木走日記

場末の時事評論

安倍政権の改憲は「上からの改憲」(朝日社説)だと?〜そもそも「下からの改憲」ってあるのか?

 さて自民党が今年の運動方針案でついに「改憲への道筋」をつけることを前面に掲げました。

 18日付け毎日新聞記事より。

自民党
改憲に向けて道筋」 今年の運動方針案

 自民党は2019年運動方針案を固めた。安倍晋三首相が目指す憲法改正について「改めて国民世論を呼び覚まし、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟だ」と前文に明記。改憲案の賛否を問う国民投票をにらみ、世論の醸成を図る姿勢を打ち出す。

(後略)

https://mainichi.jp/articles/20190118/ddm/005/010/085000c

 「改めて国民世論を呼び覚まし、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟だ」とのことです。

 さて9条を確認しておきましょう。

第9条
1項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 安倍首相の改憲案は、9条に3項を追加し、自衛隊の存在を憲法上に明記するというものです。

 2項を従来通り維持することに対する批判があるのは周知の通りですが、ここに触れると公明党などがまず賛成してくれませんから、安倍案は現実的な改憲案であるといえます。

 憲法改正発議を目指す自民党に残された時間は少ないのです。

 戦後73年、現行憲法発布以来71年、この国の憲法は一言一句変わっておりません。

 この国の憲法が「不磨の大典」と化してしまったのは、憲法改正論議自体をいつでも反対と決めつけ、その改正内容を議論して国民の理解を深めることをしないまま「平和憲法を守れ」と思考停止の、改憲議論が結論を得ることが事実上不可能な高さにハードルを上げてきた一部野党や一部メディア勢力の愚かな主張によるものでしょう。

 安倍政権には、堂々とかつ粛々と改憲発議まで政治日程をこなしていただきたいです。

 繰り返しますが、安倍政権に発議成立に残された時間は少ないのであります。

 ・・・

 しかし朝日新聞です。

 朝日新聞はここ数年、「安倍政権下の憲法改正は反対」キャンペーンを紙面にて派手に展開しています。

 例えばこんなアンケート調査も繰り返しています。

安倍政権下の改憲「反対」58% 朝日世論調査
https://www.asahi.com/articles/ASL4R4HT3L4RUZPS005.html

 さらにです。

 2015年6月30日、朝日新聞憲法学者ら209人にアンケートをしています。

 当時国会で討論されていた安全保障関連法案は合憲か、違憲か、はたまた自衛隊そのものは合憲か、違憲か、そして憲法9条は改正すべきか否か問われました。

 その偏ったアンケート結果が話題となりました、非常に有名な朝日憲法学者アンケートであります。

 現在でも以下でネットで公開されています。

朝日新聞
安保法案学者アンケート
https://www.asahi.com/topics/word/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E6%A1%88%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88.html

 さてその質問4「現在の自衛隊の存在は憲法違反にあたると考えますか。」との問いの結果がこちらです。


朝日新聞社による2015年6月30日付アンケート調査より
 グラフは『木走日記』で作成

 ご覧のとおり過半数(6割以上)の憲法学者自衛隊憲法違反もしくはその可能性があると答えていました。

 さらに質問5「憲法9条の改正について、どのように考えますか。」との問いの結果がこちらです。


朝日新聞社による2015年6月30日付アンケート調査より
 グラフは『木走日記』で作成

 実に8割の憲法学者が改正する必要なしと答えています。

 このアンケート調査が示していることは、わが国の憲法学者の多数は「自衛隊違憲である」が「平和憲法は守れ」と主張しているのであります。

 日米安保条約により米軍の攻撃力に依拠しつつ防御力主体に国土防衛に当たっている自衛隊による現実のわが国の安全保障政策の実態を、「憲法違反」の一言で現実を無視し「憲法改正反対」と机上の空論を弄んでいるのであります。

 「憲法違反」と批判している自衛隊が現実に存在しているのに、でも「憲法改正」には反対という自己矛盾の主張を繰り返す学者たちなのであります。

 この状態は異常としか言えません。

 世界主要国の中で自国の軍隊を学者の多数がその存在そのものが「違憲」であるとみなしている国は日本以外にはありません。

 さて朝日新聞は10日付け社説で安倍政権の改憲は「上からの改憲」であり無理筋であると批判します。

憲法論議 「上からの改憲」の無理
2019年1月10日05時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S13842493.html?ref=editorial_backnumber

 安倍首相の自衛隊明記案は「自衛隊員の誇り」という情緒論が理由だと痛罵します。

 首相は自衛隊明記にこだわるが、理由として強調するのは「自衛隊員の誇り」という情緒論だ。9条が改正されても自衛隊の役割は何も変わらないというなら、何のための改正なのか。

 「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振る」のは「無理筋である」と批判しています。

 昨年の憲法をめぐる動きを振り返ると、憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振るという「上からの改憲」が、いかに無理筋であるかを証明したといえよう。

 朝日新聞の「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振る」という「上からの改憲」はダメだとの主張ですが、それこそ現行憲法違反の暴論と言えましょう。

 96条には憲法改正には「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議」と明文されています。

 その上での「国民投票」です。

第九十六条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 すなわち憲法改正には「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」を国会で実現しなければ不可能なわけで、ときの政権(朝日新聞いわく「憲法に縛られる側の権力者」)が必要ならばいくつかの野党を巻き込んで改正案を国会に提示(朝日新聞いわく「自ら改憲の旗を振る」)せざるを得ません。

 ほかに手段はない。

 これを「上からの改憲」はダメだと批判するならば、それは現行憲法の改正手順を批判するに等しいのです。

 そもそも「下からの改憲」ってあるのか?

 「下からの改憲」ってなんなのか?

 こうして朝日新聞による「安倍政権下の憲法改正は反対」キャンペーンは「無理筋」に続くのであります。



(木走まさみず)

『辺野古に土砂 政権の暴挙認められぬ』(朝日社説)だと?〜根拠薄弱をひた隠すヤクザの因縁付けみたいな朝日新聞飛ばし社説

 4日付け朝日新聞社説が『辺野古に土砂 政権の暴挙認められぬ』とまたしてもの安倍政権批判を展開しています。

辺野古に土砂 政権の暴挙認められぬ
https://www.asahi.com/articles/DA3S13796522.html?ref=editorial_backnumber

 社説は冒頭、「沖縄の皆さんの心に寄り添う」とはこういうことかと皮肉りから始まります。

 安倍首相が繰り返し口にしてきた「沖縄の皆さんの心に寄り添う」とは、つまりはこういうことだったのか。

 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設をめぐり、岩屋毅防衛相は名護市辺野古の沿岸部に基地を造るため、今月14日から土砂の投入を始めると述べた。

 「土砂が入れば、この豊かな海に計り知れない打撃を与える」とお怒りです。

 辺野古沖の大浦湾には262の絶滅危惧種を含む5800種以上の生物が確認されている。ひとたび土砂が入れば、この豊かな海に計り知れない打撃を与えることも忘れてはならない。

 ここで朝日社説は辺野古工事には「最低でも13年はかかる」費用も「2400億円ほどではとても足りず、10倍以上になる」との試算を取り上げ、批判展開いたします。

 普天間飛行場の危険性を除くには一日も早い返還が必要で、それが沖縄の負担軽減につながると説明する。数年内に実現するかのような言いぶりだが、県の見通しはまるで違う。

 埋め立ての本体工事に5年。防衛省自身の調査によって最近わかった、当初の想定をはるかに上回る軟弱な海底地盤の改良工事に5年。その後の施設整備などに3年――。最低でも13年はかかると見て、先月開かれた政府との集中協議で示した。

 費用も計画の2400億円ほどではとても足りず、10倍以上になると試算している。むろん国民の税金から支払われる。

 いくらなんでも工期13年以上で費用2兆4千億円以上はないでしょと思うのですが、社説は根拠も示さず、政府に反論があるならば「その根拠をデータをもって示」せ、「それが政府がとるべき態度だ」と逆切れの主張をします。

 こうした指摘が間違っているというのなら、その根拠をデータをもって示し、共通認識をもったうえで問題の解決を探る。それが政府がとるべき態度だ。

 社説は安倍政権には「既成事実を積み上げ、反対派の勢いをそごうという意図」があるのだ、これこそ「政治の堕落」だと主張して結ばれています。

 沖縄では来年2月24日に、埋め立ての賛否を問う県民投票が行われる。政府が工事を急ぐ背景には、その前に既成事実を積み上げ、反対派の勢いをそごうという意図が見え隠れする。政治の堕落というほかない。

 ・・・

 この社説の論の組み立てで肝心の部分、辺野古工事が「最低でも13年はかかる」費用も「2400億円ほどではとても足りず、10倍以上になる」との数値試算の論拠が裏付けられていません、「県の見通し」とあるだけです。

 実は、この部分は地元紙琉球新報が11月29日付けでスクープした記事内容をそのまま流用しているのです。

辺野古埋め立て工費2.5兆円 沖縄県試算、当初計画の10倍
2018年11月29日 10:40
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-841236.html

 記事より当該部分を抜粋。

 現状の護岸建設までの費用が当初予定の10倍となっていることを踏まえ、防衛省が資金計画書で示していた埋め立て工事全体の2400億円も10倍になると当てはめた。その上で、岩国飛行場拡張工事で生じた費用を踏まえ、軟弱地盤の改良工事費や県外からの追加の土砂調達費を加算した。

 工期についても、埋め立て工事に5年、軟弱地盤の改良工事に5年、埋め立て後の施設整備に3年の計13年を要すると指摘した。「一日も早い普天間の危険除去につながらない上に、2兆円以上も費用がかかる計画を続けるのか」(県幹部)と、辺野古移設以外の方策の検証を国に求めている。

 琉球新報記事では、しかしながら、記事の結びで、これらの数値は正確ではない、おおよその想定であり公式のものではない、と正直にここの数値の「不確かさ」を認めています。

 記事結語より。

 工事費用の県の試算は県の主張を補強するためのおおよその想定で、公式の調査ではない。

 朝日新聞社説が姑息なのはこの県による「見通し」が根拠薄弱な非公式のものである事実を伏せながら、引用している点です。

 さらにこの根拠薄弱なデータに政府が反論するならば「その根拠をデータをもって示」せと、逆切れするのです。

 こうした指摘が間違っているというのなら、その根拠をデータをもって示し、共通認識をもったうえで問題の解決を探る。それが政府がとるべき態度だ。

 根拠薄弱なことを隠しつつ、おおざっぱなデータを振り回し、逆に反論があるならば根拠を示せと、無理難題を押し付ける。

 社会の公器を自負する朝日新聞のその社説が、ヤクザの因縁付けのような裏付け取材のない不正確な数字が羅列され、社説全体の論拠として悪用されているのです。

 デジタル大辞泉によれば、裏付け取材に基づかず、記者などの憶測によって書かれた不正確な記事のことを、飛ばし、飛ばし記事といいます。

 飛ばし記事(読み)トバシキジ
裏付け取材に基づかず、記者などの憶測によって書かれた不正確な記事。飛ばし。
https://kotobank.jp/word/%E9%A3%9B%E3%81%B0%E3%81%97%E8%A8%98%E4%BA%8B-672660

 元記事の琉球新報は正直に試算の精度がおおまかであることを認めていました。

 工事費用の県の試算は県の主張を補強するためのおおよその想定で、公式の調査ではない。

 それを朝日新聞社説はこの非公式の精度の悪い試算を悪用します。

 試算の精度が悪いことを隠したまま、政府が反論するならば「その根拠をデータをもって示」せと因縁付けです。

 「その根拠をデータをもって示」さなければならないのは、県側であり、それを引用した朝日新聞側なのにです。

 まったく、ヤクザの因縁付けみたいな朝日新聞飛ばし社説なのであります。

 ふう。



(木走まさみず) 

この局面で日本の責任を追及する朝日新聞の異常な社説


 今回は主要紙の社説をメディアリテラシー的にプチ分析してみましょう。

 さて31日の主要5紙の社説は前日の韓国の異常な徴用工裁判を取り上げています、全紙そろい踏みであります。

【朝日社説】徴用工裁判 蓄積を無にせぬ対応を
https://www.asahi.com/articles/DA3S13747548.html?ref=editorial_backnumber
【読売社説】判決 日韓協定に反する賠償命令だ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181030-OYT1T50161.html
【毎日社説】韓国最高裁の徴用工判決 条約の一方的な解釈変更
https://mainichi.jp/articles/20181031/ddm/005/070/128000c
【産経社説】「徴用工」賠償命令 抗議だけでは済まされぬ
https://www.sankei.com/column/news/181031/clm1810310002-n1.html
【日経社説】日韓関係の根幹を揺るがす元徴用工判決
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO37149270Q8A031C1EA1000/

 さて社説のような小論では結語のインパクトは重要です。

 落語で言えば落ちのようなものであります。

 そして社説ではしばしば「誰々は何々すべきである」と、言い切り方の結論を持ってきます。

 では、結語を並べて分析してみましょう。

 まずは【読売社説】の結び。

 韓国の文在寅大統領は、「未来志向の日韓関係構築」を目指すのであれば、事態の収拾に全力を尽くさねばならない。

 主語は「韓国の大統領」、すべきは「事態の収拾に全力を尽くさねばならない」と結ばれています。

 次は【毎日社説】の結び。

 日本も感情的な対立を招かないよう自制が必要だ。しかし、主体的に問題解決を図るべきは韓国政府だということを自覚してほしい。

 日本にも自制を求めつつ、結びは「韓国政府」が「主体的に問題解決を図るべき」と自覚しろとまとめられています。

 次は【産経社説】の結び。

 国同士の約束を破り国際的信用を失うのは韓国である。韓国への投資なども冷え込もう。政府間の交渉も信頼して行えない。

 もちろん主語は「韓国」、「韓国」は「国同士の約束を破り国際的信用を失う」、「韓国」「への投資なども冷え込もう」、「韓国」との「政府間の交渉も信頼して行えない」というわけです。

 次は【日経社説】の結び。

 日韓は北朝鮮の核問題など協力すべき懸案が山積する。文在寅政権は冷静に対応してもらいたい。

 主語は「文在寅政権」で、「冷静に対応してもらいたい」とまとめられています。

 今分析したとおり、日本の主要紙社説の結びでは、「冷静に対応してもらいたい」(日経)「主体的に問題解決を図るべき」(毎日)「事態の収拾に全力を尽くさねばならない」(読売)の要求先はすべて韓国政府にむけられています。

 産経社説の結びにいたっては、要求すらしていません、「国同士の約束を破り国際的信用を失う」、「投資なども冷え込もう」、「政府間の交渉も信頼して行えない」と、韓国政府批判と最後の最後は「交渉も信頼して行えない」と韓国拒絶表現で結ばれています。

 日本メディアの社説が韓国政府を痛烈に批判するのも当然です。

 53年前に日本政府は国家対国家として韓国政府に巨額なお金を援助し、それをもって「請求権問題の完全かつ最終的な解決」をしています。

 請求権問題で、徴用工に個別対応する責任は韓国政府にこそあります。

 今回のは国際条約違反の有り得ない判決なのです。

(参考エントリー)

2018-10-30 韓国最高裁が『日韓基本条約』協定違反の異常で非常識な判決〜日本政府は韓国政府に強く抗議すると共にあらゆる対抗手段を検討すべき
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20181030/1540880015

 さてです。

 最後に朝日新聞の社説の結びを分析しましょう。

 負の歴史に由来する試練をどう乗り切り、未来志向の流れをつくりだすか。政治の力量が問われている。

 「政治の力量が問われている」と結ばれていますが、あれあれ主語がありません。(主語を消す、これはブンヤの意図的なテクニックです)

 この場合、結びの手前の文が鍵を握ってきます。

 日本政府は小泉純一郎政権のとき、元徴用工らに「耐え難い苦しみと悲しみを与えた」と認め、その後も引き継がれた。

 政府が協定をめぐる見解を維持するのは当然としても、多くの人々に暴力的な動員や過酷な労働を強いた史実を認めることに及び腰であってはならない。

 なんのことはない「日本政府」でした。

 朝日社説は結びで「日本政府」に「多くの人々に暴力的な動員や過酷な労働を強いた史実を認めることに及び腰であってはならない」と要求し、最後に「日本政府」の「力量が問われている」と、本件は日本政府側の問題であると暗示して結ばれているのです。

 ・・・

 今回は主要紙の社説をメディアリテラシー的にプチ分析してまいりました。

 ご参考になりましたでしょうか。

 社説のような小論では結語のインパクトは重要です。

 落語で言えば落ちのようなものであります。

 そこにはその新聞社が訴えたい主張がしばしば凝縮しているものです。

 日本の全国紙の中で唯一「韓国政府」ではなく「日本政府」の責任を追及して論を結んでいる朝日新聞社説なのでありました。

 この局面で韓国より日本への注文を出す、まさに異常な新聞と申せましょう。

 ふう。



(木走まさみず)

前時代的な無謀な現場第一主義、「突撃ジャーナリズム」の功罪〜背景にあるジャーナリスト同士の小さなヒエラルキー

 問われているのは、前時代的な無謀な現場第一主義、「突撃ジャーナリズム」の功罪そのものだと考えます。

 ・・・

 さてまたしても「自己責任論」論争であります。

(参考記事)

安田さん解放
「自己責任論」で賛否の渦 著名人も発信
https://mainichi.jp/articles/20181027/k00/00e/040/230000c

 日本人ジャーナリストが自らの意思でリスクの伴う紛争地域に入り、日本人オーディエンス(読者・視聴者)のために現地から報道をする、そして不運にも報道に至る前にあるいは報道途中で、武装勢力に拘束されてしまう。

 武装勢力はジャーナリスト解放の条件に今回は否定されているが、しばしば高額の身代金を日本政府に要求する。

 結果今回は無事開放されたが、3年前のISIL(イスラム国)人質事件の時には湯川遥菜さん、後藤健二さん、2人の日本人の命が奪われてしまった。

 このような展開に、上記毎日新聞記事曰く「自ら紛争地域に入って拘束されたのだから自己責任」いわゆる「自己責任論」が今回も渦を巻いているといいます。

 これに対して少なからずのジャーナリストや評論家から「自己責任論」批判が起きています。

 そこには現地報道は「ジャーナリストの使命」であるという確固たる信念があるようです。

 例えばジャーナリストの田原総一朗氏は、3年前の人質事件の時に危険地報道は「ジャーナリストの使命」だ、「民主主義の根幹を支えている」と主張しています。

(前略)

「正解」の対応は、正直、僕にもわからない。ただ、ひとつ、何度でも言いたいことがある。人質となった後藤健二さんに対して、「危険な国に勝手に行ったのだから、自己責任だ」という意見がある。確かに自分の意思で行くのだから、自分の責任だろう。だが、ジャーナリストというのは、危険なところであっても行くものだ。現地に行かなければわからないことが、たくさんあるからだ。

今回の現場はシリアだった。紛争地域である。だが、たとえ国内であっても災害や事故が起こった危険な現場へジャーナリストは行くのだ。僕も、そうした場数はたくさん踏んできた。

そしてジャーナリストが、こうして危険と隣り合わせで取材した情報によって、視聴者や読者は真実を知る。みんなが、現実について考えるためのきっかけや材料を提示するのだ。僕たちは、こうやって民主主義の根幹を支えていると思っているのである。

(後略)

田原総一朗
2015年02月09日 13:06
ISILによる日本人人質事件で考えた、ジャーナリストの使命と「自己責任論」の先にある危険な風潮
http://blogos.com/article/105237/

 田原氏によるものすごいジャーナリストの使命感、そして現場第一主義です。

今回の現場はシリアだった。紛争地域である。だが、たとえ国内であっても災害や事故が起こった危険な現場へジャーナリストは行くのだ。

 ジャーナリストの現場第一主義の歪んだ事例を見てみましょう。

 58名が死亡した2014年の御嶽山噴火です。

 この噴火では突然のケースでもあり、現地に報道陣は到着せず最後まで一人のジャーナリストも現地入りできませんでした。

 しかし多くの登山者が遭難直後にネットに情報投稿、その多くがメディア報道されることになります。

 現場第一主義優先で一部メディアは人道上問題のある行為を起こしてしまうのです。

 「御嶽が噴火した やばい、遭難した」と噴火の画像付き投稿者に対して、「NHK社会部です。掲載している画像についてお聞きしたいことがあります。ダイレクトメールで直接やり取りをさせていただきたいので、大変恐れ入りますが、@nhk_syakaibuをフォローしていただけませんでしょうか。よろしくお願いします。」と噴火の画像を問い合わせます。

 遭難者の安否も確認せずのこの取材活動は直後に大炎上、大批判を浴びます。

 やりとりをまとめサイトよりご紹介。

御嶽山噴火に群がるマスコミのハイエナ取材

https://togetter.com/li/724387

 ・・・

 まとめます。

 この21世紀ネット時代に田原氏などが唱えるジャーナリストの現場第一主義は大きく揺らいでいます。

 「ジャーナリストが、こうして危険と隣り合わせで取材した情報によって、視聴者や読者は真実を知る」とは、いかにも古い考え方であります、ジャーナリストだけが「情報発信」を独占していた古き良き時代の「残滓(ざんし)」 ともいえましょう。

 国内では3.11のときも御嶽山噴火のときも、ジャーナリストが現地入りする前に、すでに大量の情報がネットを通じて発信されていました。

 御嶽山噴火ではほぼ一般市民の情報発信だけでメディア報道は構成され最後まで現地にジャーナリストは不在でしたが私たちはリアルで正確な情報に触れることができました。

 今回のシリア関連の情報にしても世界で起こっている事件に関しても、別に日本人ジャーナリストが現地にいなくても私たちはネットを通じてしっかりと情報収集が可能になりつつあります。

 ジャーナリストが一次情報発信を独占していた時代は終焉を迎えつつあります。

 これはネットの発達により世界中で情報発信者が「面」的に爆発的に膨らみつつある不可逆的な流れであります。

 この流れにあらがうことは不可能です。

 情報発信がメディアやジャーナリストなどの「特権階級」の独占物であった昔は、その限られた情報が偏向していると社会に対して多大な悪影響を及ぼしたのは戦時中の朝日新聞等の軍部べったりの好戦報道が好事例であります。

 今、情報発信は世界中、限られたジャーナリストという「点」の発信からネットを通じて多くの不特定多数者による「面」の発信という、劇的変化が起こりつつあります。

 例えば災害現場では、ジャーナリストが不在でもSNSを通じて多くの情報が臨場感を持って発信され始めています、上記の御嶽山噴火においてSNSはその威力をまさに発揮したのでした。

 世界中の戦争や紛争の現場においてもジャーナリスト以外の一般の情報発信が圧倒的かつ貴重な情報を世界中に発信しつつあります。

 情報発信手段と行為者は「点」から「面」へと、劇的な変化が生まれつつあるのです。

 この劇的な変化をマスメディアや既存ジャーナリストは理解していません。

 紛争地や災害発生地に入り危険な現場から報道をする、結果人質になってしまう、あるいは災害地や遭難者・避難者に迷惑をかける、このジャーナリストのスタイルそのものが問われているのではないでしょうか。

 繰り返します。

 問われているのは、前時代的な無謀な現場第一主義、「突撃ジャーナリズム」の功罪そのものだと考えます。

 本当にそこに「突撃」しなければ真実は報道できなかったのか。

 すくなくとも今回の場合、40ヶ月拘束され、その間ルポも現地取材もできてはいません。

 今回のやり方(入国方法、現地での協力体制など)に誤りはなかったのでしょうか。

 ちなみに海外危険地に突撃取材するのはみんなフリーのジャーナリストであり、新聞やテレビなどマスメディアの記者ではありません。

 マスメディアの記者は社から紛争地最前線への危険な取材は原則禁じられています。

 マスメディア側のチキン振りはまた別に論じますが、多くのフリージャーナリストが戦地に行くのはそこに入ればマスメディア側が記事を買ってくれるからです。

 しかし年々危険な戦地でも現地一般人からのSNS経由の情報が増えており、フリージャーナリストが現地に入ってもよほどのスクープかルポルタージュ記事でないと商品価値がありません。

 そこで世界中の彼らフリージャーナリストはより危険な前線へと足を運ぶ傾向があるのです。

 今回の件でこのような背景を論じるマスメディアは皆無です、ここに触れると彼らジャーナリスト同士の小さなヒエラルキー身分制度にふれなければならないからです。

 最後にこの危険な前時代的行為には責任が伴うのは当然だと考えます。



(木走まさみず)

「ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」から(キリッ」(朝日新聞記事)〜ぼうっと生きてんじゃねーよ(怒

 18日付けの朝日新聞記事が興味深いのです。

 情報入手の手段がネット利用者のほうがテレビ・新聞利用者のほうより安倍内閣の支持率が高いと言うのです。

SNS・ネットで情報入手の人、内閣支持率高め なぜ?
三輪さち子2018年10月18日04時24分
https://www.asahi.com/articles/ASLBD41V2LBDUZPS005.html

 長文の記事ですが、関心のある読者は是非直接記事をお読みくださいませ。

 さて記事によれば、情報入手の媒体の世論調査結果は、テレビ(44%)、インターネットのニュースサイト(26%)、新聞(24%)、SNS(4%)という順番だったそうです。

 あなたが、政治や社会の出来事についての情報を得るとき、一番参考にするメディアは何ですか。次の4つの中から1つだけ選んでください。

(1)新聞

(2)テレビ

(3)インターネットのニュースサイト

(4)ツイッターフェイスブックなどのSNS

 集計した結果、回答が多かったのは、テレビ(44%)、インターネットのニュースサイト(26%)、新聞(24%)、SNS(4%)という順番でした。

 さらに記事によれば、若年層ほど内閣支持率は高くなり、ネットやSNS利用者ほど内閣支持率は高くなる傾向にあったとのことであります。

 年齢別にみると、18〜29歳と30代の回答者で、最も多かったのは、インターネットのニュースサイトでした。40代以上はいずれも「テレビ」が最多で、年齢層が上がるほど「新聞」の割合が増え、「ネット」や「SNS」の割合が減っていました。回答した人全体の内閣支持率を出したところ38%(不支持率43%)になりました。

 SNSやネットを参考にすると答えた人の支持率は40%を超え、全体の値より高めだったのです。

 さてネット利用者は安倍内閣支持率が高く、新聞利用者は安倍内閣支持率は低い、この事象に対して朝日記事が展開する分析がまた興味深いのです。

 まず東京工業大の西田亮介准教授の意見として、新聞を読んでいる人は社会や政治への意識が高いのだと指摘します。

 西田さんは、情報を得るためのコストをかけるかどうかが、内閣支持率に影響しているのではないかと指摘します。

 新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけている人です。つまり社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っていると捉えられます。

 なんだかなあ、新聞社の記事が自分の記事で自分の読者は「意識が高い」って論を展開されてですねえ、読んでるこちら側が少し恥ずかしくなるわけです、よく言いますねと。

 さてさらに、ネットやSNS利用者は情報入手にコストをかけていないから、ズバリ「意識が低い」、意識が低いから現状肯定に流される、指摘します。

 一方、SNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識、関心が高いとは言えず、受動的になりがちです。

 その上で、「コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいのではないか」と言います。

 政治や社会のことに関心を持たない人は、よほど現状の生活に不満がない限り、「今のままでいい」と現状を受け入れやすい。あるいは、現状の生活に不満がないから、政治や社会のことに関心を持たない、と言えるかも知れません。

 これもなんだかなあ、ネットやSNS利用者は貧乏くさく情報入手に金掛けないから、「意識が低い」、結果「現状肯定に流されやすい」ので、安倍内閣支持者が多くなる、という論でありますが、一応ネット利用者の一人として、この上から目線の論考には、お前たちは貧乏なおばかさんたちですと、言われているようで少し照れてしまいます。

 朝日記事は続いて、なぜ若年層の内閣支持率が高いのか、論を展開していきます。

 若者はネット利用者が多いことに触れた上、若者たちに「エコーチェンバー(反響室)現象」が起きていると主張します。

 ネット上で自分の好みのニュースだけを見聞きすることを、「選択的接触」と言います。

 意見が合う人たちばかりと交流することで、自分の意見が正しいように思えてくることは「エコーチェンバー(反響室)現象」と呼ばれます。

 私は以前から、安倍内閣を支持する人たちと、支持しない人たちとの間で、こうした分断が起きているのではないか、と感じていました。

 ツイッターフェイスブックは、自分と意見や価値観が似ている人をフォローしたり、「いいね」したりする方が多くなりがちです。

 このように自分の好みのニュースだけを見聞きする「選択的接触」を繰り返していると、結果内閣支持率に影響するのでは、という朝日新聞の予想がもともとあり、それを調査したところ今回は「当たっていた」と自画自賛いたします。

 SNSやネットが重要な情報源になってきた今、興味がないニュースや自分と異なる意見に触れる機会が減っているのではないか。そのことは、内閣支持率に影響するのではないか。それが今回、私たちが、用意した質問の狙いでした。

 今回の結果は、ある程度、その予想が当たっていたように見えます。

 なんだかなあ、これじゃあ若者はネットで自分の好みのニュースだけを見聞きする「選択的接触」を繰り返し、社会的な視野が狭くなって「エコーチェンバー(反響室)現象」もあり他者の意見を聞かなくなった、だから若者は内閣支持率が高くなった、っていうわけですか。

 朝日新聞のこの予想では、視野の狭い若いネットユーザーほど安倍内閣を支持していると、いいたげです。

 記事はこの後、慶応大学経済学部の田中辰雄教授による、自分の好みのニュースだけを見聞きして、それによって「エコーチェンバー現象」が起き、社会が分断される、ということが正しいかどうか、異説もあるという反論を載せて、バランスを一応はとって終わっています。

 ・・・

 まとめます。

 ネット利用者のほうが安倍内閣支持率が高い

 この命題に対して、この朝日記事は大学准教授の意見も混ぜながら、こう論を展開していました。

・新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけているので、社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っている。

・一方、ネットやSNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識は低く受動的である。コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいので内閣支持率は高まる。

 ・・・

 なぜ若年層の内閣支持率が高いのか

 この命題について、朝日新聞の主張はこうです。

・多くの若者は情報入手にネットを利用している。

・ネット上で自分の好みのニュースだけを見聞きすること、「選択的接触」をしている。

・さらに 意見が合う人たちばかりと交流することで、自分の意見が正しいように思えてくる「エコーチェンバー(反響室)現象」が起こっている。

・興味がないニュースや自分と異なる意見に触れる機会が減っている。それらのことが内閣支持率アップに影響している。

 ・・・

 興味深いことです。

 この朝日記事の論に従えば、ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」からだ、ということにおなります。
 若者に安倍内閣支持者が多いのは、新聞を読まず、ネットで自分の好みのニュースだけを見聞きし意見が合う人たちばかりと交流しているからだ、つまり社会に対する視野が極度に狭くなっているとでもいいたいようです。
 なんだかなあ。
 なぜ「意識が低い」と安倍内閣支持者になってしまうのか、なぜ若者は「視野が狭い」と安倍内閣支持者になってしまうのか、肝心のところの説明は一切ないのであります、残念ながら。
 これじゃ、朝日新聞安倍内閣支持者は新聞を読まないから馬鹿者の集団であると申しているようなものではないですか。
 朝日の言いたいこと。

「ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」から(キリッ」(朝日新聞記事)〜ぼうっと生きてんじゃねーよ(怒

 ・・・

 朝日らしい乱暴ででたらめな論考でありますが、ずれ過ぎていてちょっとおもしろいです。

 ふう。



(木走まさみず)

21世紀のネット時代に紙の新聞など生活必需品であるはずもない

 クイズです。

設問:以下の2つの冊子タイトルは社団法人日本新聞販売協会が最近作成したものである。(A)に漢字2文字、(B)に漢字4文字を当てはめてタイトルを完成させなさい。

「(A)の(B)はこの国の明日へのともしび」
「(A)と消費税/(B)は世界の常識」

 うむ、これは難問でしたかね、答えは

「新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび」
「新聞と消費税/軽減税率は世界の常識」

 だそうであります。

新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび

http://www.nippankyo.or.jp/summary/info/pdf/%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%81%AE%E8%BB%BD%E6%B8%9B%E7%A8%8E%E7%8E%87%E3%81%AF%E2%80%A63.pdf

 うむ、新聞を消費税軽減することは、「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」に繋がるのだそうです。

 収入が低いほど?税負担度?が高くなるという性質が現行消費税にあります。
 その弊害を防ぐため、消費税の原型であった売上税案「税制改正大綱」(昭和62 年度)では、44 項目の非課税品目をあげていました。
 食料品/医療/教育・文化/輸送/報道/住宅/金融・保険などの各分野に及びますが、その31に「新聞(一般日刊新聞・購読料)」もあります。(別紙?参照)
 私たち日本新聞販売協会が、かねがね申しのべてきた「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」という考えと軌を一にするものです。

 そして新聞を消費税軽減することは「つぎの世代、そのまたつぎの世代につながる知的水準の維持のため」なのだそうです。

 複数税率の実現には、いくつかの課題が横たわっており容易でないとしても、いっぽう、この国の活字文化保持のため、つぎの世代、そのまたつぎの世代につながる知的水準の維持のため、いまここで実現へ力をつくさなければ時を失する恐れがあります。

 で、読売世論調査で「生活必需品への軽減税率」について賛成が68%であると示した上で、臆面もなく「衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位」にお願いしているのであります。

※「生活必需品への軽減税率」について、世論調査での意見。

 衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位が、以上の趣意をお汲みあげのうえ、いまこそ「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」複数税率を実現し、もってこの国の明日へ燦然と灯を点じてくだるよう願ってやみません。

 この小冊子「新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび」ですが、今確認いただいたとおり、社団法人日本新聞販売協会が国民にではなく「衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位」に圧力をかけるためにまいたパンフです。

 自分達がよく報道で批判する密室で政府に懇願するみっともない圧力団体に自らなり下がっているわけです。

 それにしても新聞の軽減税率は「この国の明日へのともしび」だの「世界の常識」だの、よく臆面もなく言えたものです。

 あれほど各紙メディアで消費税増税の旗振り役をしていたくせに、いざ消費税増税法案が国会通過の見通しになると、自分達だけは例外扱いをしろと、よく主張できましたよね。

 ふう。

 ・・・

 そして新聞業界の大願は成就いたします。

 ここに軽減税率に関する国税庁のパンフが公開されています。


https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/01.pdf

 で、軽減税率の対象ですが、生活必需品の2つのカテゴリーなのであります。


https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/01.pdf

 飲食料品と新聞です。

 ありえないことです。

 本当にこの発行部数が長期低落している斜陽の新聞を、生活必需品と国民は認識しているのでしょうか?

 新聞よ。

 軽減税率対象にすべき生活必需品について、お得意の世論調査を、なぜ一社も行わないのだ?

 この21世紀のネット時代に、紙の新聞など生活必需品であるはずもないでしょう。

 読者のみなさん。

 紙の新聞が食料品と並んで軽減税率の対象となります。

 残念ながらこれはギャグではないのです。



(木走まさみず)

バカの一つ覚えのようにワンフレーズを繰り返すボキャブラリィ貧困集団〜ノーノーノーノーうるさいマスメディア

 今回は沖縄県知事選結果報道を通じて、日本のメディアをリテラシーいたしましょう。

 沖縄県知事選は共産、社民両党や労組などでつくる「オール沖縄」が推し、米軍普天間飛行場辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー衆院議員が、自民、公明両党などが推した保守系候補を破って当選しました。

 過去最多の39万票の勝利であります。

(参考記事)

当選の玉城氏、過去最多の39万票 得票数確定
沖縄県知事選 政治 九州・沖縄
2018/10/1 1:37

9月30日に投開票された沖縄県知事選は10月1日未明、各候補者の得票数が確定した。無所属新人の玉城デニー氏(58)が39万6632票を獲得し、同知事選で過去最多だった。前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)に約8万票の差をつけた。

当396632 玉城デニー 無新

 316458 佐喜真 淳 無新

  3638 兼島  俊 無新

  3482 渡口 初美 無新

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35942560R01C18A0000000/

 さてこの玉城デニー氏の沖縄県知事選勝利を受けて、明けた翌10月1日付けの日本の新聞の社説が大変なことになっております。

 すべての社説を取り上げれませんが有名どころの5紙の社説を、読者と共に愛でてみたいです。

 まずは全国紙2紙。

 朝日は社説タイトル『沖縄知事選 辺野古ノーの民意聞け』を高々と掲げます。

朝日新聞社説】沖縄知事選 辺野古ノーの民意聞け
https://www.asahi.com/articles/DA3S13703471.html?ref=editorial_backnumber

 次に毎日社説。

毎日新聞社説】沖縄知事に玉城デニー氏 再び「辺野古ノー」の重さ
https://mainichi.jp/articles/20181001/ddm/005/070/063000c

 毎日社説は「再び「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い」と指摘しています。

 沖縄県の新知事に、米軍普天間飛行場辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー衆院議員が当選した。8月に死去した翁長雄志(おながたけし)氏に続き、再び「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い。

 次に地方紙3紙。

 まずは地元沖縄の【琉球新報社説】です。

琉球新報社説】新知事に玉城氏 新基地反対の民意示した
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-811370.html

 社説は「県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた」と言い切ります。

 政権与党対県政与党という対立構図の中で、県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた。「政府の言いなりではなく、沖縄のことは沖縄で決める」という強い意志の表れだ。

 【東京新聞社説】。

東京新聞社説】沖縄県知事選 辺野古基地は白紙に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018100102000211.html

 社説は冒頭から「辺野古新基地建設はNO」と雄叫び(苦笑)から始まります。

 辺野古新基地建設はNO。沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場移設問題にあらためて民意が示された。政府は直ちに辺野古移設を見直すべきだ。これ以上、沖縄に対立と分断をもたらさないために。

 最後は【北海道新聞社説】。

北海道新聞社説】沖縄知事選 新基地拒否で県政継続
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/233443?rct=c_editorial

 社説は「安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけた」と政権を突き放します。

 この結果は「辺野古移設が唯一の解決策」として新基地建設を強行し続ける安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけたものと言える。

 ・・・

 うーむ。

 改めて各紙社説のコア部分を列挙。

 辺野古ノーの民意聞け(朝日)

 「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い(毎日)

 県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた(琉球

 辺野古新基地建設はNO沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場移設問題にあらためて民意が示された(東京)

 安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけたものと言える(北海道)

 何だか日本の左派メディアは「ノー」という単語がお好きなのであります。

 そう言えば、「原発ノー」とか「増税ノー」とかは日本共産党の常套句ではありましたな。

 ・・・

 沖縄県が司法の場で一度決着した問題を蒸し返そうとしているのは明らかです。

 翁長氏は2015年に手続きに瑕疵があったとして一度承認を取り消しましたが、最高裁は翌年、翁長氏の判断を違法と結論づけています。

 辺野古工事は法的にはすでに最高裁でGOサインがでております。

 自治体の問題ではないのです。

 そもそもです。

 外交・安全保障政策を担うのは、国民の選挙によって構成される国会が指名した首相を長とする内閣であります。

 自治体の長である知事に覆す権限は一切ないのです。

 辺野古移設は日米両国の外交上の約束であり、9月1日付け朝日新聞社説が誤誘導するような「すべての自治体の問題」であるはずがありません。

(関連記事)

(9月1日付け朝日新聞社説)辺野古工事 全ての自治体の問題だ
https://www.asahi.com/articles/DA3S13659491.html?ref=editorial_backnumber

 辺野古反対の朝日新聞オール沖縄側は、二言目には「沖縄県民の民意」と叫びますが、外交・安全保障政策は「地方自治」政策ではありません。

 ・・・

 それにしても、辺野古ノー(朝日・毎日)、安倍政権ノー(琉球・北海道)、辺野古新基地建設NO(東京)と、ノーノーノーノーうるさいマスメディアなのです。

 君たちはいったい日本人なのですか、それとも欧米か?

 読者のみなさん。

 日本のメディアは、バカの一つ覚えのようにワンフレーズを繰り返すボキャブラリィ貧困集団です。

 そうは思いませんか?

 

(木走まさみず)