木走日記

場末の時事評論

中国傀儡のWHOテドロス事務局長を更迭せよ~あわせて台湾のWHOオブザーバー復帰を強く求める

新型のコロナウイルスの感染が広がる中、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は「渡航や貿易を不用意に妨げる必要はどこにもない」と述べ、中国から渡航する人の入国を禁止する国が相次いでいることに懸念を示しました。

テドロス事務局長は、新型のコロナウイルスの感染が世界に広がる中、中国から渡航する人の入国を禁止する国が相次いでいる現状について、「渡航や貿易を不用意に妨げる必要はどこにもない。証拠に基づいた決定をするようすべての国に求める」と述べました。

(関連記事)
新型肺炎 WHO事務局長 各国の相次ぐ渡航制限に懸念表明
2020年2月3日 21時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200203/k10012271041000.html

テドロス事務局長は完全に中国・習近平の代弁者となり果てています。

テドロス氏はこれまでも、中国寄りの言動を続けてきたわけです。

当初の宣言見送りには「中国の圧力があった」との仏紙の報道もあります。

テドロス氏は中国から巨額インフラ投資を受けるエチオピアの元保健相・外相です。感染当事国と向き合い「公衆衛生上の緊急事態」に対処する司令塔には不適格であり、更迭を求めたいです。

テドロス事務局長(エチオピア人)と中国・習近平国家主席とは入魂(じっこん)の仲であります。

テドロスは2005年から2012年まではエチオピアの保健大臣、2012年から2016年までは外務大臣を務め、中国の王毅外相とも非常に仲が良いのです。

エチオピアは「一帯一路」の要衝の一つで、たとえば鉄道建設などにおいて中国が最大の投資国(85%)となっています。

チャイナ・マネーなしではエチオピアの国家運営は成り立ちません。

そのことを熟知している中国は、それまでの香港のマーガレット・チャンWHO事務局長の後任選挙でテドロスの後押しに走り回りますが、2017年5月23日のWHO総会における選挙で見事に成功しています。中国の狙い通りテドロスが当選し、2017年7月1日に事務局長に就任したわけです。

テドロスは、今年1月23日のWHO緊急会議で新型コロナウイルス肺炎に関する中国への緊急事態宣言を延期した後、すぐさま中国を訪れ「さらなる視察」をしました。

しかし「視察先」として行くべき武漢には行かず、北京の人民大会堂習近平国家主席と会談しているのです。

(関連記事)
WHO事務局長、渡航制限「必要ない」 新型肺炎でまた中国寄り発言
https://www.sankei.com/world/news/200204/wor2002040003-n1.html
習近平とWHO事務局長の「仲」が人類に危機をもたらす
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200131-00161213/

関連記事によれば、1月28日付の新華網は、習近平と会談したテドロスが概ね以下のように述べたと伝えています。

 ――中国政府が打ち出している政治的決心は尊敬に値する。習近平自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値する。中国人民を守るだけでなく世界人民をも守ろうとするその姿勢に、WHO事務局長として感謝する。

何が、「習近平自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値する」でしょうか。

当の習近平総書記(国家主席)ら党最高指導部らが、3日、遅まきながら、感染症対応に誤りがあったことを認めたというのにです、何を絶賛してるのやらです。

(関連記事)
習近平指導部、対応の誤り認める 新型肺炎で初動に遅れ
2/3(月) 23:00配信共同通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200203-00000180-kyodonews-soci

WHOがここまで政治的に中国寄りであることは、大変問題なわけですが、中でも台湾がWHOから排除され続けていることは深刻です。

(関連記事)
新型肺炎で台湾がWHOから排除され続ける理由
安倍晋三首相も「台湾排除」に反対を表明
https://toyokeizai.net/articles/-/328063?page=2

中国による政治的嫌がらせが国際防疫協調体制にまで実害を及ぼしているのです、WHOから締め出されている台湾には、感染防止に関する情報が共有されていないのです。

WHOに加盟できない結果、情報共有が迅速に行われないなど不利な状況を強いられている。空路による感染防止に関する情報を加盟国に提供している国際民間航空機関(ICAO)にも台湾は未加盟で、感染拡大の水際対策の最前線となる空港や空路での安全確保に懸念する声もあがる。

感染拡大阻止はあくまで人道的見地で国際平等を確立しなければなりませんが、中国による台湾締め出しは、SARSのときにも台湾に甚大な被害をもたらしているのです。

台湾側は2002年にSARS重症急性呼吸器症候群)が流行した際、WHOから診断方法などの重要情報を得られず、SARS封じ込めに苦しんだ経験がある。最終的にWHOが職員を台湾に派遣したが、感染が確認された346人のうち、2割超に相当する73人が死亡(うちSARSが直接的死因と確認されたのは37人)。感染疑い例を含めると死者は180人に達し、SARSの終息は世界でもっとも遅かった。

現状を見過ごすわけにはまいりません。

中国代弁者に成り下がっているWHOテドロス事務局長の更迭と、台湾のWHO復帰を、まずはオブザーバーで復帰し国際社会と台湾が情報共有を確立することを、強く求めます。



(木走まさみず)

新型コロナウイルス対策:韓国の対応が日本よりすべて一歩遅れてしまう悲しき理由


さて以前のエントリーでも触れましたが、今回の新型コロナウイルスの件で、日本から中国へのマスクなどの支援が、中国ネット民の高評価を得ているわけです。

関連エントリー
中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/01/28/101554

エントリーより中国人の反響を抜粋します。

中国の航空会社が微博の公式アカウントに、日本から100万枚のマスクが輸送されたと投稿したことが、中国のネットで大反響となります。

本件の中国人のコメントを邦訳してくれているサイトです。

中国「反日感情が全て消えた」 日本から届いた桁違いな支援に中国人の反応が凄い事に
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-3335.html

失礼して反響の大きいコメントをいくつかご紹介。

■ マスクを寄付してくれてありがとうございました?? +154091

■ 日本のとあるドラッグストアは、
  マスクの値段を大幅に下げてくれたんだってね。
  中国語で書かれた武漢市民への応援メッセージもあった。
  日本人が寄せてくれる共感にありがとうと伝えたい。 +75402

■ うわー、日本からこんな支援が……。泣ける?? +90543

■ こういう時にどの国が本物の友人なのかが分かるな。 +13545

■ マスクを送ってくれたのはイトーヨーカドーみたいだよ。
  セブン&アイ・ホールディングスの系列会社で、
  1997年に成都に初出店したお店ね。 +15032
(※情報元は不明だが、支援者はイトーヨーカドーとの声が散見された)

   ■ セブンイレブンがヨーカドーの子会社だったような……。
     今はセブンイレブンの方が上になったの? +188

■ 心の底から感謝したい。
  歴史は忘れてはいけない事だと思うけど、
  中国と日本の友好関係が永遠に続くことを願ってるよ。 +23961

■ 四川大地震の時にも日本は最速で支援してくれたからね。
  歴史のことは忘れられないけど、
  日本の寛大な支援に対する恩も忘れない。 +24833

■ 愛に国境はないという事だね。ありがとう?????? +145315

■ 日本の皆さん。
  この度は本当にありがとうございました。 +69329

この日本に対する感謝はネットだけでなく中国メディアも取り上げています。

中国メディアの捜狐は27日、「中国が困っている時に日本人の本心を見た」と日本の支援に感謝する記事を掲載しています。

(関連記事)
中国が新型肺炎で困っている時に「我々は日本人の本心を見た」=中国メディア
http://news.searchina.net/id/1686416?page=1

感謝しかない・・・すでに日本の10以上の自治体がマスクなど物資を中国の友好都市に寄贈=中国メディア
http://news.searchina.net/id/1686488?utm_source=searchina.net&utm_medium=content-text&utm_campaign=scn_ranking_news

新型肺炎で日本は「中国を応援するムード」、目が潤んでしまうじゃないか!=中国
http://news.searchina.net/id/1686516?page=1

さて、この日本の中国への対応とそれに対する中国での日本の高評価をアツクじっと見つめていたのが韓国政府でございます。

2020年1月28日、韓国政府は新型コロナウイルスによる肺炎感染が拡大する中国にマスク200万枚などの支援物資を輸送すると発表いたします。

韓国、中国へのマスク支援に不満も「また日本のまね」「韓国国民には?」
https://www.recordchina.co.jp/b777161-s0-c10-d0058.html

もちろん韓国ネット民は「日本がマスク100万枚を送って称賛されたから慌てて200万枚を送るなんて」などとブーイングであります。

記事より抜粋。

「日本がマスク100万枚を送って称賛されたから慌てて200万枚を送るなんて」「習主席に褒められたい一心で日本よりたくさん送ったようだ」「また日本のまね。寄付すら自分の意思でできないの?」「日本はもともとマスク利用者が多くて在庫がたくさんあるからするんだよ」などと批判する声も見られた。韓国メディアの中央日報も「武漢にいる国民を帰国させるためのチャーター便の手配もマスクの支援も日本より一足遅かった」

そして韓国による中国に対するマスク支援はついに300万枚となるわけですが、韓国ネットでは中国に「朝貢するのか」(苦笑)と不満爆発であります。

(関連記事)
韓国外交部「中国にマスク300万枚支援」…韓国ネット「朝貢するのか」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/01/2020020180019_2.html

日本の様子をじっと見つめているのは韓国政府だけではありません、韓国メディアも異常なほど日本の対応を注目しています。

中央日報は、マスク、チャーター機、中国人入国禁止も、ことごとく日本より対応が遅れたと政府を批判します。

韓国政府、マスク・チャーター機に続き中国人入国禁止も日本より一歩遅れた
https://japanese.joins.com/JArticle/262109?sectcode=200&servcode=200

記事は、中国人入国禁止措置も日本より丸二日遅れたことを指摘、「チャーター機投入からマスク中国支援まで、日本より一歩ずつ遅れた点を勘案すると、今回も政府の対処が残念だ」と結ばれています。

政府の今回の措置は、事実上、日本政府が1日午前0時から施行している措置とほぼ同じだ。日本は先月31日、安倍晋三首相の主宰で開かれた会議で、中国人はもちろん湖北省に滞在したことがあるすべての外国人の入国を遮断することを決めた。結果的に、武漢滞在韓国海外同胞のためのチャーター機投入からマスク中国支援まで、日本より一歩ずつ遅れた点を勘案すると、今回も政府の対処が残念だという指摘だ。

韓国は官民挙げてですがこの非常事態において他国の動向を気にしすぎです。

自国民を守るためにまず何をなすべきか、また発生源である中国に対し出来うる支援策は何か、ひとつひとつ韓国自らで可能な対策を真摯に検討し、主体的に実行できることからしていけばよろしいのです。

それをいちいち日本の対応を見ながら、日本の対応を上回るようにまねする行動をとろうとするのですから、日本より一歩遅れてしまうのは当然なことでしょう。

マスク支援とかチャーター機とか、こんなことでも日本には絶対負けたくないようです。

国家として非常時に検討すべき向かうべき方向性がおかしいのです、なにか切なく悲しい気持ちになります。

やれやれです。

ふう。



(木走まさみず)

新型コロナウイルスが猛威を振るわんとしているこの非常時に、『桜を見る会』に執着して安倍首相の「知性」を批判し続ける内田先生の優秀な「知性」

今回も小ネタです。

前回のエントリーでも指摘させていただきましたが、どうも桜の会絡みで安倍首相を批判している一部の野党議員やメディアや論客は、どうにも安倍首相の国語力などをあからさまに蔑んでおり、知的な意味で首相を見下していております。

前回のエントリーより。

(前略)

勝ち誇ったかのように安倍首相の言葉尻をあげつらう論説の数々、日本共産党議員の「私は日本語を48年間使ってきた」という上から目線、どう見ても安倍首相を「知的」に見下しているわけです。

(後略)

「募る」と「募集」は同じではない~やまとめきたる言葉和語には、漢語にはない、霊的な力が宿っている(キッパり より
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/01/29/150508

今日もBLOGOSにて内田樹先生が強烈な「知的」安倍批判の論説を掲げています。

内田樹
桜を見る会再論
https://blogos.com/article/433410/

失礼してエントリー中、内田先生が太字で強調している部分を抜粋。

 自分の知性が健全に機能していないということを「切り札」にしている人間を「理詰め」で落とすことはできない。

少しでも論理的に思考できる能力があるなら・・・

 首相は「自分は論理的に思考しないので、『論理的にあり得ない』ことがあっても別にそれが不思議だと思わない。言葉の語義はわかるけれども、それが含意しているコノテーションはわからない」という「おのれの知性が普通の人よりも不調である」という主張によって有罪性を免れようとしている。

「自分の知性が健全に機能していない」、「自分は論理的に思考しない」、「おのれの知性が普通の人よりも不調である」と安倍首相は主張しているのだと、内田先生は論じています。

この内田先生の安倍批判は、ダイレクトに首相の知性を「普通の人よりも不調」と知的に見下しており、安倍首相の漢字力・国語力を国会でけなしていた共産党議員よりも強烈です。

新型コロナウイルスが猛威を振るわんとしているこの非常時に、桜を見る会に執着して安倍批判を続けるみなさん、ご苦労様です。

首相の『桜を見る会』に関する答弁や与党の対応、一部官僚の対応に、情報廃棄など不誠実な多くの問題があることは認めましょう。

多くの国民が本件で安倍政権の対応に批判的なのも世論調査に現出いたしております。

(関連記事)
桜を見る会 説明に「納得してない」75%|日テレNEWS24
http://www.news24.jp/articles/2019/12/15/04562563.html

しかしながら、直近の内閣支持率は下がっておりません。

例えば1月26日の日本経済新聞社テレビ東京の調査は横ばいの48%です。

(関連記事)
内閣支持率横ばいの48% 日経世論調査
中東に自衛隊「評価」58%
政治 世論調査
2020/1/26
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54866690W0A120C2MM8000/

共産党など野党議員や内田樹先生のように『桜を見る会』関連で安倍首相を批判する人たちは、その答弁や応対を知的な意味でボロクソにけなすわけですが、そのような「知性が普通の人よりも不調である」首相の支持が落ちない事実は、彼らには我慢ならないようです。

結局彼らの批判は、「知性が健全に機能していない」首相を支持続けるこの国の有権者に向けられていきます。

内田氏のエントリーの結びをみてみましょう。

 これから後も首相は有罪を免れるために、あらゆる「申し開きのできない証拠」に対して、「論理的に思考できないふり、日本語がわからないふり」をしてみせるだろう。

 この成功体験が広く日本中にゆきわたった場合に、いずれ「論理的な人間」は「論理的でない人間」よりも自由度が少なく、免責事項も少ないから、生き方として「損だ」と思う人たちが出て来るだろう。

 いや、もうそういう人間が過半数に達しているから、「こういうこと」になっているのかも知れない。

もうこの日本では、「論理的でない人間」「そういう人間が過半数に達している」かも知れないと、有権者も「知性が健全に機能していない」人が多数なのだと示唆して結ばれています。

やれやれです。

結局、野党や左派による『桜を見る会』関連の首相個人の知性を蔑む安倍批判が、安倍政権支持率に影響を与えるまでに及ばないのは、これらの批判の品性の問題もありますが、批判そのものが安倍政権の政権担当能力を全く直撃していない、全く的を外したものであるからです。

有権者・国民はそこをしっかり見極めています。

桜を見る会』では確かに納得がいかないことが多い、しかし、今国会で論じるべき優先順位の高い問題は断じてそれじゃない、多くの有権者はそう考えているのです。

だから『桜を見る会』批判をいくら続けても、政権支持率は微動だにしません、有権者の心には響かないのです。

勢い批判者側は、ここまで一国の首相の「知性」の批判をすれば、それを支持する有権者の「知性」も批判せざるを得ません。

新型コロナウイルスが猛威を振るわんとしているこの非常時に、『桜を見る会』に執着して安倍首相の「知性」を批判し続ける内田先生の優秀な「知性」、ご苦労様です。

どうしてこういう嫌味な批判しかできないのでしょう。

挙句は政権支持する国民まで知的に見下す、これではこの安倍批判は国民の心にはまったく刺さらないでしょうに。

ふう。



(木走まさみず)

「募る」と「募集」は同じではない~やまとめきたる言葉和語には、漢語にはない、霊的な力が宿っている(キッパリ

今回は小ネタです。

ご批判、上等(どうぞよろしくお願いいたしますの意)のコラムです。

さて名物コラム『天声人語』をはじめ最近ではほとんどの記事を会員限定にロックをしているせこい朝日新聞なのですが、知ってました?

安倍首相が何かしくじりますと嬉々としてロックを解除し、安倍しくじり記事を万人に知らしめるというスケールの大きなメディアでもあるのであります。

こんな感じ。

安倍首相が珍答弁 「募っている」けど「募集」ではない
2020年1月28日 19時45分

 募っているけど募集はしていない――。28日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相から「桜を見る会」をめぐる「迷答弁」が飛び出し、現場は騒然となった。

 首相の地元事務所名で、同会を含む観光ツアーへの参加を募る文書が地元有権者に送られていた問題で、共産党の宮本徹議員が文書を示しながら「この文書は見たことがなくても、募集していることはいつから知っていたのか」と追及した。すると、首相は「私は、幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」と述べた。

 宮本氏は厳しい表情で「私は日本語を48年間使ってきたが、『募る』というのは『募集する』というのと同じですよ。募集の『募』は『募る』っていう字なんですよ」と諭した。だが、首相は「ふさわしい方ということでいわば募っているという認識があった。例えば新聞などに広告を出して『どうぞ』ということではないんだろう」などと苦しい説明に終始した。
 
https://www.asahi.com/articles/ASN1X6H4XN1XUTFK024.html

答弁のポイントはここ。

「私は、幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」(安倍首相)

「私は日本語を48年間使ってきたが、『募る』というのは『募集する』というのと同じですよ。募集の『募』は『募る』っていう字なんですよ」(共産党議員)

このやり取りに、朝日新聞はじめメディアやネットでは安倍首相の漢字力をけなす論説があふれています。

(関連記事)
安倍首相問われた漢字力「募ると募集同じ」宮本徹氏
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-01280700-nksports-soci

女性自身
安倍首相がついに進次郎化?「募っているけど募集してない」
https://blogos.com/article/432433/

勝ち誇ったかのように安倍首相の言葉尻をあげつらう論説の数々、日本共産党議員の「私は日本語を48年間使ってきた」という上から目線、どう見ても安倍首相を「知的」に見下しているわけです。

さて、ご批判を一身に受ける覚悟で反論しておきます。

「募集」と「募る」、この2語の繊細な違いが判らない、なんでもかんでも同じ扱いをする、彼らの頭には雑な平等主義しかない、これだからコミュニスト日本共産党朝日新聞は頭が固いといわれるのです。

冷徹な響きのある漢語である「募集(ぼしゅう)」に対して、和語である「募(つの)る」には、日本において言葉に宿ると信じられている霊的な力、言霊(ことだま)が宿っているのです。

例えば駅前の料理店がアルバイトを求人する張り紙を出したとして、「アルバイト 募る!!」とは絶対に掲示しません、「アルバイト 募集」とか「募集中」とか掲示するはずです。

不特定多数の通行人に対して、事務的に広く平等に募集をかけているわけです。

一方です、例えば同窓会幹部から幹部の一人が急病になり活動停止のため、急遽新しい幹部を、同窓・同期の仲間たちに求めるとします。

このようなときに「○○君急病のため、新幹事 募る!」と言霊を込めて和語で仲間に訴えるのです、冷たく「新幹事 募集中!」などと漢語を使うわけがありません。

やまとめきたる言葉和語には、漢語にはない、霊的な力が宿っているのです(キッパリ。

熱き思いが「募れ」ばせつない恋慕の情となります。

雑多な思いをいくら「募集」しても、「情」にまでは決して昇華しません。

「募る」には「募集」には絶対ない「高ぶる」というニュアンスが込められているのです。

「募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」(安倍首相)

この発言は日本人として正しいのです。

以上、安倍首相発言を全力で正しいと言い「募り」(苦笑)、擁護してみました。

ふう。



(木走まさみず)

中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ

さて、今回はマスクを巡るインターナショナルなドタバタ騒動を取り上げてみたいです。

数日前、近所のドラッグストアで買い物してレジで並んでいたところ、私の前の客(中年男性)がカゴいっぱいにマスクを詰めているのです、マスクの爆買いであります。
国籍はたぶん服装などから近所の日本人だと思われましたが、まあ例の新型コロナウイルス対策でありましょう。

東京だけでなく各地でマスクが飛ぶように売れて売り切れ店続出とのことです。

(関連記事)
「マスクあるだけ持ってきて」爆買いで売り切れも 大阪
https://www.asahi.com/articles/ASN1S4CB4N1RPQIP01C.html

記事より。

売り場では、中国などからの旅行者がスマホで商品を調べながら大量買い。ウイルス対策を施したマスクで、店頭から姿が消えたものもある。追加の発注をしているが問屋にも在庫がないという。エリアマネジャーの男性は「売り切れるなんてことは初めて。予想だにしていなかった。明らかに新型肺炎の影響です」と話す。周辺の系列店舗でも同じような状況で、店長は「売れすぎて、怖い」と戸惑いを隠せない。

追加の発注をしているが問屋にも在庫がない、マスクの製造が追いつかないようです。

周辺の日本でマスクが品薄になるわけですが、発生源の中国、中でも武漢では完全に品薄状態、中には使用済みマスクを再販する悪徳業者も出現しているようです。

(関連記事)
武漢新型肺炎に中国SNS「マスクは切り刻んで捨てて!」理由は「悪徳業者のリサイクル」はさみを入れて廃棄を推奨する注意喚起が出回る
https://honichi.com/news/2020/01/25/chinawuhan/

記事より。

「皆さんに注意:大量のマスク廃棄が深刻な汚染を引き起こすのを防ぐため、廃棄の際は(プラスチックの)袋につめるように。廃棄前は切り刻むのを忘れないで。悪徳な販売者が、リサイクルするかもしれません(現在市場では品薄ですし)」

このタイミングで日本から武漢へのマスク寄付の動きが活発です。

例えば武漢と友好都市である大分市は3万枚を送りました。

(関連記事)
大分市 友好都市の武漢にマスク3万枚を送る
2020年1月27日 19時43分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200127/k10012261041000.html

また新聞報道によれば、民間からマスク100万枚が送られたのでありますが、これが日本からだと言うのです。

(関連記事)
武漢へ支援続々 軍医療部隊450人・民間からマスク100万枚 新型肺炎
https://www.asahi.com/articles/DA3S14341481.html

新型肺炎、日本から支援物資 マスク100万枚
https://news.livedoor.com/article/detail/17720545/

中国の航空会社が微博の公式アカウントに、日本から100万枚のマスクが輸送されたと投稿したことが、中国のネットで大反響となります。

本件の中国人のコメントを邦訳してくれているサイトです。

中国「反日感情が全て消えた」 日本から届いた桁違いな支援に中国人の反応が凄い事に
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-3335.html

失礼して反響の大きいコメントをいくつかご紹介。

■ マスクを寄付してくれてありがとうございました🙏 +154091

■ 日本のとあるドラッグストアは、
  マスクの値段を大幅に下げてくれたんだってね。
  中国語で書かれた武漢市民への応援メッセージもあった。
  日本人が寄せてくれる共感にありがとうと伝えたい。 +75402

■ うわー、日本からこんな支援が……。泣ける😭 +90543

■ こういう時にどの国が本物の友人なのかが分かるな。 +13545

■ マスクを送ってくれたのはイトーヨーカドーみたいだよ。
  セブン&アイ・ホールディングスの系列会社で、
  1997年に成都に初出店したお店ね。 +15032
(※情報元は不明だが、支援者はイトーヨーカドーとの声が散見された)

   ■ セブンイレブンがヨーカドーの子会社だったような……。
     今はセブンイレブンの方が上になったの? +188

■ 心の底から感謝したい。
  歴史は忘れてはいけない事だと思うけど、
  中国と日本の友好関係が永遠に続くことを願ってるよ。 +23961

■ 四川大地震の時にも日本は最速で支援してくれたからね。
  歴史のことは忘れられないけど、
  日本の寛大な支援に対する恩も忘れない。 +24833

■ 愛に国境はないという事だね。ありがとう🙏🙏🙏 +145315

■ 日本の皆さん。
  この度は本当にありがとうございました。 +69329

中国のネット上で日本への感謝コメントが熱く燃えさかっているのですが、少しだけ水を差しますと、確かに送り主はイトーヨーカドーなのですが、どうも口が重たいようなのです。

(関連記事)
新型肺炎】日本の企業が中国へマスク100万個を送付と話題! 迅速な支援に中国ネットで感動の嵐 / 送り主はイトーヨーカドー! 詳細を広報に聞いた
https://rocketnews24.com/2020/01/27/1326497/

記事より。

そこで、日本の広報センターに中国での報道が事実なのか確認をしたところ

成都市から要請を受けて、マスク自体はお送りはしています」

とのこと。イトーヨーカドーがマスクを送ったというのは事実だった!

広報担当者によると1月24日金曜日に発送して翌日土曜までには到着しているはずだというので、現地の報道と合致している。しかし一点だけ異なったのが

「寄付かどうか、そのあたりの話は全くできておりません」

という点である。現地ニュースではハッキリ「寄付」と報じられてはいるものの、広報担当者によると現地へマスクを送ることが第一で、細かい点は確認できていないのだそうだ。

どうも中国で日本からの寄付と広まっちゃってお困りの様子、実際は取り急ぎ送ったので「寄付かどうか、そのあたりの話は全くできておりません」とのことでした。

さて、まあ無償か有償かは置いときまして、日本からはたくさんのマスクが中国に送られているこの最中、台湾政府がやってしまったのでございます。

台湾製マスクの中国大陸への輸出を全面規制したのであります。

台湾政府、マスクの輸出を1カ月間規制「台湾にマスクを残せ」―米華字メディア
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-776385/

台湾政府の肩を持てば、まあ台湾でもマスクが品薄になってきたので自国民のために国内に残そうという措置であり、輸出規制も別に中国大陸を狙い撃ちにしたわけではないのです。

そうはいっても中国大陸のネット民は激しく怒ります。

記事より。

中国本土のネットユーザーから「台湾の武力統一に関する心理的負担が減った」「台湾の解放は一刻の猶予も許さない」といった批判コメントが寄せられたと伝えた。

うーん。

■ こういう時にどの国が本物の友人なのかが分かるな。 +13545

「台湾の武力統一に関する心理的負担が減った」

「台湾の解放は一刻の猶予も許さない」

マスク規制したぐらいで「台湾即刻解放」って、なんでやねん(苦笑)。

失礼しました、事態の深刻さを考えれば、怒る気持ちはまあわかります。

さて、イトーヨーカドーはどうするんでしょうか、今更実は寄付ではないってとても言いづらいですよね。

中国国営メディア人民網も、「日本の民間からマスク100万枚の寄付」と速報していますもの。

日本の民間からマスク100万枚の寄付 武漢へ緊急輸送
http://j.people.com.cn/n3/2020/0127/c94474-9652014.html

今回は中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ、国際マスク騒動を取り上げました。



(木走まさみず)

新型コロナウイルス対策で中国・武漢が事実上封鎖〜繰り返される中国由来の新型ウイルス

新型コロナウイルスに関して現時点の情報をまとめてみました。

お時間のある読者は是非お付き合いください。



■中国で感染拡大する新型コロナウイルス〜人口1100万人の巨大都市・武漢を事実上の封鎖

新型コロナウイルスの感染が中国で急激に拡大をしつつあるようです。

中国政府の国家衛生健康委員会によると、感染者は23日午前0時(日本時間午前1時)までに死者17人を含む571人となりました。

中国では24日から大型連休(春節)に入り、人の大移動が始まります、昨年の移動延べ人数は約30億人でした。

中国政府は、23日、市内を中心に広がる新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を抑えるため、市外と結ぶ航空便や鉄道のほか、市内全域のバスや地下鉄などの公共交通機関の運行を停止する措置を開始しました。

人口1100万人の巨大都市・武漢を事実上の封鎖したのです。

CNNによれば22日、武漢市の武昌区にある列車の駅では、封鎖される前に武漢を離れようとする人たちが切符売り場の前に長い行列をつくったそうです。

(関連記事)
人口1100万人の巨大都市・武漢、事実上の封鎖…公共交通機関の運行停止
2020/01/23 12:32
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200123-OYT1T50136/

武漢市の駅と空港封鎖、交通機関も運行停止 新型ウイルスの死者17人に
https://www.cnn.co.jp/world/35148362.html

 


中国当局の発表する数値に懐疑的な見方も浮上〜事態は感染拡大を防げるか否かの分水嶺にある

2002年の重症急性呼吸器症候群SARS)が発生した際には、中国当局が何カ月もその事実を隠している間に感染が広がり、800人以上が死亡いたしました。

そのため今回は中国当局が毎日最新情報を開示しています。

それでも中国当局の発表する数値に懐疑的な見方が浮上しています。

感染者は22日当局発表で死者17人を含む571人との数値ですが、例えば英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者たちは、17日の段階で武漢市内の感染者は推計で既に1723人にのぼると報告しています、統計学的手法での推計値です。

1700人以上というのは、英国政府やWHOの感染症対策などのコンサルティングも行っているロンドン帝国理工学院MRCグローバル感染症分析センターの専門家が統計学的に予測した数字であります。
武漢から海外に出る旅行者は1日平均のべ3301人、武漢国際空港がある地域の人口流動量は1900万人、感染から発症確認まで平均10日前後、潜伏5~6日、発症後の検査、確認にかかる時間を4~5日、タイ、日本の発症確認例は発症後3日、および7日で病院隔離が完了、といったデータをもとに算出したといいます。

(関連記事)
新型肺炎が感染拡大、やはり隠蔽していた中国政府
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200123-00059081-jbpressz-int&p=1

この17日段階での感染者1700人以上との推計が正確であると仮定すると、今回の新型コロナウイルスの感染力は当局発表の数値よりも3倍以上であるということになります。

いずれにせよ中国当局は、春節休暇を前に、人口1100万人の都市・武漢を事実上封鎖するという強硬措置を取りました、感染拡大を防げるか否かの分水嶺にある、事態は一刻の猶予も許されない状態であると言えるのでしょう。



■日本政府の対応「水際対策を徹底して強化」ははたして有効なのか

さて日本政府の対応ですが、加藤厚生労働大臣は、関係閣僚会議を受けて、中国からの入国者に対して、健康確認を徹底するなど、水際対策を強化する方針を明らかにしました。

具体的には、▼中国・武漢から航空機で入国する人に対して、健康状態を把握するため、症状に関する質問票を新たに配布するほか、▼武漢に加え、上海からの航空便でも、発熱などがある場合は自己申告するよう、機内アナウンスを流すということです。

また、国土交通省は21日午前、臨時の幹部会議を開き、この中で赤羽国土交通大臣が「厚生労働省など関係省庁と緊密に連携して、新型コロナウイルスへの対応に万全を期すように」と述べました。

そのうえで、さらなる感染拡大に備え、▽旅行会社や航空会社に迅速に情報提供を行うことや、▽空港や港湾施設での検疫が円滑に行われるように水際対策の徹底に必要な支援を行うことなどを関係部署に指示しました。

(関連記事)
新型コロナウイルスへの対応 日本国内では
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200121/k10012253091000.html

さて、日本政府厚労省のこのウイルスを日本の水際で食い止める対策ですが、海外からくる発症して発熱した感染者には有効ですが、例えば潜伏期間でまだ発症していない感染者を防ぐ手立てはありません。

今回のウイルスの潜伏期間は2日〜12日(平均7日)とされています。

日本では、中国人男性一人の感染(すでに回復して退院)が報告されていますが、厚労省の会見で「(発熱した男性は)日本に来られる時に解熱剤を飲まれていて、熱がない状態で入ってこられていた」つまり男性は、解熱剤を飲んで検疫を通っていたため、サーモグラフィーでは気づくことができなかったことが判明しています。

(関連記事)
中国から帰国時に解熱剤飲み検疫通過
1/16(木) 11:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200116-00000060-kyodonews-soci

2009年の新型インフルエンザの感染でも、日本政府は水際作戦をとりましたが、結果は失敗、兵庫県大阪府の高校生を中心に急速に感染が拡大、2010年1月3日には、日本では203人が新型インフルエンザにより死亡としたと発表されています。

「水際対策を徹底して強化」する日本政府ですが、潜伏期間などにより発熱していない感染者には無効である事実は重要です、ウイルスを水際で完全に防ぐことはできないのです。

もちろん、日本に侵入を許したとしてそれが日本で大流行することを意味するものではありません。

入国した感染者の数やウイルスの持つ感染力やその毒性など、日本で流行するかどうかはいくつもの要素がパラメーターとなっております。



■繰り返される中国由来の新型ウイルス

死に至るコロナウイルスとしては、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)はコウモリ、12年のMERS(中東呼吸器症候群)はラクダが発生源でした。

今回のウイルスはいまだ発生源が特定されていませんが、香港メディアなどによれば、海鮮市場は海産物だけでなく、食用の野生動物も多く取り扱われていたようです。

ヘビ、タケネズミ、ヤマアラシ、マーモット、グラウンドホッグのほか、キツネ、ウサギ、ナマケモノクジャクニホンジカ、サルなどが生きたまま販売されたり、これら動物の内臓が床に投げ捨てられていたといいます。

中でも、疑われているのは「竹ネズミ」です、病原菌の“宝庫”といわれていますが、中国のタケネズミは同国南部全域の竹林に生息し、竹を食べることからその名がつきました。

中国では体毛を抜いたり、そのままの状態で丸焼きにしたり、煮込み料理などで食する文化があり、丸々と太ったタケネズミは肉厚で珍味とされています。

(関連記事)
中国の謎ウイルスついに日本上陸 発生源は市場“ゲテモノ珍味”疑惑
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1695900/

新しい人感染ウイルスは突然なにもないところから生まれてくるわけではありません。

多くは特定の動物に感染するウイルスで、何らかの突然変異が生じ、特定動物からヒトなど他動物に感染する能力を持つことがあります。

しかし野生ではそばに人がいなければ変異の拡散は起こりません、今回の中国のように野生動物と人の接触が多いケースで人への感染が起こりやすいわけです。

そして、さらに変異が生じ、ヒトからヒトに感染するようになるわけです。

大量の野生動物も含め家畜類の肉を非衛生的環境で扱い、しかも動物が生きたままの売買が、肉が新鮮であると言う理由などから珍しくない中国は、新型ウイルスの発生源になりやすいわけです。

(関連記事)
この先も相次ぐ「中国発」新型コロナウイルス潜在的な脅威
『上昌広』 2020/01/20
https://ironna.jp/article/14176?p=1

 


新型コロナウイルスSARSより感染力・毒性は弱そう〜しかし春節休暇期間も含め今後の推移を注意深く見守りたい

当初は武漢市の海鮮市場との関連が強く、ヒトからヒトへの感染という話はあまりありませんでした。
その後、夫婦間の感染が認められ、日本国内で確認された患者も中国で肺炎と診断された父親と一緒にいたことが分かっています。

市場に行っていない人も感染しており、濃厚接触によるヒトからヒトへの感染の可能性が高まりました。

中国では、武漢渡航者と接触した人が感染したとも報じられています。

ただ、簡単にヒトからヒトへと感染する段階ではないとみられます。現在は、どこからどこに感染したかをたどれる状況だからです。

SARSは2002~03年にかけて中国を中心に流行しました。

東京医科大の濱田篤郎教授によると、致死率は1割ほどで、1人の患者から広がる感染は2、3人程度だったといいます。また、2012年から中東を中心に患者の発生が続くMERSの致死率は3割強で、感染力は患者1人から1人に感染が広がる程度でした。

濱田さんは「新型コロナウイルスの感染力はSARSと同程度かそれ以下ではないか」とみています。致死率は情報が少なく断定的なことは言えないとしつつ、「現時点ではSARSと同程度か低いと考えられる」と話します。

(関連記事)
新型肺炎で識者「SARSより感染力・毒性弱そうだが」
https://www.asahi.com/articles/ASN1Q6JFJN1QULBJ00K.html

新型コロナウイルスは、見つかってから間がなく、感染力や毒性などはまだよくわかっていません。

同じくコロナウイルスによって起きる、重症急性呼吸器症候群SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)と比べると、感染力、毒性は弱いというのが大方の専門家の見方です。

しかし、ウイルスは変異することで特性を変えて感染力や毒性を増すことがあります。

中国から80万人以上の来日数が予想される春節休暇期間が24日から始まります。

今後の推移を注意深く見守りましょう。



(木走まさみず)

安倍政権の長期独裁打倒と日本共産党にエールを送る朝日新聞の無自覚なダブスタ

このタイミングで日本共産党第28回大会を社説で取り上げた日本の新聞は、朝日新聞共産党機関誌『しんぶん赤旗』だけであります。

(参考記事)

しんぶん赤旗社説】
第28回党大会
未来を開く展望と力を示した
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-01-19/2020011904_01_1.html

21日付け朝日新聞は、3年ぶり共産党大会を無事に終えた日本共産党に対し「共闘へ さらなる変化を」とエールを送る社説を掲げます。

朝日新聞社説】共産党大会 共闘へ さらなる変化を
2020年1月20日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14332694.html?iref=editorial_backnumber

冒頭、今回の共産党大会では「安倍政権を打倒して「野党連合政権」の樹立をめざすとの決議を採択」したことに触れます。

 共産党大会が3年ぶりに開かれ、2004年以来となる綱領の一部改定や、安倍政権を打倒して「野党連合政権」の樹立をめざすとの決議を採択した。16年参院選以来の野党共闘をさらに進め、自公政権に代わる選択肢を示す狙いは明らかだ。

安倍政権は「長期政権のおごりや緩みが次々と明らかになるなか」、「政治に緊張感を取り戻すことは喫緊の課題」だとし、野党「共闘の真価が問われる」と檄を飛ばします。

 長期政権のおごりや緩みが次々と明らかになるなか、政治に緊張感を取り戻すことは喫緊の課題である。先の臨時国会共産党は「桜を見る会」の問題を掘り起こし、立憲民主党や国民民主党などによる統一会派と連携して存在感を示した。この勢いを次の衆院選につなげられるか、共闘の真価が問われる。

「連立政権をめざすのであれば、国の根幹にかかわる基本政策をはじめ、幅広い施策のすりあわせは避けて通れない」と釘を刺しつつ、「安倍政権の暴走にブレーキをかけ、日本の民主主義を立て直すという大きな目標」を見失うな、と再び檄を飛ばします。

 選挙協力から、さらに踏み込んで、連立政権をめざすのであれば、国の根幹にかかわる基本政策をはじめ、幅広い施策のすりあわせは避けて通れない。

 と同時に、安倍政権の暴走にブレーキをかけ、日本の民主主義を立て直すという大きな目標を見失ってはいけない。

「まずは小選挙区での協力態勢の構築や共通の公約づくりから、丁寧に合意を積み上げていくのが現実的ではないか」と野党共闘のあり方を提案し、「昨年の高知県知事選で野党各党が共産党系候補をそろって支援したのは象徴的」と、敗れたとはいえ成功事例を挙げています。

 志位氏は閣外協力の可能性に言及したこともある。まずは小選挙区での協力態勢の構築や共通の公約づくりから、丁寧に合意を積み上げていくのが現実的ではないか。

 野党勢力の間では、「非共産」といわれる、共産党を除く協力の枠組みが長く続いた。転機は安倍政権による安保法制の強行で、「1強多弱」への危機感が追い風となった。敗れたとはいえ、昨年の高知県知事選で野党各党が共産党系候補をそろって支援したのは象徴的だ。

社説は、「共闘の実をあげるには、他の野党の歩み寄りも欠かせないが、共産党自身のさらなる変化が求められる」と共産党に変化を注文し、結ばれています。

 一方で、共産党に対しては、党内の異論や少数意見が表に出にくい「民主集中制」への疑問や批判が根強く残る。開かれた党への脱皮は、「非共産」の枠を乗り越えるだけでなく、退潮傾向が続く党勢回復の足がかりにもなろう。共闘の実をあげるには、他の野党の歩み寄りも欠かせないが、共産党自身のさらなる変化が求められる。

うーん、いつもながら安倍政権打倒への情念(怨念?)をむき出しにしている朝日新聞社説であります、そのための日本共産党へのこの熱きエール論説はいかがでしょう。

安倍政権を打倒して「野党連合政権」の樹立をめざす

長期政権のおごりや緩みが次々と明らかになる

安倍政権の暴走にブレーキをかけ、日本の民主主義を立て直す

「長期政権のおごり」「緩み」「暴走」ですか、確かに、安倍政権は在職日数が2019年11月20日で2887日となり、桂太郎氏を抜き単独で憲政史上最長の政権になりました、現在足かけ8年を超えたところです。

朝日の指摘する「おごり」や「緩み」もありましょう、否定するつもりはありません。

ただ、「長期(独裁)政権」に対するその無自覚な「二重基準ダブルスタンダード)」は、どうにかならないでしょうか。

朝日新聞がたたえる日本共産党の委員長(正式名称は日本共産党中央委員会幹部会委員長)の志位和夫氏は、2000年(平成12年)の第22回党大会から不破哲三の後任として党委員長になられて以来、実に就任21年目を迎えんとしています。

今回大会においても志位和夫氏は委員長続投なのであります。

つまり今世紀に入って以来、ずっと志位委員長なのであります。
民主集中制」の共産党においては一度もその歴史に民主的な代表選挙が行われたことはないのです。

さすが「プロレタリア独裁」「民主集中制」の日本共産党であります、ライバルのいない委員長職は安泰なのであります。

10年前に共産党機関紙「しんぶん赤旗」が「日本共産党民主集中制」について、Q/A方式でわかりやすい解説記事を掲載しています。

日本共産党民主集中制とはどんなもの?
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-03-14/2009031412_01faq_0.html

記事より。

 〈問い〉 日本共産党が組織原則にしている民主集中制はどういうものですか。旧ソ連スターリン時代のやり方とどう違うのですか。(兵庫・一読者)

 〈答え〉 民主集中制は、あくまでも日本共産党の内部の規律です。一般社会に押しつけるものではなく、党員が、党の一員としての自覚にもとづいて自発的に守るべきものです。

 その基準は党規約(第3条)に明記されています。

 (1) 党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。

 (2) 決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。

 (3) すべての指導機関は、選挙によってつくられる。

 (4) 党内に派閥・分派はつくらない。

 (5) 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。

この説明興味深いですよね、ポイントは(2)と(4)です、「決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である」、「党内に派閥・分派はつくらない」と上部組織の決定に対して誰も逆らってはいけないと上層部に逆らう少数意見は徹底的に排除されるのです。

これが共産党の「民主集中制」という「プロレリアタート独裁」を実現するための「非」民主的制度なのであります。

そもそも共産党支配下の選挙はどうなるか。

北朝鮮や中国の選挙を見れば理解できます、例えば北朝鮮ではどの選挙区にも政府公認の候補が一人立候補するだけ、それをほぼ100%の投票率で信任するわけです、人民には事実上候補者選択の自由はないわけです。

民主集中制」の日本共産党において、党代表たる中央委員会委員長職は、中央委員会という密室で信任が繰り返されているのが事実なのであって、一般党員には候補者を選択する権利はありません。

一般党員は党代表を民主的な制度で選択する権利はないのです。

結果2000年以来、志位委員長の20年に渡る「長期(独裁)政権」がライバルも出現せず安泰なのであります。

この「民主集中制」、一般人に評判が悪いのは共産党側も承知していて、上記赤旗記事でも「あくまでも日本共産党の内部の規律です。一般社会に押しつけるものではなく」と、みなさんには押し付けませんよと強調しています。

民主集中制は、あくまでも日本共産党の内部の規律です。一般社会に押しつけるものではなく、党員が、党の一員としての自覚にもとづいて自発的に守るべきものです。

まとめます。

朝日新聞社説は「長期政権のおごりや緩みが次々と明らかになってきた安倍政権を打倒せよ」と日本共産党に檄を飛ばします。

しかしです。

現在の自民党の規約では3選までですので、安倍4選を実現するためにはまず党規を改正しなければなりません。

仮に党規改正が成したとしても自民党総裁は党員まで参加が認められている広く開かれた総裁選挙でライバル候補を打ち破り当選しなければなりません。

朝日新聞は「強権的な安倍政治」「安倍独裁政権」などと安倍政権を批判いたします。

しかし少なくとも党内民主主義が確立している自民党において、安倍政権はこれまでもですがこれからも広く党員の意思を吸い上げる公正な党内選挙によって「選挙の洗礼」(党内有権者による厳しい審査)を受けるのであります。

「プロレリアタート独裁」「民主集中制」のもと党内民主主義が保証されていない日本共産党、結果ライバルも存在せず今年21年に及ばんとする志位体制こそ、実は共産党内において「独裁政権」的性質を帯びていることは興味深いことです。

安倍長期政権打倒のためよりによって日本共産党にエールを送る朝日新聞、この「長期独裁」に対する無自覚な「二重基準ダブルスタンダード)」は、どうにかならないでしょうか。

読者のみなさんはいかがお考えでしょうか?



(木走まさみず)