木走日記

場末の時事評論

「邪悪な十字架」軍団を率いて暴れ回った風雲児ホリエモン〜ライブドア(livedoor)逆から読めば邪悪な十字架(roodevil)

●「強者どもが夢の跡」〜Cブロックで見事優勝していたライブドア野球部の笑顔の写真に想う

 不肖・木走は、本業はIT零細企業を経営しておりまして、会社の健保は「関東ITソフトウエア健康保険組合」に加入しております。

 で、この「関東ITソフトウエア健康保険組合」が毎月発行している「健保マガジントコトコ」という広報誌があるのですが、毎月加入会社の組合員(社員)全員に配布されておるのですが、今月号の「とことこ」で考えさせられる興味深い記事が載っておりました。

 加入会社同士で毎年行われる軟式野球大会のCブロック(参加チーム128)で、昨年の秋の大会で、見事ライブドア野球部(ライブドアブルズ)が優勝していたそうなのです。

 大会決勝戦は昨年11月12日に行われたようですが、掲載されている写真を見れば、ライブドアブルズナインの屈託のない笑顔の顔、顔、顔・・・

 おそらくライブドア社員の方々と察しますが、彼らには本当にお気の毒としか申せないのですが、あれから2ヶ月半、このような騒動の中でこの写真の笑顔の人たちがどのようにこの時を過ごしているのか・・・

 ・・・

 考えてみればライブドアグループの多くの社員の皆様には、おそらく不正経理などとは何も関係がなく。というより今回の強制捜査騒動はそれこそ青天の霹靂(へきれき)であったことでしょう。

 本当にお気の毒なことです。

 ・・・

 うーん、ホリエモンも罪づくりな人であります・・・「強者どもが夢の跡」という言葉が思い出される、なんとも心が沈む同業者として考えさせられる一枚の写真なのでした。



●今読み返すと少し考えさせられる「ホリエモン元部下の話」

 で、最近「木走日記」に来訪して下さる読者の傾向を見てみると、やはり「東証システム」がらみで覗いてくれる人が多いようなのですが、もうひとつのグループに「ホリエモン」でぐぐって来てくれる人が多数いるようです。

 もう1年近く前の以下のエントリーが今だに隠れた人気を呼んでいるみたいです。

ホリエモンの元部下の話
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050223

 このエントリーは、私の知り合いのK氏(ホリエモンの元部下であった人)の話を、業界こぼれ話として載せただけでしたが、なんかK氏の最後の発言がネットで妙に話題になってしまったのでした。(苦笑

私「最後に聞くけど、君はなんで堀江氏の会社をやめたの?」

K「ある日真面目な顔で飲み屋で堀江氏に言われたんだ。『Kさん。知ってますか?僕はね、死なないんですよ』 その時俺はついていけないと思ったんだ。」

 なんか、当時ここだけ抜粋引用されまくりホリエモン不死身伝説」みたいな感じでネット上で一人歩きして広まってしまいました。
 2チャンでは取り上げられるは、ホリエモン信者の人には怒られるは、日テレからは取材されるは、それはもう当時大変なのでありました(苦笑

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 で、改めて自分でも読み返してみたのですが、エントリーしてから1年近くたったのですが、ライブドア強制捜査が行われ「ライブドア・ショック」で世間が大騒動になっている現在、けっこうK氏の発言は、再考させられる内容だと感じました。

 ここで読者のみなさまに改めてご紹介しておきましょう。

 (前略)

 さて、K氏の話に戻りますが株式会社オン・ザ・エッヂ時代、堀江氏の直の幹部(年齢はK氏のほうが10才近く上なのですが)として、ほぼ毎日行動をともにしてきました。当時から日の出の勢いの堀江氏は毎週六本木で部下を連れて飲み歩いていたそうですが、それはともかく、今回の件でK氏に感想を求めたところ次のような興味深いコメントをもらいました。以下、K氏と私との飲み屋での会話です。

私「今回のニッポン放送の株買い占め騒動だけど、どう思う?」

K「率直に言って、なにもおどろかなかったよ。堀江氏がいつかこのような行動に打って出るのはわかっていたからね。今まで業界で通用した方法に彼は自信を持っていたから、去年のプロ野球球団買収劇もそうだけど、今までと同じ手法で業界以外に勝負に出たわけだね。」

私「一部に堀江氏の行動を批判するマスメディアの動きがあるけれど、どう思う?」

K「堀江氏が抱えている民事訴訟の内容をメディアは勉強すべきだね。彼がどんな手法でIT業界で伸し上がってきたのか勉強しないとピントはずれな批判で終わっちゃうと思うよ。」

私「それってどんな手法なの?」

K「・・・・・。私がここで言う立場じゃないよ。」

(私が迂闊でしたが、彼もある民事裁判の関係者の一人でした。)

私「また、一部で彼を擁護する論調もネットなんかで見られるけど、どう思う?」

K「彼を偶像化すべきではないと思う。俺から言わせれば批判者も賛同者も、本当の彼を知らないんだと思う。」

私「そんなにひどい人間なの?」

K「彼は有能な経営者であり策士であり、評価されるべき人物であることは間違いないと思うよ。ひどい人間ではなくて、彼の行動の原動力、キーワードは『オプティマイズド・最適化』だと思う。最適化された環境を提供して顧客ニーズをつかむ、そのためにあらゆる手段を講じる。彼の行動は彼なりにクリティカルであり、利用できる資源を最適化しつつ活用しているんだ。」

私「じゃあ、ひどい人間じゃないんだ?」

K「その答えは利用される側に立って考えれば自明でしょう。彼は優しい男では決してないってことだよ。田中真紀子と同じで彼から距離を置けば置くほど彼の評価はある意味高くなるけど、彼を良く知る人間ほど彼をよく言う者はいないだろうということさ。」

私「最後に聞くけど、君はなんで堀江氏の会社をやめたの?」

K「ある日真面目な顔で飲み屋で堀江氏に言われたんだ。『Kさん。知ってますか?僕はね、死なないんですよ』 その時俺はついていけないと思ったんだ。」

以上です。K氏の話の内容は、あくまで、読者のみなさんのご判断にお任せします。

ホリエモンの元部下の話より 抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050223

 どうでしょう、K氏の発言を今読み直すとけっこう意味深長に聞こえてくるのが不思議ですよね。
 特に、

K「堀江氏が抱えている民事訴訟の内容をメディアは勉強すべきだね。彼がどんな手法でIT業界で伸し上がってきたのか勉強しないとピントはずれな批判で終わっちゃうと思うよ。」
K「彼を偶像化すべきではないと思う。俺から言わせれば批判者も賛同者も、本当の彼を知らないんだと思う。」

 ここらあたりの会話は、当時の私には「ふーん、そうなのか」レベルでしか読みとれなかった訳ですが、今にして思えばなかなか深い発言であったとも取れる言い回しなのであります。

 ・・・

 まあ、K氏のオプティマイズド・最適化』という堀江氏の行動原理を表現するキーワードがとても彼の行動をうまく表現していると感心し、私が市民記者登録をさせていただいているインターネット新聞JANJANに記事投稿したりしたのでした。

インターネット新聞JANJAN
ホリエモン考〜最適化された秩序破壊者(木走まさみず)』
http://www.janjan.jp/media/0503/0503024183/1.php

 ・・・

 あれから一年、まさかこんな騒動が待ち受けているとは、当時の私には知る由もなかったのでした。



ライブドア(livedoor)逆から読めば邪悪な十字架(roodevil)〜ホリエモン不死身伝説は終焉を迎えるのか?

 ここへ来て堀江氏が身の危険を感じているという報道も見聞きするのですが、そんなわけで最近も上記エントリーがけっこう2チャンにも取り上げられることがあるわけなのですが、二日ほど前ですが興味深いコメントを見つけました。

44:01/21(土) 14:39 SSQFgDYl0

  『ソテーガイ』って略すと『SG』になるね

  『オンザエッヂ』は『崖っぷち』だし

  『live door』は逆から読むと『rood evil』

  『rood(ルード)』(キリストが処刑された)十字架、(一般に)十字架

『evil(イービル)』 邪悪な、害を与える、不幸[不運]な、悪事、魔性

http://c-others.2ch.net/test.php/-.000000/newsplus/1137821241/25-

 2チャンネルからの引用で恐縮ですが、これはなかなか興味深いコメントですね。

 そうか、「『live door』は逆から綴りを読むと『rood evil』」かあ。

『rood(ルード)』が「十字架」で、『evil(イービル)』が「邪悪な、魔性」とは、超訳しちゃえば「邪悪な十字架」と読めるわけです。

 たわいのない文字遊びと言ったらそれまでですが、これはなかなかの発見だと思い、読者のみなさまにご紹介したしだいです。

 ・・・

 「ライブドア」の綴りを逆さに読めば「邪悪な十字架」か・・・

 なんとも出来過ぎな「語呂」であります。

 ふう。

 ・・・

 つい一年前には、「既存秩序の破壊者」として一部評論家などからあがめ立てられていた堀江氏ですが、今ではマスメディアにこぞってここぞとばかりと袋叩きにあっているのであります。

 もちろん、ライブドアの行ってきた不正行為は、徹底的に法の裁きを受けるべきなのでしょう。

 しかしながらここ数年の「彼の足跡」は、善し悪しを別として日本の株式市場にも閉鎖的な日本のマスメディアにも歴史的な一石を投じたことは事実でありましょう。

 彼の評価は今でも両極端に別れているようです。

 フジサンケイグループのようなマスメディアに代表される既存秩序を維持したい者から見ればとんでもない「成り上がり者」の世間知らずの若者と苦々しく想っていたのでしょうが、一部の者からすれば、風車に立ち向かうドン・キホーテのごとく、あるいは聖地を奪回する勇ましき「十字軍」の騎士のごとく、既得権益を破壊する勇気有る戦士として、彼を英雄視してきたのです。


 ・・・

 「邪悪な十字架」軍団を率いて暴れ回った風雲児ホリエモン・・・

 「ホリエモン不死身伝説」は終焉を迎えるのでしょうか?



(木走まさみず)