木走日記

場末の時事評論

数研出版に社説までもちいて執拗な粘着批判をする朝日新聞〜今回の数研出版による教科書記述訂正は極めてまっとうなもの

 朝日新聞は昨年12月に第三者委員会報告書を受けて、一連の朝日新聞従軍慰安婦捏造報道について、記事の訂正お詫びをしています。

記事を訂正、おわびしご説明します 慰安婦報道、第三者委報告書 朝日新聞社
2014年12月23日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11520753.html

 一連の朝日捏造記事の中で、あたかも日本軍関係者が朝鮮半島において女性を強制連行して従軍慰安婦として連れ出したような記述は、すべて「挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」と、謝罪して削除もしくは訂正すべき事実無根の文章であったことを認めています。

 強制連行の「加害者」とされた日本軍関係者として慰安婦狩りをしたとする吉田証言は完全な偽証であり記事16本をすべて削除、また強制連行の「被害者」とされた女性が名乗り出たとされる記事も「挺身隊の名で戦場に連行された事実」は事実無根の完全な「誤用」(当ブログは捏造であると認識しています)だったことを認めています。

 さて朝日新聞自己愛性人格障害系ストーカーメディアとなってしまったようです。

 数研出版の高校教科書3点の中の記述4箇所が昨年11月に訂正を文部科学省に申請し、12月に認められました、結果は4月から使用される教科書に反映されます。

 現在使われている教科書の訂正は、検定基準に照らして判断するわけではなく、主に事実関係が確認できれば承認されるわけです。

 これといって些細な出来事にも思えるのですが訂正内容が朝日新聞の逆鱗に触れたわけです、

 9日付け朝日新聞記事から。

数研出版の高校教科書、「従軍慰安婦」「強制連行」削除
2015年1月9日20時04分

 教科書会社の「数研出版」(東京都)は、現在高校で使われている公民科の「現代社会」と「政治・経済」の教科書計3点から、「従軍慰安婦」と「強制連行」の言葉を削除する。昨年11月に記述の訂正を文部科学省に申請し、12月に認められた。4月から使用される教科書に反映される。

 記述を訂正した教科書は「現代社会」2点と「政治・経済」1点で、計4カ所の記述。「誤記」を理由に、文科省に訂正申請があった。

 現代社会は、「強制連行された人々や『従軍慰安婦』らによる訴訟が続いている」とあった記述を、「国や企業に対して謝罪の要求や補償を求める訴訟が起こされた」などと訂正した。

 政治・経済の教科書では、「戦時中の日本への強制連行や『従軍慰安婦』などに対するつぐないなど、個人に対するさまざまな戦後補償問題も議論されている」との記述を、「韓国については、戦時中に日本から被害を受けた個人が、謝罪を要求したり補償を求める裁判を起こしたりしている(戦後補償問題)」と訂正した。

 数研出版の教科書からは「従軍慰安婦」と「強制連行」の文言はなくなるという。同社の担当者は朝日新聞の取材に対し、「訂正した理由などはすぐには答えられない」と話している。

(後略)

http://www.asahi.com/articles/ASH194QGKH19UTIL011.html

 記事によれば主な修正箇所はこうです。

現代社会)
「強制連行された人々や『従軍慰安婦』らによる訴訟が続いている」
        ↓
「国や企業に対して謝罪の要求や補償を求める訴訟が起こされた」

(政治・経済)
「戦時中の日本への強制連行や『従軍慰安婦』などに対するつぐないなど、個人に対するさまざまな戦後補償問題も議論されている」
        ↓
「韓国については、戦時中に日本から被害を受けた個人が、謝罪を要求したり補償を求める裁判を起こしたりしている(戦後補償問題)」

 この修正により「数研出版の教科書からは「従軍慰安婦」と「強制連行」の文言はなくなる」ことを、朝日記事は問題視しているわけです。

 翌10日付けにはまったく同じ内容の記事を再掲します。

教科書「慰安婦」削除へ 高校公民「強制連行」も 数研出版
2015年1月10日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11543610.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11543610

 ただし、記事末尾に、お決まりの「韓国政府は反発」と識者の意見「明らかに過剰反応」を付けています。

■韓国政府は反発

 韓国外交省は9日、日本の文部科学省が高校教科書の慰安婦問題に関する記述の訂正を認めたことについて「歴史の真実は修正することも削除することもできない」などと批判した。「日本政府がこのような愚を繰り返す場合、韓日関係改善に深刻な障害をもたらす」と警告した。(ソウル)


■明らかに過剰反応

 高嶋伸欣琉球大名誉教授(社会科教育)の話 「従軍慰安婦」「強制連行」という言葉が入っているだけで誤りではないのに削除、訂正するのは明らかに過剰反応だ。事実関係を吟味したというより、従軍慰安婦をめぐる騒ぎに巻き込まれないようにと安易に対応したのではないか。外部から働きかけがあったのか、社内でどんな議論をしたのかなどを数研出版は説明する責任がある。他の教科書会社に波及しないか、大変に気がかりだ。

 そして22日社説で数研出版を強烈に批判します。

(社説)「慰安婦」記述 事実をなぜ削るのか
2015年1月22日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11563319.html?_requesturl=articles%2FDA3S11563319.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11563319

 社説は「従軍慰安婦」の表現がなぜ「誤記」なのかとの批判で始まります。

 教科書会社の数研出版が、高校の公民科の教科書3点から「従軍慰安婦」の言葉を削除する。戦時下で将兵の性の相手をさせられた女性についての記述が、同社の教科書から消える。

 記述の「誤記」を理由として文部科学省に訂正を申請し、認められた。この春から教室で使われる教科書に反映される。

 例えば「現代社会」の教科書では、「強制連行された人々や『従軍慰安婦』らによる訴訟が続いている」というくだりを、「国や企業に対して謝罪の要求や補償を求める訴訟が起こされた」と直すことにした。

 文科省は検定後に教科書会社が記述を訂正しなければならない場合の理由として、「誤記」「誤植」や「客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載」を規則に挙げている。

 「従軍慰安婦」の表現が適切かどうかという議論はあるが、軍の関与の下で慰安所がつくられたことは事実だ。安倍首相も国会で慰安婦について「筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々」と答弁している。それがなぜ「誤記」なのか。

 続けて数研出版の「より客観的な事実関係を述べるように見直した」とのコメントに「事情が具体的にどう変わったかにはふれていない」と噛み付きます。

 数研出版朝日新聞の取材に「より客観的な事実関係を述べるように見直した」と答えた。

 自社サイトでは「高校の先生へ」として「客観的事情の変更等」があったとし、生徒に必要に応じて周知するよう求めた。

 だが、事情が具体的にどう変わったかにはふれていない。これでは教員もどう生徒に伝えてよいかわからない。訂正の経緯と理由を丁寧に説明すべきだ。

 文科省も「誤り」ではない記述の訂正をなぜ認めたのか。「直した後の記述が間違いでないため認めた」というが、こちらも説明する責任がある。

 社説は「慰安婦問題は日本にとって負の歴史だ。だからこそきちんと教え、悲劇が二度と起きないようにしなければならない」と結ばれています。

 教科書各社の関連記述をめぐっては、「新しい歴史教科書をつくる会」が昨年9月、「慰安婦」「強制連行」の記述の削除や訂正を教科書会社に勧告するよう文科相に求めた。

 朝日新聞は、慰安婦にするため女性を暴力的に無理やり連れ出したとする故吉田清治氏の証言記事を取り消した。同会はそれを挙げ「『慰安婦問題』は問題として消滅した」と主張する。だがそういった極端な主張は、日本が人権を軽視しているという国際社会の見方を生む。

 慰安婦問題は日本にとって負の歴史だ。だからこそきちんと教え、悲劇が二度と起きないようにしなければならない。

 論争のあるテーマだが、避けて通るべきではない。議論の背景や論点など多様な視点を示す必要がある。教科書はそのためのものであってほしい。

 ・・・

 社説でまで取り上げて数研出版の「自主的」訂正を痛烈に批判しています、メディアとして異常なほどの執着といっていいでしょう。

 今回の数研出版による教科書記述訂正は極めてまっとうなものです。

 例えば訂正前のこの記述。

「強制連行された人々や『従軍慰安婦』らによる訴訟が続いている」

 「強制連行された」が「人々」だけに掛かるのか、「人々や『従軍慰安婦』ら」に掛かるのか、極めてあいまいです。

 文章の構成では「強制連行」と「『従軍慰安婦』ら」に関連性が認められるし、教員や生徒がこの文章をどうとらえるのか、解釈によっては『従軍慰安婦』も強制連行されたという事実誤認が起こりうるのです。

 普通の日本語の読解力があれば一目瞭然です。

 昨年、少なくとも従軍慰安婦が「強制連行」されたという一連の朝日新聞捏造報道は朝日自身によりおわびと訂正があったわけですから、その重大なトピックを数研出版としても教科書に反映しただけでしょう。

 この数研出版に対する社説までもちいた執拗な粘着批判記事は、朝日新聞従軍慰安婦捏造報道のおわび訂正記事の幼稚な反動といっていいでしょう。

 今回の数研出版による教科書記述訂正は極めてまっとうなものです。



(木走まさみず)