電信電話 (株)
 (財) 日本電信電話ユ-ザ協会
 日本放送協会
 日本無線 (株)
 日本ルーセント・テクノロジー (株)
 パナソニックモバイルコミュニケーションズ (株)
 (株)パワードコム
 東日本電信電話 (株)
 (株) 日立製作所
 広島市
 (株) フジクラ
 富士通 (株)
 古河電気工業 (株)
 三菱電機 (株)
 (財) 未来工学研究所
 総務省
   
70社 (平成17年4月1日現在)
http://www.fmmc.or.jp/fmmc-html/data/02/02index.html

 すごいでしょう(笑)

 アイウエオ順に並んでますが東京都などの自治体から、東芝や日立といったメーカーから、 NTTや日本テレコム (株)といった通信会社から、住友商事(株)や 東京電力 (株)までてんこもりであります。

 あら、みなさまのNHK・日本放送協会も会員だったのですね(苦笑

 で、最後の会員がかっこいいでしょう、アイウエオ順を無視して、

 総務省

 で、ございます。

 ・・・

 ふう。



●まじめな話、こいつは、少しばかりイヤなやりかたじゃないですかね、総務省さん。

 ここからはまじめな話しです。

 日本ブログ協会の母体「財団法人マルチメディア振興センター」(FMMC)は、今示したとおり日本政府の描いた国家戦略「e−Japan戦略」というIT普及事業を円滑に行うために設立された官民混在の団体であります。

 財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)自体は健全な団体であり、「インターネット等のマルチメディア通信に対応するネットワーク及びその利用に関する調査研究、技術開発、実用実験、情報の収集及び提供並びに普及啓発等の事業」をまじめに行ってかつ効果を上げていることも事実であります。

 そこは明確にしておきましょう。

 で問題は今回設立された日本ブログ協会なのでありますが、その本当の目的は、設立主旨の4番目、

4) 調査活動:会員の協力による意識・利用動向アンケートの実施・集計・公表等

 実はこれがほとんど主目的でありその他の目的は尾ひれといったら失礼なのですが、本当の目的を目立たなくするためのカモフラージュなのではないのか、私はそう疑っています。

 もう一度日本ブログ協会の活動内容をみてみましょう。

3.活動内容
1) 啓蒙活動:会員を対象としたブログに関する講演会やシンポジウムの開催等
2) 表彰活動:会員投票によるビジネスブログの優秀事例の表彰等
3) 研究活動:会員有志によるブログの役割・市場動向・将来予測等の理論的分析等
4) 調査活動:会員の協力による意識・利用動向アンケートの実施・集計・公表等
5) 交流活動:各ブログ関連団体との総合リンクサイトの構築等
6) 支援活動:会員を対象としたブログに関する相談や情報提供の実施等
7) 提言活動:ブログの利用者やブログサービス提供事業者に対する提言等

 私が掲げた3つの素朴な疑問を元に私の疑念を裏付けしてみましょう。

【疑問1】:活動予定期間が最初から約1年なのはどういう理由からか

4.活動予定期間
平成18年2月28日〜19年3月末

 最近のブログの実態調査が主目的であるならば期間限定の団体で充分でありますよね。

【疑問2】:代表や役員等を置かないのはどういう理由からか

5.役員等
会長等の役員は、当分の間おかない。

 最近のブログ利用者の「意識・利用動向アンケートの実施・集計」が主目的であれば、別にめんどうくさい会長や役員など置かなくてもいいんですよね。

【疑問3】:「入会申し込みはただいまメンテナンス中」はどういう理由からか

9.入会申込み
入会申し込みはただいまメンテナンス中です。

 これは穿ち(うがち)すぎな読みなのですが、本当は入会申込みフォームはもうできているのだが、まずサイトを開設してネット世論の動向を見極めた上で、会員募集を始めるという、お役所特有の「石橋を叩いて渡る」方式なだけなんじゃないですか。

 ・・・

 みなさん、ここでよく考えてみて下さい。

ここすごく重要なんですが、活動の主目的が「1) 啓蒙活動:会員を対象としたブログに関する講演会やシンポジウムの開催等」や「2) 表彰活動:会員投票によるビジネスブログの優秀事例の表彰等」、あるいは「3) 研究活動:会員有志によるブログの役割・市場動向・将来予測等の理論的分析等」なども、大きな意味では、全て「調査活動」だと言えませんか。

 ・・・

 日本ブログ協会が最初から調査が終了するまでの短期の「調査活動」主目的の団体であることは明らかであります。

 私は日本ブログ協会の活動主旨そのものを否定するものでは断じてありません。

 「調査活動」主目的の団体として会員募集するなら、もっと正直に設立主旨をはっきりうたって欲しかっただけです。

 本当の目的を隠蔽するような、胡散臭い手口を批判しているのです。

 「日本ブログ協会」という客寄せパンダ的組織名を使い、その実、協会でも何でもなく、ただ期間限定の「調査活動」が目的だけの団体なのではないのですか?

 まじめな話、こいつは、少しばかりイヤなやりかたじゃないですかね、総務省さん。

 読者のみなさん、どう思われますか?



(木走まさみず)