木走日記

場末の時事評論

「奄美」ナンバーも「金髪の大銀杏」もあっていいじゃないか

kibashiri2005-07-30


 今日は最近の話題から、「弾力化」と「規制化」について考察したいと思います。



ご当地ナンバー決定 富士山、奄美は“落選”

 ご当地ナンバーが増えるそうですね。 一昨日(28日)の産経新聞から・・・

18のご当地ナンバー決定 富士山、奄美は“落選”

 国土交通省は28日、現在の運輸支局などの所在地名ではなく、地域が希望する地名を自動車のプレートに表示できる「ご当地ナンバー」として、「仙台」や「倉敷」など18のナンバー名を認めることを決めた。29日に正式発表する。

 「ご当地ナンバー」は20地域から地域振興などを理由に応募があり、5月末に締め切った。このうち、鹿児島県が奄美大島など5島での利用を希望した「奄美」ナンバーと、山梨、静岡両県の13市町村が共同して申請した「富士山」ナンバーは認められなかった。

 国交省は行政事務が混乱せず、コストがかからないようにするため、選定基準に(1)地域内に登録されている自動車台数が10万台を超えている(2)複数の運輸支局、自動車検査登録事務所の管轄にまたがらない―などを挙げていた。

 「奄美」は登録台数が少なく、「富士山」は管轄がまたがっているため選定されなかった。

 国交省は今後、警察庁などと調整し、2006年度中の導入を目指す。(共同)

(07/28 22:48) 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/050728/sei101.htm

 へええ、「仙台」ナンバーって今まで無かったのが不思議ですねえ。
 国土交通省の公式報道発表資料はこちら・・・

新たな地域名表示ナンバープレートの導入について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090729_.html

 で、今回認可された18地域ですが興味深い地域名が並んでいますねえ。

仙台(宮城)
会津(福島)
つくば(茨城)
那須(栃木)
※高崎(群馬)
川越(埼玉)
柏(千葉)
成田(千葉)
金沢(石川)
※諏訪(長野)
伊豆(静岡)
岡崎(愛知)
※豊田(同)
※一宮(同)
鈴鹿(三重)
堺(大阪)
倉敷(岡山)
※下関(山口)
(※印は努力義務が課される地域)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090729_.html

 うーん、産経報道によれば、落選した「奄美」は登録台数が少なく、「富士山」は管轄がまたがっているため選定されなかったそうですが、これでみると合格した6地域にも「努力義務が課される」そうであります。

 どうやら基準としては10万台以上であるとか、管轄がまたがっちゃだめとかいろいろあるようですが、「奄美」や「富士山」なんでいけないのかなあ、地域性もあるし、木走としてはとてもいいと思うのだけれど・・・

 「富士山」ナンバーなんてかっこいいじゃないですか。「奄美」ナンバーだって南国風でいいし住民の過半数が希望しているのならば台数で制限しなくてもいいと思うのだけれど、どうなんでしょうねえ。

 ・・・

 うん、相変わらず日本の行政はお堅いですなあ、管理する側の論理で展開するとこうなっちゃうわけでして、別に「奄美」や「富士山」だけでなく住民が希望するならば、「浅草」ナンバーがあってもいいじゃねえか、マツケンさんもサンバ踊って歓迎してくれるぜ、って感じだし、「南河内」ナンバーはどないや、河内のおっさんもきっと大歓迎やんけ、って感じなんですが、私としては。

 それ以外にも「湯布院」ナンバーなんかあってもいいだろうし、「小笠原」ナンバーなんかもレアでいいと思うなあ。

 少し当落の基準とか「努力義務」とか気になりましたので調べてみました。
 そもそも日本の行政がこのような決定に至るまでどのような工程をたどってきたのかにも興味ありますし、行政の動きを細かく検証・トレースしてみましょう。



●「弾力化」から「規制化」に変質していく悲しき工程

 ナンバープレートの細分化というこのアイディアは、自治体からの地域名表示に関する弾力化の要請から生まれたもののようです。
 有識者による「ナンバープレートの地域名表示細分化等に関する懇談会」が平成14年12月に開かれています。以下にその趣旨を抜粋します。

趣旨
 ナンバープレートの地域名表示は、当該自動車の使用の本拠地を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所を示しているもの(例「品川」「神戸」)ですが、近年、地域振興や観光振興のために、新たな自動車検査登録事務所の新設をせずに新しい地域名表示の創設などの地域名表示に関する弾力化の要請が幾つかの地方公共団体から出されています。
 このため、自動車交通局では今後のナンバープレートのあり方、地域名表示の細分化の可否等について幅広く検討するため、広く有識者や関係団体等の意見を聴取することを目的として、「ナンバープレートの地域名表示細分化等に関する懇談会」を開催することとしました。

懇談会メンバー (敬称略:順不同)
座長 杉山 武彦 一橋大学 副学長
岩貞 るみこ モーター・ジャーナリスト
岡橋 葉子 マーケティング・アドバイザー
立川 薫 (株)JAF MATE社 編集部員
森   美樹 弁護士
松波 正壽 (社)日本自動車連盟 専務理事
谷合 昭夫 (社)日本自動車販売協会連合会 常務理事
大谷 好男 (社)全国自動車標板協議会 専務理事
村田 隆裕 (財)日本交通管理技術協会 専務理事
南戸 義博 軽自動車検査協会 理事
  (国土交通省側出席者)
丸山 博 国土交通省自動車交通局長
中山 寛治 国土交通省自動車交通局技術安全部長
石井 健児 国土交通省官房審議官

ナンバープレートの地域名表示細分化等に関する懇談会の開催について より抜粋
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/09/091225_.html

 「近年、地域振興や観光振興のために、新たな自動車検査登録事務所の新設をせずに新しい地域名表示の創設などの地域名表示に関する弾力化の要請が幾つかの地方公共団体から出され」てきたため懇親会を設置したようです。

 いいじゃないですか、「新たな自動車検査登録事務所の新設をせず」に対応するならば日本の悪名高い車検制度に連動することなくコストもそんなに掛からないでしょうし、「弾力」化した行政の先駆的取り組みとして歓迎したいですね。

 で、その後4回に渡り関係者による懇談会が開かれました。

第1回懇談会
  日時:平成14年12月26日(木)10:30〜
  場所:国土交通省11階特別会議室
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/09/091225_.html

第2回懇談会
  日時:平成15年6月20日(金)午後1時から3時
  場所:国土交通省 4階 特別会議室
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/09/090619_.html

第3回懇談会
  日時:平成15年11月14日(金)午後2時から4時
  場所:国土交通省自動車交通局 技術安全部 管理課 自動車登録管理室
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/09/091111_.html

第4回懇談会
  日時:平成16年3月30日(火)午後3時〜5時
  場所:国土交通省 特別会議室
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/090331_2_.html

 この4回の懇談会を通じて以下のように意見集約された様です。

議事概要
 出きるだけ明確な地域選定基準を作成することが必要。

 特定の地域の自動車ユーザーのために、全国のユーザーが費用を負担することになるので、その点について十分な理解を得ることが必要。

 当該地域にある登録自動車のみならず、軽自動車と連携すべき。

 地域名表示は、その地域を表すのにふさわしい名称であることを要件とすべき。
などの意見交換の後、本懇談会としての考え方が取りまとめられた。
その概要は、次のとおりである。


 一定のまとまりのある地域で、自動車ユーザーの意向を十分に踏まえたものについて、地域名表示細分化ナンバー(仮称)制度を認めることが適当と考える。

 地域名表示の細分化については、どのような地域について認めることとするか、次のような基準を設けることとする。
(地域的基準)
 地域特性や同一経済圏等の一定のまとまりのある地域であり、広く認知されている地域であること。

 過少の地域名表示細分化ナンバーを作ることのないよう、当該地域の保有車両数の最低基準を設け、その基準を上回る地域であること。

 県内の地域区分上、極端なアンバランスを生ずることのないような地域であること。(保有車両数、人口など)

(手続的基準)
 特定の団体の活動として地域名表示細分化ナンバーを創設するのではなく、自動車ユーザーの民意の反映も含めた要望とし、民意についての取りまとめは、地域内の各自治体がおこなうこと。 例:地域内の自動車ユーザーアンケート

 地域名表示細分化ナンバー創設の要望については、まず各自治体毎に関係団体や民意を取りまとめ、議会の支持も得て地域の総意として都道府県に要望すること。

 都道府県は、地域名表示細分化ナンバーについて地域的基準への適合性、必要な手順を踏んだかどうかを判断し、妥当なものについて国へ要望すること。


地域名表示細分化ナンバーの概要
新設する地域名表示
 当該地域を表すのにふさわしいものであるほか、全国的にも認知され、現在あるナンバーと類似した地域名を使用しない。

導入の方法
 地域名表示細分化ナンバーは、当該地域の希望するユーザーにのみ付与するのではなく、新規登録等の場合に、全てのユーザーに付与することとする。

費用負担
 当該地域で負担することが考えられるが、全国どの地域でも対象となり得るものであり、当該地域に負担を求めないことが適当と考える。


地域名表示細分化ナンバーを導入するに当たっては、以下の点について留意されるべきと考える。
 地域名表示細分化は、当該地域はもちろん、全国的な自動車登録検査業務電子情報処理システムの変更を伴うこととなることから、この制度の発足に当たって、国は全国の自動車ユーザーの意見を広く聞くことが望まれ   る。

 自動車のナンバープレートは、様々なシステムと関連しており、それらのシステムの変更を伴うことから、導入に向けて関係者との調整を行い、齟齬のないようにするとともに、導入時期に必要な準備期間がとれるよう   にするなど、必要な調整を行うことが求められる。

 全国的に導入する制度であり、全国的なバランスを考慮し、特定の都道府県に集中しないようにすることが望ましい。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/090331_2_.html

 ごもっともな意見なれど、当初の目的だったナンバープレートの「地域名表示に関する弾力化」構想からは、だいぶ後退してきて制限事項が多くなってきた感は否めません。まあ、理想とは異なり実際には多くの制約があることも理解は出来ますが・・・
 で、この懇談会の最終意見を受けて国土交通省は、平成16年5月に「ナンバープレートの地域名表示細分化の考え方(整理案)」を公表するとともに、平成16年5月から6月にかけて広く一般に公開型の意見募集をしています。

ナンバープレートの地域名表示細分化に対する意見募集について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/090510_.html

ナンバープレートの地域名表示細分化に対する意見募集の結果について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/090629_.html

 結果、平成16年12月「新たな地域名表示ナンバープレートの導入について(要綱)」を公式に発表することにいたります。

 少し長いですが全文ご紹介いたしましょう。

新たな地域名表示ナンバープレートの導入について(要綱)

平成16年11月
国土交通省自動車交通局


1.趣旨等
 自動車のナンバープレートには、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所の名称等が表示されている。この地域名については、従来、自動車検査登録事務所の新設に伴い、新たな地域名表示を創設してきたところであるが、今般、地域振興や観光振興等の観点から、ナンバープレートの地域名表示を弾力化し、自動車検査登録事務所の新設の有無にかかわらず、新たな地域名表示を認めることとする。
 新たな地域名表示を認めるに当たっては、自動車登録業務をはじめとする各種行政事務や自動車使用者等に混乱が生じないように、対象となる地域及び名称の基準、導入の手続き等について、本要綱に定めるところによるものとする。

2.新たな地域名表示の基準
(1)対象となり得る地域の基準
 地域特性や経済圏等に関して、他の地域と区分された一定のまとまりのある地域であり、一般に広く認知された地域であること。また、原則として、単独の市町村ではなく、複数の市町村の集合であること。
 当該地域において、登録されている自動車の数が10万台を超えていること。
 対象となる地域が、当該都道府県内における他の地域名表示の対象地域と比較し、人口、登録されている自動車の数等に関して、極端なアンバランスが生じないものであること。
(2)地域名の基準
 行政区画や旧国名などの地理的名称であり、当該地域を表すのにふさわしい名称であること。また、当該地域名が全国的にも認知されていること。
 読みやすく、覚えやすいものであるとともに、既存の地域名と類似し混同を起こすようなものでないこと。
 ナンバープレートに表示された際に十分視認性が確保されるよう、原則として「漢字」で「2文字」とする。やむを得ない理由があるとして例外を認める場合であっても最大で「4文字」までとし、ローマ字は認めないものとする。

3.導入の方法等
 新たな地域名表示ナンバープレートは、従来の自動車検査登録事務所の新設に伴う新たな地域名表示の導入と同様、希望者だけでなく当該地域内に使用の本拠の位置を有する全ての自動車に付与することとする。また、ある時点で地域内の全ての車について強制的にナンバープレートを変更するのではなく、順次、新規に登録する自動車、移転登録や変更登録等によりナンバープレートを変更する自動車について、新たな地域名表示のナンバープレートを付与するものとする。

4.導入の手続き
 新たな地域名表示ナンバープレートの導入は、当該地域の住民や自動車ユーザーの意向であることが前提であり、当該地域を構成する全ての地方公共団体の合意があることが必要である。さらに都道府県内のバランス等の基準への適合性には都道府県の判断が必要である。このため、導入に当たっての手続きについては、以下のとおりとする。
 当該地域内の地方公共団体は、アンケート等を実施することにより、当該地域の住民や自動車ユーザー、関係団体の意向を確認すること。
 当該地方公共団体は、議会の支持を得て、当該地域の都道府県に要望を行うこと。
 要望を受けた都道府県は、新たな地域名表示が本要綱に定められた基準や手続きに適合しているかを判断し、妥当と判断される場合は、地方運輸局を通じて、国土交通省に対して要望を行うこと。
 国土交通省は、関連するシステムを運用する関係機関、関係団体との調整を行った上で、導入を認める新たな地域名およびその導入時期等を決定する。

5.スケジュール等
 新たな地域名表示ナンバープレートは、平成18年度中の導入を目指すこととし、都道府県からの要望は、平成17年5月末までに地方運輸局に対して行うものとする。
 複数の運輸支局、自動車検査登録事務所の管轄にまたがる地域名表示については、各種の行政事務、自動車検査登録システムへの影響等について慎重に検討を行う必要があり、当面は認めないこととする。

新たな地域名表示ナンバープレートの導入について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/091130_2_.html

 ここで、参加資格というか基準が明文化されたわけですね。整理すると以下の4つであります。

1.地域特性等について一定のまとまりのある複数の市町村の集合が原則
2.登録されている自動車の数が10万台を超えていること
3.都道府県内の人口、登録自動車の数等に関して極端なアンバランスがないこと
4.市町村が住民の意向等を踏まえた上で、国(地方運輸局)に要望すること

 うーん、これでは「奄美」や「富士山」が落選するのも仕方ないし、そもそも希望地域が20しかなかったのも頷けますねえ。しきいが高すぎると思います。
 特に1.と2.の基準は事実上中小規模の自治体を閉め出してしまう、管理する行政側都合が全面に出てしまった制約でありましょう。

 こうしてナンバープレートの弾力化運用を目指してきたものが、最終的にはまたしても規制が一つ増えただけの結果を見てしまったのでした。



●つまらない国日本〜日本行政(官僚)の規制第一主義をなんとかならないか

 なんで「奄美」ナンバーや「富士山」ナンバーが認められないかといえば、行政側からはおそらく、やれ、コスト面がどうのこうの、全国的なバランスがどうのこうのと教科書通りの回答しか得られないのでしょう。

 しかしですね、たとえば費用面でいえば車検制度とは連動しないわけですし、「自動車のナンバープレートは、様々なシステムと関連しており、それらのシステムの変更を伴うことから、導入に向けて関係者との調整を行い、齟齬のないようにするとともに、導入時期に必要な準備期間がとれるようにするなど、必要な調整を行うことが求められる」ことは理解していますが、IT関連の専門の知見でいわせて貰えば「今日ナンバープレートがいくつか増えるぐらいで大規模の修正を伴うような脆弱なシステム」を運用しているわけがありません。もし使用しているのならば、そんな旧態以前の古い拡張性のないシステムなど作り直した方がいいです。
 私がここでいいたいことは車検制度と連動しないのであれば、ナンバープレート上の地域名など技術的にはいかようにも増やして問題ないはずなのです。単なる文字コードでしょう。

 まあ、個別に議論しても専門的にはいろいろな制約も当然あるでしょうから、あまり意味はないかもしれませんが、例えば、車社会先進国のアメリカでは50の州によってナンバープレートは全く違うむちゃくちゃな管理をしておりますが、さして問題はなくコストがかさんでいるということも聞き及んでいません。

World Automotive License Plate
http://cent-21.com/car-tag/

 ようは考え方なのであり、日本行政は真面目で優秀であるかも知れませんが柔軟な発想ができない体質なのではないのかと、思ってしまいます。

 いいじゃん、「奄美」ナンバー(←しつこいか(苦笑



●ああ、こちらでも愚かな規制を

 鮎川さんのところでおもろいエントリーを見つけました。

「世の中驚くことばかり」
白髪はどうする?
http://blog.goo.ne.jp/melody777_001/e/a16845a8017d1e79eb6487c64beb44b3

 で、元記事はこちら・・・

金髪関取誕生、角界にまげ論争勃発

 大相撲に史上初の金髪関取が誕生した。秋場所(9月11日初日、両国国技館)の番付編成会議が27日、名古屋市愛知県体育館で行われ、5人の新十両が決定。エストニア出身の把瑠都(ばると、20=三保ケ関)が昇進を果たした。金髪関取の誕生に、伝統を重んじる角界からは「染めた方が良いのでは」と、戸惑いの声も上がっている。出世に髪の伸びが追いつかず、大銀杏(おおいちょう)は、来年春場所以降の予定。「ゴールド大銀杏」が果たして見られますか。

 ブルーの瞳にゴールドの髪。新十両昇進を決めた把瑠都は白い歯を見せて笑い、197センチ・165キロの巨体を揺すった。「(今場所は十両に)絶対なれない、思った。うれしい」。目にうっすら光るものを浮かべ、片言の日本語で喜びを語った。

 史上初の金髪関取の誕生だ。曙らハワイ勢に続いて朝青龍を代表とするモンゴル勢、最近ではブルガリア出身の琴欧州ら欧州勢と、外国人の活躍が目立つが、これまでブロンドの髪を持つ力士が関取になったことはなかった。

 「異色」の関取の誕生に、伝統を重んじる角界からは戸惑いの声も上がっている。関取になれば大銀杏を結うことになるが、金髪の大銀杏は前例がない。角界のルールブックにあたる日本相撲協会寄附行為にも髪の色についての規定はなく、学校の校則のように「金髪はダメ」という規則はない。ただ、相撲は神話伝承の時代より続く日本の国技。協会も頭を抱える。北の湖理事長(元横綱)は「まず油をつけて、見た目がどれぐらいになるかだ。それでも色が落ちて見えないようなら、染めることを考えないと」と黒髪に染めさせる可能性も示唆した。

 幸いなことに? 毎日髪結いに使うビン付け油の影響で、来日当初に比べて把瑠都の髪は金色から少しくすんだ黄土色になりつつある。審判副部長も務める師匠の三保ケ関親方(元大関増位山)は「油をつければだいぶ暗くなるし、大丈夫だと思う」と楽観する。一方で、生活指導部の山科親方(元小結大錦)は「髪を束ねるちょんまげとは違い、大銀杏は薄く広げるので、光の当たり方によっては、濃くならずに金髪が目立つかもしれない」と懸念を示し、「把瑠都の髪が伸びたら、みんな(協会)の前で大銀杏を結わせて、判断するのもありでは」と話した。まだ入門して1年半足らずの把瑠都は今年春場所でやっとまげを結ったばかりで、大銀杏にはまだまだ髪の長さが足りない。「結論」が出るのは来年春場所あたりになりそうだ。

 注目を集めるのはルックスだけではない。初土俵から所要8場所での新十両昇進は、外国出身力士で小錦に並んで史上最速タイのスピード記録だ。この日の会見でも「新十両で何番勝ちたいか?」の質問に「全部」と即答した。実力もハートも折り紙付き。大銀杏を結うころには、幕内にいる可能性も十分にある。髪だけでなく実力でも、今後の角界に旋風を巻き起こしそうだ。【太田尚樹】

日刊スポーツ[2005/7/28/10:00 紙面から](写真も当記事より)
http://www.nikkansports.com/ns/sports/sumo/p-sp-tp1-050728-0003.html

 ふう。

 あほじゃないですか相撲協会は、なんで金髪がいけないのでしょう(苦笑
 あんまりあほらしい記事なので鮎川さんのところでコメントさせていただきました。

Unknown (木走まさみず) 2005-07-28 16:30:45

「金髪力士把瑠都」・・・いいですねえ。
いいじゃないですか、ブロンドの髪の大銀杏
なんて素晴らしいです。

幸いなことに? 毎日髪結いに使うビン付け油の影響で、来日当初に比べて把瑠都の髪は金色から少しくすんだ黄土色になりつつある」ってあたりが、バカらしくてアホらしくて笑えました。

エストニア出身でしこ名が「把瑠都(バルト)」ですか?
もし、年内に幕入りしたら、日露戦争100周年を記念してぜひ「把瑠馳駆(バルチック)」に改名してほしいですね。(笑)

 もう、国土交通省日本相撲協会も頭硬すぎって感じですよね。
 車のナンバープレートも力士の髪の色ももっと自由でいいのではないでしょうか?

 「奄美」ナンバー残念だなあ(←しつこすぎ(苦笑

 今日は最近の話題から、「弾力化」と「規制化」について考察してみました。
 みなさまはいかがお感じになられましたでしょうか?



(木走まさみず)