木走日記

場末の時事評論

ミドル・シニア世代のための『機械学習はじめの一歩の一歩のそのまた一歩』

私は長年工学系の学校で外来講師をさせていただいていますが、ここ何年か今はやりのAI・機械学習の講義を受け持たせていただいておりまして、その関係もあり、一般の人(特にミドル世代からシニア世代(40代〜60代以上))から、機械学習を学習したいのだがどうすればよろしいのか、といった質問をよくいただいたりします。

機械学習を学習したい』との意味を、その原理からすべて理解したいととるならば、線形代数、ベクトル、行列、微積分、偏微分などの数学知識が必須となります、もちろんプログラミングの知識も必要です、一般の人にはハードルがやや高いのです。
ですがやる気のある人には、私は『ぜひ機械学習を学習してください、もし習得できればあなたの将来は、人生は大きく開けます、その可能性を広げることでしょう』と励ましたいです。
そこまで大袈裟にしなくても、老後のボケ防止(苦笑)には機械学習習得は最適です。

そこで今回は時事問題から離れて、『機械学習はじめの一歩の一歩のそのまた一歩』と題しまして、読者のみなさまが機械学習の学習に踏み出す準備のエントリーをしたいと思います。

興味がありお時間の許す読者はお付き合いください。
(やる気のある人は紙とペンのご準備をしてください)

このエントリーの内容が理解できれば、あなたはすでに『機械学習』を学習する準備ができていると私・木走が保証いたしましょう。

ただし本エントリーは機械学習の学習にはほとんど踏み込みません、読者が学習する準備ができているか、チェックすることが主目的だからです。

もしこのエントリーが好評でしたら、『ミドル・シニア世代が一から学ぶ機械学習』と題してシリーズ化してもよいかもと考えています。

以下のメールアドレスにレスいただければ幸いです。

木走正水のメールアドレス
mkibashiri@gmail.com

数学のある定理を証明していきます。

直線と点の距離を求める公式です。
f:id:kibashiri:20200215161042p:plain
図示すると距離Rはこうです。
f:id:kibashiri:20200215161055p:plain
ここまでで、何点か基本的な説明をしておきます。
私達が中学以来なじんでいる 直線の式は

y=ax+b

です、aが傾きでbがy切片でしたよね。

しかしこの図では、x軸はx1軸、y軸はx2軸となっていることに留意が必要です。
中学高校の数学では2次元、3次元までしたから、x,y,zの3つまでで十分でしたが、機械学習ではさらに4次元・・・n次元と高次元を扱うので、x1,x2・・・xnと変数を表現するのです。

機械学習の直線の式w0+w1x1+w2x2=0は、w0+w1x1+w2x2・・・+wnxn=0と高次元でも表現できるように配慮したものです。

とはいえ、w0+w1x1+w2x2=0

を、強引にy=ax+bの形にすれば、

x2=-(w1/w2)x1-w0/w2 となりますね、書き方が違うだけで同じ直線の式であることがわかります。

ちなみに、係数のw0,w1,w2ですが、wは重み(ウエイト)と呼ばれています。

さて証明をする前に、2つ基礎数学的準備をしておきましょう。

傾きがαである、直線y=αxと直交する直線の傾きは、-(1/α)であることは以下の図で簡単に証明されます。
f:id:kibashiri:20200215161109p:plain
次に2点の距離Rは、ピタゴラスの定理から次の公式が得られます。
f:id:kibashiri:20200215161123p:plain
準備はできました、では、証明を開始しましょう。

点(xa1,xa2)を通り、直線w0+w1x1+w2x2=0に直交する直線の式を求めます。

ついてきてください。

f:id:kibashiri:20200215161134p:plain

元の直線w0+w1x1+w2x2=0が式(1)、点(xa1,xa2)を通り、元の直線w0+w1x1+w2x2=0に直交する直線の式が式(2)に求まりました。

次に式(1)と式(2)の交点座標(xb1,xb2)を求めます。

ついてきてください。

f:id:kibashiri:20200215161145p:plain

これで、点(xa1,xa2)と交点座標(xb1,xb2)の2点の座標が求まりました。

あとはピタゴラスの定理から2点間の距離Rを求めればいいわけです。

式の複雑さに嫌になりますが我慢して付いてきてください。

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ここから一気に綺麗な形で証明されていきます。

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これで以下の直線と点の距離を求める公式が証明されました。
f:id:kibashiri:20200215161042p:plain

いかがでしたでしょうか。

この公式の証明を機械学習の学習の最初に取り上げたのは、この証明には、ベクトルや行列、あるいは微積分などの知識は要求されていません。

中学の数学の知識で十分解くことができます。

ただし問題はその計算量です。

ミドル・シニア世代の錆び付いた(失礼)頭脳のサビを落とすのに最適な問題だと思ったのです。

繰り返しますが、このエントリーの内容が理解できれば、あなたはすでに『機械学習』を学習する準備ができていると、長年『機械学習』を学生に教育指導してきた私・木走が保証いたしましょう。



(木走まさみず)

「荒涼たる国会 安倍首相の責任は重い」(朝日新聞社説)に反論する〜その国の政治のレベルが低いとすれば、野党を含めた国全体のあり方が問われなければならない

さて、国会が荒れています。

辻元清美氏がBLOGOSにて安倍総理が国会にて「意味のない質問だよ」と暴言を吐いたと批判します。

辻元清美
2月12日予算委員会、質疑を終えた私の背中に安倍総理が「意味のない質問だよ」と暴言!
https://blogos.com/article/435761/

辻元清美氏によれば、安倍総理に「鯛は頭から腐る」という言葉を紹介したら、閣僚席の安倍総理が「意味のない質問だよ」と暴言を浴びせたのだといいます。

私は質疑時間の最後、安倍総理に「鯛は頭から腐る」という言葉を紹介しました。
総理補佐官が公私混同の疑いをもたれても、総理はけじめをつけさせることができないのはなぜか。加計学園疑惑で真実を知りうる立場でしゃべられたら困るから切れないのでは、という疑いが広がっている。「私の手で憲法改正」と言っているが、総理の手で成し遂げることは「憲法改正ではなく、ご自分の幕引きである」――そう発言して質問を終えた私の背中に、閣僚席の安倍総理が「意味のない質問だよ」と暴言を浴びせたのです。

この荒れた国会を受けて、13日付け朝日新聞は「荒涼たる国会 安倍首相の責任は重い」との社説を掲げます。

(社説)荒涼たる国会 安倍首相の責任は重い
2020年2月13日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14362996.html?iref=editorial_backnumber

社説は冒頭、「安倍首相の居丈高な反論やヤジ、しどろもどろの閣僚答弁……」「「言論の府」のあるべき姿からほど遠い光景が続いている」との嘆きから始まります。

 安倍首相の居丈高な反論やヤジ、しどろもどろの閣僚答弁……。建設的な議論を通じて、よりよい結論を導きだす。そんな「言論の府」のあるべき姿からほど遠い光景が続いていることに暗然とする。

首相は「立法府をないがしろにする姿勢は変わっていない」と糾弾します。「それを如実に示したのが、」「首相が自席から放った「意味のない質問だ」というヤジ」だと断罪します。

 内外の諸情勢などをテーマに、衆院予算委員会の集中審議がきのう開かれた。首相が出席する衆参の予算委は今国会で9日目となる。論戦から逃げ回っていた昨年の臨時国会とは大違いだが、立法府をないがしろにする姿勢は変わっていない。

 それを如実に示したのが、立憲民主党辻元清美衆院議員に対し、首相が自席から放った「意味のない質問だ」というヤジだ。辻元氏は質問の最後に、「桜を見る会」や森友・加計問題への官僚の対応を取り上げ、「鯛(たい)は頭から腐る。上層部が腐敗すると残りも腐る」などと締めくくった。首相のヤジはその直後に飛び出した。

「ヤジを認めた首相は、」「悪びれた様子もな」く、「批判を受け止める懐の深さや、説得力のある言葉と論理で対抗しようという冷静さは感じられない」と、さらに批判します。

 ヤジを認めた首相は、反論の機会もなく「罵詈雑言(ばりぞうごん)」を浴びたので「こんなやりとりじゃ無意味」「当然そう思う」と悪びれた様子もなかった。批判を受け止める懐の深さや、説得力のある言葉と論理で対抗しようという冷静さは感じられない。

さらに社説は、「この問題に区切りがつかないのは、首相」の不誠実な対応に原因があると指摘、首相側に「新型肺炎が拡大するなか、野党は疑惑追及一辺倒だと世論に印象づけるねらいがあるとすれば、姑息」であるとまで疑います。

 しかし、この問題に区切りがつかないのは、首相が自らの主張を裏付ける資料を示さず、廃棄したとされる招待者名簿などの再調査を拒んでいることに原因がある。新型肺炎が拡大するなか、野党は疑惑追及一辺倒だと世論に印象づけるねらいがあるとすれば、姑息(こそく)である。

社説は、「首相への批判を根拠も示さず「無意味」と決めつけたヤジは、行政監視を担う立法府への冒涜(ぼうとく)でもある」とし、「言論の府にふさわしい論戦を実現する責任に与党も野党もない」と結ばれています。

 首相への批判を根拠も示さず「無意味」と決めつけたヤジは、行政監視を担う立法府への冒涜(ぼうとく)でもある。棚橋氏は自民党所属の衆院議員であるが、言論の府にふさわしい論戦を実現する責任に与党も野党もない。

さて、上述の辻元清美氏の安倍批判も、朝日新聞社説も、一方的に安倍首相の「意味のない質問だ」とのヤジだけを、「行政監視を担う立法府への冒涜(ぼうとく)」(朝日新聞社説)と批判しますが、その発言の呼び水であった、辻元清美氏の「鯛は頭から腐る」発言の問題点には一切ふれません。

この発言は辻元清美氏が質問の最後に、数分に渡りえんえんと質問ではなく政策論議でもなく安倍批判を繰り返した中で発生しています。

子供の教育にも悪いです。

長期政権だからじゃないですよ。

最初からやっているんですから、さくらを見る会も、モリトモだって総理大臣になる前から講演に行こうとしてた。

まあですねえ、ここまで来たら、原因は鯛の頭、頭を変えるしかないのではないですか?

・・・

総理の手で成し遂げることは、そろそろ総理自身の幕引きだと言うことを申し上げて終わります。

これは質問時間の最後に一方的に辻元清美氏が「鯛は頭から腐るから変えろ」と安倍首相を罵り、安倍首相の立場からすれば、反論の機会も与えられないただの中傷であり、首相にしてみれば「意味のない質問だよ」とヤジるのも理解できます。

一歩譲り首相のヤジに問題があったにせよ、この「荒涼たる国会」を招いているのは、大切な予算委員会における野党側の「桜を見る会」に対する異常なこだわりが主因なのは明らかであります。

桜を見る会」関連で同じような無意味な質問を繰り返す野党に、首相の苛立ちも募っていたのでしょう。

朝日新聞社説は野党の問題を一切不問にして一方的に「荒涼たる国会 安倍首相の責任は重い」と安倍首相に責任を押し付けています。

・・・

まとめます。

英国の作家、サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles, 1812年12月23日 - 1904年4月16日)が、1858年にジョン・マレー社から出版した『Self-Help』(自助論)は、1866年江戸幕府留学生取締役として英国に留学した中村正直が、1867年発行の増訂版をもって1871年西国立志篇』として邦訳し、日本で出版されました。

その思想は近代日本の形成に大きな影響を与えたと言われています。

サミュエル・スマイルズは、『Self-Help』(自助論)の中で、政治は国民を映す鏡である、と名言を残しています。

「一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されているさまは、見ていて面白いほどです。これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです。」

サミュエル・スマイルズはその国の政治のレベルはその国の国民のレベルを反映してるのだと、喝破しています。

朝日新聞社説は荒れる国会を安倍首相一人にその責任を押し付けます。

しかし、私は、今の国会・予算委員会における低レベルな言い合いを見て、首相一人にその責を押し付けるのは、それこそ理不尽な決めつけであると考えます。

野党が新型ウイルス対策など喫緊かつ建設的な政策論議を持ちかけているときには、首相は真摯に答弁していますし、ましてや野次ることなどは一切ありません

つまり今回の首相のヤジには野党側の低レベルな質問という呼び水があったのであり、野党の責任を問わず首相だけを断罪する朝日新聞社説は、いかにも政権批判・野党擁護に偏向していると言わざるを得ません。

その国の政治のレベルが低いとすれば、野党を含めた国全体のあり方が問われなければなりません、

首相個人の問題ではありません。



(木走まさみず)

ポスト安倍で『桜を見る会』首相批判を強める石破茂氏の危うい戦術

今回はポスト安倍をめぐる石破茂氏のその戦術について取り上げたいです。

「文藝春秋」3月号の単独インタビューに応じ「『桜を見る会』もっと誠実に謝罪せよ」と安倍首相の対応を批判しています。

2020年02月09日 06:00
ポスト安倍”支持率1位 石破茂が安倍首相に苦言「『桜を見る会』もっと誠実に謝罪せよ」 - 「文藝春秋」編集部

「次の首相に相応しい人」を問う新聞各紙の世論調査で、軒並みトップの支持を集めている石破茂元幹事長。安倍晋三首相や小泉進次郎環境相らを抑え、最大のライバルとされる岸田文雄政調会長も大きく引き離している。その石破氏が、「文藝春秋」3月号の単独インタビューに応じ、「桜を見る会」問題などに関する安倍首相の対応に苦言を呈した。

https://blogos.com/article/434975/

記事のキャッチで「「次の首相に相応しい人」を問う新聞各紙の世論調査で、軒並みトップの支持を集めている石破茂元幹事長」と紹介されています。

記事より石破茂発言の主要部分を抜粋します。

桜を見る会は「行政府の長たる総理が国民の税金を使って開くわけですから、たとえ野党の支持者でも、公平に招待するのが筋だ」と言い切ります。

そもそも『桜を見る会』の趣旨は、保護司や人権擁護委員、民生委員の方々のような、決して良い報酬や待遇ではないにも関わらず、一生懸命に地域社会の一隅を照らして下さっている方々に、総理が感謝の意を伝え、労う場とする、というものです。行政府の長たる総理が国民の税金を使って開くわけですから、たとえ野党の支持者でも、公平に招待するのが筋だと思います」

私見」と断った上で、安倍首相の対応を「『本当に申し訳なかった』と誠実に国民の前でおっしゃれば状況は違ったのではないか」と批判します。

私見ですが、安倍総理が『桜を見る会』の人数が増えたことなどの不適切と思われる点について、率直に丁寧に謝られれば、ここまで批判は拡大しなかったのではないか、と思います。日本人には『水に流す』という感覚があります。それが海外にも通用するかはさておき、誠心誠意謝れば、日本の有権者は理解してくれるのではないでしょうか。周囲の人々が諫言できないのか、大した問題ではないとタカをくくっていたのかは分かりませんが、『本当に申し訳なかった』と誠実に国民の前でおっしゃれば状況は違ったのではないかと思います」

記事によれば「安倍総理よ、このままでは日本が滅ぶ」と題した石破氏のインタビューは、「文藝春秋」3月号ならびに「文藝春秋digital」に掲載されています。

ここに来て『桜を見る会』関連で安倍批判を強める次期首相候補トップの石破茂氏なのであります。

確かに、日本経済新聞社の24~26日の世論調査で、首相主催の「桜を見る会」に関する政府の説明に「納得できない」と答えた人は78%にのぼっています。

国民の8割が納得していないのです、異常値と言っていいでしょう、桜を見る会有権者が厳しい視線を注いでいるのは確かでしょう。

(関連記事)
桜を見る会 不信根強く
78%「納得できない」 本社世論調査
2020/1/27付日本経済新聞 朝刊
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54867950W0A120C2PE8000/

安倍批判を強めていることが功を奏しているのか「新聞各紙の世論調査で、軒並みトップの支持を集めている」(文春記事)石破氏なのですが、その戦術は危ういと当ブログは見ています。

世論調査の結果を分析してみます。

FNNは3ヶ月に一度のペースで世論調査をしています。直近昨年12月の世論調査では確かに安倍首相を押さえてトップになっています。

(関連記事)
「次の総理」世論調査の異変のワケを分析 なぜ石破氏トップに?くすぶる安倍4選論と“菅人気”の変化
https://www.fnn.jp/posts/00049506HDK/201912200630_KeitaTakada_HDK

上記記事より結果を抜粋。

石破茂 18.5%
安倍晋三 18.2%
小泉進次郎 14.5%
河野太郎 5.3%
枝野幸男 4.7%
菅義偉 3.0%
岸田文雄 2.7%
野田聖子 0.9%
茂木敏充 0.6%
加藤勝信 0.2%
この中にはいない 25.3%

今回、石破氏を推す人は安倍内閣支持派が39.9%、不支持派が45.4%と、不支持派の方が上回っています。

そして石破氏を推す人の内訳を安倍内閣の支持・不支持でみると、安倍内閣支持派が39.9%、不支持派が45.4%と、不支持派の方が上回っていた。石破氏が自民党支持者の中のアンチ安倍層や、安倍内閣を支持しない無党派層・野党支持層から期待されていることがわかる。そうした中で、桜を見る会問題などにより安倍内閣の支持率が下落したのと連動する形で、安倍首相に批判的な石破氏が浮上したとみてよさそうだ。

それを裏付けているのが、自民党支持層に限って数字をとって分析してみたところ、一位二位は逆転します。

安倍晋三  34.4%
石破茂   20.6%
小泉進次郎 10.9%
河野太郎  6.5%
菅義偉   5.7%
岸田文雄  4.6%
茂木敏充  1.1%
野田聖子  0.5%
加藤勝信   0.0%

つまり、石破氏は野党支持者を取り込んで次期首相支持率トップを獲得していますが、野党と同様に「桜を見る会」を批判するその戦術は危ういと当ブログは見ています。

野党と同じ戦術では、自民党支持層には響かないからです。

現在安倍首相を批判する自民党内の勢力は石破氏グループのみと言っても過言ではない状況です。

石破茂氏が安倍政権と堂々と批判的に対峙することでポスト安倍を狙うとするならば、当ブログとしても肯定的に評価することにやぶさかではありません。

しかしそれはあくまでも建設的な政策論争を繰り広げるべきであり、安倍政権の経済政策、安全保障政策、社会保障政策、そして改憲議論などに対案を掲げ堂々と論陣をはればよろしいのです。

それを野党と同様「桜を見る会」でネガティブに安倍首相を批判することを全面に出す戦術は、そもそもの野党支持者たち安倍内閣不支持派には受けても、自民党支持層には支持が浸透しにくいのではないでしょうか。

いまの危うい戦術では、自民支持層には石破氏のイメージが野党とネガティブにシンクロしてしまうことでしょう。

ふう。



(木走まさみず)

「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)だと?〜これだけ事実を捻じ曲げた反日記事は珍しい、 反日なら何でも許されるのか?

韓国メディアの報道が目に余ります。

中央日報は7日、「日本、クルーズでまた10人感染…安易な対処で「感染病後進国」恥さらし」とのタイトルで記事を掲載しています。

韓経:日本、クルーズでまた10人感染…安易な対処で「感染病後進国」恥さらし
https://japanese.joins.com/JArticle/262294?servcode=A00§code=A00

記事は冒頭から「日本政府」が「対処が各方面で粗末な実状を露呈させている」と書き出します。

日本政府の新型コロナウイルス感染症新型肺炎)への対処が各方面で粗末な実状を露呈させている。

「日本の大型クルーズ船はウイルス拡散の「温床」になって連日多数の感染者を出している」とし、「日本は感染病の発病地である中国に続いて感染者数世界2位国」になったとします。

3711人が乗船した日本の大型クルーズ船はウイルス拡散の「温床」になって連日多数の感染者を出している。このため日本は感染病の発病地である中国に続いて感染者数世界2位国になった。

「挙句の果てに、中国湖北省滞在者に限って入国を拒否した措置も弥縫策にすぎないという批判」が次々と出てきていると批判します。

挙句の果てに、中国湖北省滞在者に限って入国を拒否した措置も弥縫策にすぎないという批判が次々と出てきて、安倍晋三首相は一歩遅れて入国拒否地域拡大の可能性を示唆した。

「日本人感染者数は計45人に増えて」「圧倒的な2位」なり、「ミクロネシアは中国と日本を「新型肺炎汚染国」に指定して二国家からの入国を遮断」と日本が中国並みの汚染国家とみなされているとします。

これに伴い、日本人感染者数は計45人に増えてタイ(25人)、シンガポール(24人)を抜いて圧倒的な2位となった。日本人感染者数が大きく膨らむと、西太平洋の島国ミクロネシアは中国と日本を「新型肺炎汚染国」に指定して二国家からの入国を遮断した。

「日本政府の安易な伝染病対処は粗末なクルーズ船感染者対処で集約的に露呈」、「乗客は食堂やバーなどの共用施設を利用したり、船内を自由に移動したりして過ごし」ていたと指摘。

日本政府の安易な伝染病対処は粗末なクルーズ船感染者対処で集約的に露呈したという指摘だ。日本政府は香港人の確定患者がこのクルーズ船に乗船していた事実を確認した後も、クルーズ船内で各種公演やイベントを予定通りに開くように許可した。

せきや高熱などの症状を示す乗客を対象にした感染検査で感染が確認されなければ、3700人余りの乗客を横浜港に下船させて、大多数を占める日本人の帰宅も許可する方針だった。当然、クルーズ船乗客の客室隔離も実施しなかった。乗客は食堂やバーなどの共用施設を利用したり、船内を自由に移動したりして過ごした。

「日本政府は一歩遅れて」「客室に留まるよう措置」「慌てて船内に感染防止のためにマスクや体温計4000セットと消毒用アルコールを供給する後手対応」、と日本政府の対応の遅れを強調します。

日本政府は一歩遅れて5日からクルーズ船乗客を客室に留まるよう措置した。また、乗客に19日までの2週間、船に残るよう指示した。慌てて船内に感染防止のためにマスクや体温計4000セットと消毒用アルコールを供給する後手対応も付け加えた。

最後には矛先を変えて「武漢からチャーター機で帰国した日本人に対する措置も右往左往の混乱を繰り返して不安を大きくしている」と指摘し、記事を結んでいます。

武漢からチャーター機で帰国した日本人に対する措置も右往左往の混乱を繰り返して不安を大きくしている。当初、日本政府は人権侵害などの問題を考慮してチャーター機で帰国した日本人の帰宅を許可し、一部帰国者が感染検査を拒否する騒動を起こした末、ホテルなどに14日間隔離するよう方針を変えた。その後、世界保健機関(WHO)の勧告によって隔離期間を10日に短縮したが、新型肺炎の潜伏期に対する所見が変わると再び隔離期間を12.5日に延長する案を検討し始めた。

・・・

いかに韓国メディアとはいえ、これだけ反日的視点で事実を捻じ曲げて報道するのも珍しいです。

基本的な事実の捻じ曲げ・捏造を全て指摘しておきます。

まず冒頭のこの一文。

3711人が乗船した日本の大型クルーズ船はウイルス拡散の「温床」になって連日多数の感染者を出している。

「日本の大型クルーズ船」とありますが、事実と違います。今回のクルーズ船『ダイアモンド・プリンセス』は、世界三大クルーズ会社のひとつである米プリンセス・クルーズ社の所有です。

次に「日本人感染者数は計45人」「圧倒的な2位」との一文。

これに伴い、日本人感染者数は計45人に増えてタイ(25人)、シンガポール(24人)を抜いて圧倒的な2位となった。

ここでは二重に悪意ある捏造をしています。

まず基本的に感染者のカウントがおかしいのです。

「日本人感染者数は計45人」は完全な捏造であり、日本国内の感染者では中国国籍の方が多く含まれており、今回のクルーズ船にしても、アメリカ人やオーストラリア人など日本人以外も多く含まれています。

次に今回のクルーズ船の感染者を加えて、「日本人感染者数は計45人に増えて」「圧倒的な2位」と記事は乱暴に報じていますが、これは国際基準を無視したデタラメ報道です。

まず、世界保健機関(WHO)はクルーズ船内の感染者について、日本上陸前のため日本国内の発生数に含めないことを決めています。

そしてこのクルーズ船の保有国はアメリカなのです。

船舶の中は保有国の領土と同じ扱いになるため、日本の感染者には含まれないのです。

国際法・国際条約を遵守しない韓国では、この程度の国際常識すら通じないということでしょうか。

いずれにせよ日本の感染者は「圧倒的な2位」にはなっていません。

それにしてもです。

これだけ事実を捻じ曲げた反日記事が韓国三大メディアのひとつ中央日報に掲載されてしまうのです。

反日なら何でも許されるのか?

ひどい偏向報道です。

読者のみなさん。

いかがお感じでしょうか。

ふう。



(木走まさみず)

極めて異例、中国外務省が日本支援に「感動」表明〜「救護品、韓国のほうが多く送ったのに」と愚痴る韓国メディア

以前のエントリーでも触れましたが、今回の新型コロナウイルスの件で、日本から中国へのマスクなどの支援が、中国ネット民の高評価を得ているわけです。

関連エントリー
新型コロナウイルス対策:韓国の対応が日本よりすべて一歩遅れてしまう悲しき理由
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/03/161706

中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/01/28/101554

さて極めて異例のことですが、中国外務省報道官が公式に日本の支援に「感動」を表明します。

中国外務省の華春瑩報道局長は4日定例記者会見で「感染が広がってから、日本政府や社会の各層は中国に多大な同情と理解、支持を寄せてくれている」と日本国民に謝意を表明します。

日本の「特別扱い」が鮮明になっています。

華氏は「私も関連の報道を見て非常に感動した」と応じ「日本政府だけでなく多くの地方企業がマスクやゴーグル、防護服など中国が緊急に必要とする防疫物資を自発的に寄贈してくれた」と日本の対応を絶賛します。

華氏は日本に関する質問に答える際、わざわざ音声送信に切り替え、肉声で謝意を伝えています。

この極めて異例の中国外務省の日本感謝発言に日本メディアも驚きます。

日本経済新聞は「中国外務省報道官、日本の支援に「感動」」とのタイトルで報じます。

(関連記事)
中国外務省報道官、日本の支援に「感動」 新型肺炎
2020/2/4 18:44
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55242770U0A200C2FF1000/

新型コロナウイルスによる感染拡大に対し、日本では企業や自治体が中国に向けてマスクなどを贈る動きが相次ぎ、「中国がんばれ」、「武漢がんばれ」などと書かれたプラカードを店頭に掲げたドラッグストアもありました。

こうした動きに対して中国外交部の華春瑩報道官は4日、非常に感動したと述べつつ、「日本政府や日本の社会の支持と支援に心から感謝する」と発言し、「疫病は一時的なものだが、友情は長きにわたって続くものである」と述べました。

中国メディアの新浪は5日、華春瑩報道官の発言を紹介しつつ、中国が公式に日本をこれだけ称賛し、報道官が「感動した」と発言するのは「前例のないこと」とまでは言えなくとも、「非常に稀なこと」と指摘し、中国は日本に対して最大限の謝意を示したと論じる記事を掲載しました。

記事は、「外交に関わる人物は非常に理性的」であり、その理性的であるはずの外交部の報道官が4日の定例会見で「感動した」という言葉まで使って日本を高く評価したことは「ほとんど記憶にない」ことであると主張。そして、新型コロナウイルスによる感染が確認されて以降、日本は実際の行動を通じて様々な支援を提供してくれたと伝え、日本の行動は称賛されてしかるべきものだったと論じます。

記事には、中国人ネットユーザーから非常に多くのコメントが寄せられており、「中国が公に日本をこれだけ称賛するなんて、確かに見たことがない」といった声のほか、「中日友好、万歳」など、日本に対して感謝を示すコメントが非常に多く寄せられていました。

(関連記事)
ほとんど記憶にない! 我が政府が公式に「こんなに日本を称賛するなんて!」=中国
http://news.searchina.net/id/1686593?page=1

おそらく、困難な状況にある中国に「日本として何が支援できるか?」を純粋に考えただけでありましょう。

災害国日本はいざという時の備えがありました、それを送っただけであり、日本国内がマスク不足になったのは少し想定外でしたが現地の困窮を考えれば、その困難を一日も早く克服する事が、なによりも優先順位が高い大切なことであるとの認識が、我が日本にはあったのでありましょう。

別に感謝されることを求めての行動ではありませんでした。

今回の日本の対応は災害多発国として当然の支援でしたが、結果として中国市民ならびに政府の対日観
が大きく改善したとすれば、それはそれでよいことです、日中両国にとって今後に良い外交上の効果を生むことでしょう。

さてこの中国政府の日本への「感謝」公式表明に不満をもった国家があります。

韓国の中央日報は「救護品、韓国のほうが多く送ったのに」と不満の記事を掲載します。

救護品、韓国のほうが多く送ったのに…中国、日本だけに「感動」と言った理由
https://japanese.joins.com/JArticle/262247

記事は中国報道官の発言から始まります、

「私は非常に感動した。感染症は一時的なものだが、友情は末永いものだ」

4日午後3時(現地時間)、中国外交部の華春瑩報道官は定例記者会見で新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に対する質疑応答中、「支持と理解に感謝し、心に刻みたい」と話した。華報道官が公開的に謝意を表した国は日本だった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の表現を借りれば「長年の宿敵に対する珍しい発言」だった。

韓国にはその6時間目に「評価しない」と言ったのに愚痴ります。

華報道官は前もって準備でもしていたかのように「日本はごく初期に我々を助けるために何でもすると明らかにした」とし、マスクや保護服など日本が送った救護品を一つひとつ挙げた。

そのわずか6時間前、シン海明・駐韓中国大使が韓国の湖北省発旅行客入国制限措置に対して「評価しない」と述べたこととは比較される。日本も韓国と同じ水準の入国制限をしているためだ。

記事は韓国のほうが日本より金額的には多く支援していると続けます。

成均館(ソンギュングァン)大学成均中国研究所の5日の報告書によると、韓国企業約20社が中国に送った寄付と救援物資は約8926万人民元(約14億579万円)相当だ。日本の後援額(4652万人民元)より多い。

韓国国内の「反中感情」も災いしたのかも知れないと続けます。

政府が初期に過度な恐怖心の助長を抑えようと躍起になっていたことが、かえって恐怖を大きくして反中感情につながった側面もある。成均中国研究所は報告書で「『入国禁止』青瓦台(チョンワデ、大統領府)請願などのことが中国のSNSを通じてリアルタイムに伝えられて中国人の反韓感情も高まっている」とし「韓国は義理がないと非難するコメントが徐々に増えている」と懸念した。

何をするにも下心が透けて見えれば評価されないのだと思います、日本より多く送ったのにとか言ってる時点で、心がこもってるか、打算かを中国は見抜けるってことでしょう。

韓国は官民挙げてですがこの非常事態において他国の動向を気にしすぎです。

自国民を守るためにまず何をなすべきか、また発生源である中国に対し出来うる支援策は何か、ひとつひとつ韓国自らで可能な対策を真摯に検討し、主体的に実行できることからしていけばよろしいのです。

特にいちいち日本の対応を見ながら、日本の対応を上回るようにまねする行動をとろうとするのですから、日本より一歩遅れてしまうのです、そしてその韓国における打算的振る舞いが国際的にお見通しになってしまっているわけです。

結果、韓国が期待する評価が伴わないわけです。

「他国の評価」を第一に気にするなんて、国家として非常時に検討すべき向かうべき方向性がおかしいのです。

ふう。



(木走まさみず)

中国傀儡のWHOテドロス事務局長を更迭せよ~あわせて台湾のWHOオブザーバー復帰を強く求める

新型のコロナウイルスの感染が広がる中、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は「渡航や貿易を不用意に妨げる必要はどこにもない」と述べ、中国から渡航する人の入国を禁止する国が相次いでいることに懸念を示しました。

テドロス事務局長は、新型のコロナウイルスの感染が世界に広がる中、中国から渡航する人の入国を禁止する国が相次いでいる現状について、「渡航や貿易を不用意に妨げる必要はどこにもない。証拠に基づいた決定をするようすべての国に求める」と述べました。

(関連記事)
新型肺炎 WHO事務局長 各国の相次ぐ渡航制限に懸念表明
2020年2月3日 21時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200203/k10012271041000.html

テドロス事務局長は完全に中国・習近平の代弁者となり果てています。

テドロス氏はこれまでも、中国寄りの言動を続けてきたわけです。

当初の宣言見送りには「中国の圧力があった」との仏紙の報道もあります。

テドロス氏は中国から巨額インフラ投資を受けるエチオピアの元保健相・外相です。感染当事国と向き合い「公衆衛生上の緊急事態」に対処する司令塔には不適格であり、更迭を求めたいです。

テドロス事務局長(エチオピア人)と中国・習近平国家主席とは入魂(じっこん)の仲であります。

テドロスは2005年から2012年まではエチオピアの保健大臣、2012年から2016年までは外務大臣を務め、中国の王毅外相とも非常に仲が良いのです。

エチオピアは「一帯一路」の要衝の一つで、たとえば鉄道建設などにおいて中国が最大の投資国(85%)となっています。

チャイナ・マネーなしではエチオピアの国家運営は成り立ちません。

そのことを熟知している中国は、それまでの香港のマーガレット・チャンWHO事務局長の後任選挙でテドロスの後押しに走り回りますが、2017年5月23日のWHO総会における選挙で見事に成功しています。中国の狙い通りテドロスが当選し、2017年7月1日に事務局長に就任したわけです。

テドロスは、今年1月23日のWHO緊急会議で新型コロナウイルス肺炎に関する中国への緊急事態宣言を延期した後、すぐさま中国を訪れ「さらなる視察」をしました。

しかし「視察先」として行くべき武漢には行かず、北京の人民大会堂習近平国家主席と会談しているのです。

(関連記事)
WHO事務局長、渡航制限「必要ない」 新型肺炎でまた中国寄り発言
https://www.sankei.com/world/news/200204/wor2002040003-n1.html
習近平とWHO事務局長の「仲」が人類に危機をもたらす
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200131-00161213/

関連記事によれば、1月28日付の新華網は、習近平と会談したテドロスが概ね以下のように述べたと伝えています。

 ――中国政府が打ち出している政治的決心は尊敬に値する。習近平自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値する。中国人民を守るだけでなく世界人民をも守ろうとするその姿勢に、WHO事務局長として感謝する。

何が、「習近平自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値する」でしょうか。

当の習近平総書記(国家主席)ら党最高指導部らが、3日、遅まきながら、感染症対応に誤りがあったことを認めたというのにです、何を絶賛してるのやらです。

(関連記事)
習近平指導部、対応の誤り認める 新型肺炎で初動に遅れ
2/3(月) 23:00配信共同通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200203-00000180-kyodonews-soci

WHOがここまで政治的に中国寄りであることは、大変問題なわけですが、中でも台湾がWHOから排除され続けていることは深刻です。

(関連記事)
新型肺炎で台湾がWHOから排除され続ける理由
安倍晋三首相も「台湾排除」に反対を表明
https://toyokeizai.net/articles/-/328063?page=2

中国による政治的嫌がらせが国際防疫協調体制にまで実害を及ぼしているのです、WHOから締め出されている台湾には、感染防止に関する情報が共有されていないのです。

WHOに加盟できない結果、情報共有が迅速に行われないなど不利な状況を強いられている。空路による感染防止に関する情報を加盟国に提供している国際民間航空機関(ICAO)にも台湾は未加盟で、感染拡大の水際対策の最前線となる空港や空路での安全確保に懸念する声もあがる。

感染拡大阻止はあくまで人道的見地で国際平等を確立しなければなりませんが、中国による台湾締め出しは、SARSのときにも台湾に甚大な被害をもたらしているのです。

台湾側は2002年にSARS重症急性呼吸器症候群)が流行した際、WHOから診断方法などの重要情報を得られず、SARS封じ込めに苦しんだ経験がある。最終的にWHOが職員を台湾に派遣したが、感染が確認された346人のうち、2割超に相当する73人が死亡(うちSARSが直接的死因と確認されたのは37人)。感染疑い例を含めると死者は180人に達し、SARSの終息は世界でもっとも遅かった。

現状を見過ごすわけにはまいりません。

中国代弁者に成り下がっているWHOテドロス事務局長の更迭と、台湾のWHO復帰を、まずはオブザーバーで復帰し国際社会と台湾が情報共有を確立することを、強く求めます。



(木走まさみず)

新型コロナウイルス対策:韓国の対応が日本よりすべて一歩遅れてしまう悲しき理由


さて以前のエントリーでも触れましたが、今回の新型コロナウイルスの件で、日本から中国へのマスクなどの支援が、中国ネット民の高評価を得ているわけです。

関連エントリー
中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/01/28/101554

エントリーより中国人の反響を抜粋します。

中国の航空会社が微博の公式アカウントに、日本から100万枚のマスクが輸送されたと投稿したことが、中国のネットで大反響となります。

本件の中国人のコメントを邦訳してくれているサイトです。

中国「反日感情が全て消えた」 日本から届いた桁違いな支援に中国人の反応が凄い事に
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-3335.html

失礼して反響の大きいコメントをいくつかご紹介。

■ マスクを寄付してくれてありがとうございました?? +154091

■ 日本のとあるドラッグストアは、
  マスクの値段を大幅に下げてくれたんだってね。
  中国語で書かれた武漢市民への応援メッセージもあった。
  日本人が寄せてくれる共感にありがとうと伝えたい。 +75402

■ うわー、日本からこんな支援が……。泣ける?? +90543

■ こういう時にどの国が本物の友人なのかが分かるな。 +13545

■ マスクを送ってくれたのはイトーヨーカドーみたいだよ。
  セブン&アイ・ホールディングスの系列会社で、
  1997年に成都に初出店したお店ね。 +15032
(※情報元は不明だが、支援者はイトーヨーカドーとの声が散見された)

   ■ セブンイレブンがヨーカドーの子会社だったような……。
     今はセブンイレブンの方が上になったの? +188

■ 心の底から感謝したい。
  歴史は忘れてはいけない事だと思うけど、
  中国と日本の友好関係が永遠に続くことを願ってるよ。 +23961

■ 四川大地震の時にも日本は最速で支援してくれたからね。
  歴史のことは忘れられないけど、
  日本の寛大な支援に対する恩も忘れない。 +24833

■ 愛に国境はないという事だね。ありがとう?????? +145315

■ 日本の皆さん。
  この度は本当にありがとうございました。 +69329

この日本に対する感謝はネットだけでなく中国メディアも取り上げています。

中国メディアの捜狐は27日、「中国が困っている時に日本人の本心を見た」と日本の支援に感謝する記事を掲載しています。

(関連記事)
中国が新型肺炎で困っている時に「我々は日本人の本心を見た」=中国メディア
http://news.searchina.net/id/1686416?page=1

感謝しかない・・・すでに日本の10以上の自治体がマスクなど物資を中国の友好都市に寄贈=中国メディア
http://news.searchina.net/id/1686488?utm_source=searchina.net&utm_medium=content-text&utm_campaign=scn_ranking_news

新型肺炎で日本は「中国を応援するムード」、目が潤んでしまうじゃないか!=中国
http://news.searchina.net/id/1686516?page=1

さて、この日本の中国への対応とそれに対する中国での日本の高評価をアツクじっと見つめていたのが韓国政府でございます。

2020年1月28日、韓国政府は新型コロナウイルスによる肺炎感染が拡大する中国にマスク200万枚などの支援物資を輸送すると発表いたします。

韓国、中国へのマスク支援に不満も「また日本のまね」「韓国国民には?」
https://www.recordchina.co.jp/b777161-s0-c10-d0058.html

もちろん韓国ネット民は「日本がマスク100万枚を送って称賛されたから慌てて200万枚を送るなんて」などとブーイングであります。

記事より抜粋。

「日本がマスク100万枚を送って称賛されたから慌てて200万枚を送るなんて」「習主席に褒められたい一心で日本よりたくさん送ったようだ」「また日本のまね。寄付すら自分の意思でできないの?」「日本はもともとマスク利用者が多くて在庫がたくさんあるからするんだよ」などと批判する声も見られた。韓国メディアの中央日報も「武漢にいる国民を帰国させるためのチャーター便の手配もマスクの支援も日本より一足遅かった」

そして韓国による中国に対するマスク支援はついに300万枚となるわけですが、韓国ネットでは中国に「朝貢するのか」(苦笑)と不満爆発であります。

(関連記事)
韓国外交部「中国にマスク300万枚支援」…韓国ネット「朝貢するのか」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/01/2020020180019_2.html

日本の様子をじっと見つめているのは韓国政府だけではありません、韓国メディアも異常なほど日本の対応を注目しています。

中央日報は、マスク、チャーター機、中国人入国禁止も、ことごとく日本より対応が遅れたと政府を批判します。

韓国政府、マスク・チャーター機に続き中国人入国禁止も日本より一歩遅れた
https://japanese.joins.com/JArticle/262109?sectcode=200&servcode=200

記事は、中国人入国禁止措置も日本より丸二日遅れたことを指摘、「チャーター機投入からマスク中国支援まで、日本より一歩ずつ遅れた点を勘案すると、今回も政府の対処が残念だ」と結ばれています。

政府の今回の措置は、事実上、日本政府が1日午前0時から施行している措置とほぼ同じだ。日本は先月31日、安倍晋三首相の主宰で開かれた会議で、中国人はもちろん湖北省に滞在したことがあるすべての外国人の入国を遮断することを決めた。結果的に、武漢滞在韓国海外同胞のためのチャーター機投入からマスク中国支援まで、日本より一歩ずつ遅れた点を勘案すると、今回も政府の対処が残念だという指摘だ。

韓国は官民挙げてですがこの非常事態において他国の動向を気にしすぎです。

自国民を守るためにまず何をなすべきか、また発生源である中国に対し出来うる支援策は何か、ひとつひとつ韓国自らで可能な対策を真摯に検討し、主体的に実行できることからしていけばよろしいのです。

それをいちいち日本の対応を見ながら、日本の対応を上回るようにまねする行動をとろうとするのですから、日本より一歩遅れてしまうのは当然なことでしょう。

マスク支援とかチャーター機とか、こんなことでも日本には絶対負けたくないようです。

国家として非常時に検討すべき向かうべき方向性がおかしいのです、なにか切なく悲しい気持ちになります。

やれやれです。

ふう。



(木走まさみず)