社説で海自の16条旭日旗を否定する朝日新聞の社旗は八条旭日旗
11日付け朝日新聞社説が興味深いです。
(社説)東京五輪の年に 旗を振る、って何だろう
2020年1月11日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14322936.html?iref=editorial_backnumber
社説は問いかけから始まります、あなたは旗をふったことがあるか?と。
あなたはこれまで旗を振ったことがあるだろうか。
運動会の応援やスポーツ観戦、あるいはイベントやデモに参加したとき……。
いったい旗とは何か。米国では、星条旗をこう表現するそうだ。「あなたの信じるすべてのものになりうるだろう」
今年は東京五輪が開かれる年である。多くの人が多くの旗を掲げる機会がありそうだ。メダルを胸に旗を誇らしげに見上げる人もいるに違いない。
そんな年の始まりに、少しだけ考えてみたい。そもそも人はなぜ、旗を手にするのか。
で、嫌な予感のとおり、日の丸と旭日旗に論は展開していきます。
スポーツ観戦に「旭日旗」を持ち込むことを、「快く思わない人たちがいることがわかっている旗を意図的に振る行為に、「政治的主張」はないといえるのだろうか」と否定します。
「日の丸」に対しても、複雑な感情を抱く人々がいる。
戦後75年が過ぎても、そうした人々から見れば、日の丸を掲げる行為そのものが、侵略戦争の暗い記憶を呼び起こすものにほかならない。
東京五輪で旭日(きょくじつ)旗を振るのを禁止すべきだ――。最近、韓国の人々からは、そんな声も伝えられる。旭日旗は旧日本陸海軍の旗であり、いまも海上自衛隊の自衛艦旗である。
日本政府は「(旭日旗が)政治的主張だとか軍国主義の象徴だという指摘は全く当たらない」と反発している。
そう簡単に言い切れるものだろうか。
昨年のラグビーW杯の観客席でも一部で旭日旗が振られた。わざわざ国際競技の場に持ち込む人の目的は何だろう。快く思わない人たちがいることがわかっている旗を意図的に振る行為に、「政治的主張」はないといえるのだろうか。
旗がまとう背景や、使う人の意図によって旗は色々な意味を映す。受け止める人次第で見え方が正反対になることもある。
朝日社説は「旗の数だけ、それぞれの思いがあっていい」と結ばれています。
なぜ、旗を掲げるのか。五輪を前に一人ひとりが立ち止まり、自由に考えてみるのはどうだろう。歴史を学ぶ、他者を尊重する、平和の尊さを発信する。旗の数だけ、それぞれの思いがあっていい。
※以下、画像はすべてパブリックドメインとして使用フリーで公開しているウィキペディアとアンクロペディアから引用しています。
少し旭日旗について。その歴史も含めて確認しておきます。
旭日旗、実は色々種類があるのですが、正統派としては、旧大日本帝国海軍の「軍艦旗」であります。
■大日本帝国海軍軍艦旗
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Naval_Ensign_of_Japan.svg
旭から伸びる線の数が16本なので「16条旭日旗」と言われています。
で、この大日本帝国海軍軍艦旗は、戦後2つの軍と一つの民間組織に継承されます。
まず旧海軍軍艦旗の「16条旭日旗」をそのまま継承したのが海上自衛隊の「自衛艦旗」であります。
■海上自衛隊旗
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E6%97%97.jpg
■陸上自衛隊旗
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Flag_of_JSDF(20070408).jpg
民間団体では、我らが朝日新聞が旭日旗に「朝」の漢字を施して戦前より、この21世紀に至るも、威風堂々、社旗として掲げております(苦笑)、変形八条旭日旗です。
■朝日新聞社社旗
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%
この社旗を有する朝日新聞が、社説にて旭日旗を批判する、なんだかなあ「近親憎悪」的展開なのであります。
そもそも「旗(はた)」の起源はどこから来ているのでしょうか。
当ブログには旗の起源に関する正確な知識はありませんが、想像するにおそらく古代から洋の東西を問わず戦さのときの敵・味方の区別に使用されてきたことに由来するのではないでしょうか。
そもそも旗の役割は、ある価値観(ときに部族、ときに民族、ときに宗教、ときに国家、ときにイデオロギー)に基づく味方集団の象徴的な印・記号としての役目だったのでしょう。
ある人間集団を特徴付け、その集団の内なるモノと外なるモノ、敵・味方を区別するための閉鎖的側面を「旗」自体が有しているのでしょう。
作家、城山三郎氏の次の詩は、まさにそのような旗の持つ「閉鎖性」を喝破しています。
「旗」
旗振るな 旗振らすな 旗伏せよ 旗たため
社旗も 校旗も 国々の旗も 国策なる旗も 運動という名の旗も
ひとみなひとり ひとりには ひとつの命
(後略)
「支店長の曲り角」城山三郎著より
http://www.bk1.co.jp/product/863099
ここでは「国旗」も「社旗」も「運動という名の旗」もすべて否定されています。
具体的に例えば、「旭日旗」も「朝日新聞社旗」も「あか旗」もと言い換えるとまたおしかりいただきそうですが・・・
旗を掲げるという行為には、ある種の集団を記号化した旗のもつ宿命的属性としてのその閉鎖性を指摘することは間違ってはいないでしょう。
では、国旗を否定する城山は左翼なのかといえば、それは間違いで、左翼・右翼のイデオロギー的なカテゴリーではくくれない、ディメンジョン(次元)の違う考え、あえてカテゴライズするとすれば、アナーキストといえましょう。
アナーキズムつまり無政府主義は、「未来に於て国家の存在することを否認する」だけでなく、あらゆるヒエラルキーと呼ばれるような階統的な秩序に対して反対する概念です。
無権力ないし無支配を追求し人間個々が階級を持たず自由であるべきとの考えであるアナーキズムは、平等を追求するという意味では左翼思想と親和性はあるのですが、城山の詩にもあるように「運動という名の旗」も否定している点で、共産主義とは一線を期しています。
群れるな、群れたらそこには必然的にくだらない階級が生まれてしまう、強烈な個人主義が根底にあるわけです、それがアナーキーな人々の主張の特徴です。
さて朝日新聞です。
旭日旗を振ることが政治的メッセージを意味するとの理不尽な論説を堂々と社説に掲げる朝日新聞です。
その乱暴な社説で海上自衛隊の16条旭日旗を否定するとするならばです。
筋論として同じ旭日旗系である自らの社旗(八条旭日旗)を降ろさなければなりません。
もしかして旭の射す数(条数)で、8本は良い旭日旗で16本は悪い旭日旗である(苦笑)とかでも思っているのでしょうか?
アホらしい理屈です。
ふう。
(木走まさみず)
石油中東依存率88.25%の日本と1.76%のアメリカ
日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策について、直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりましょう。
少し長くなります、お時間のある読者はどうかお付き合いくださいませ。
イラン情勢をめぐる緊張が続く中、安倍総理大臣は今週末から予定していた中東3か国への歴訪について、アメリカ、イラン双方が事態の悪化を避けたいという姿勢を示していることを踏まえ、予定どおり実施する意向を固めました。
安倍総理大臣は、11日からサウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦、オマーンの3か国を訪問いたします。
安倍総理大臣としては、今回の歴訪で3か国をはじめとする関係国に、事態の安定化に向けた外交努力を尽くすとする日本の立場を明確に示すとともに、中東地域への自衛隊派遣の目的も丁寧に説明して理解を求めたい考えです。
(関連記事)
安倍首相 予定どおり中東3か国訪問へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200109/k10012240211000.html
野党や一部メディアからは、中東地域への自衛隊派遣やそもそもの今回の首相中東3か国訪問自体に反対意見があるわけですが、少し冷静にこの訪問を日本政府のエネルギー安全保障政策の一環として俯瞰してみたいです。
まず、今回の歴訪3ヶ国を地図で確認しておきます。
■図1:安倍首相歴訪3ヵ国とイラン・イラク
※『木走日記』作成
サウジアラビア・UAE・オマーンの三ヶ国はサウジアラビアを中心に、親米・反イランの国であり地政学的にはペルシャ湾を挟んでイランと対峙しております。
さて、経済産業省は以下サイトで直近(平成30年)の日本の国別原油輸入量のデータを公開しています。
■経済産業省
石油統計
統計表一覧
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html
それによれば、サウジアラビア・UAE・オマーンの三ヶ国は、日本の国別原油輸入国の、それぞれ第1位、第2位、第9位にあることがわかります。
■図2:日本の原油輸入国ベスト10(2018年)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html
※経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
グラフでは、アメリカ(青)とロシア(青)以外、3国(緑)を含め中東諸国(赤)が上位8ヵ国を占めていることが確認できます。
あらためて経済産業省石油統計データより、地域別の原油輸入量を図表にしてみましょう。
■表1:国別原油輸入量(2018年)(単位:kl/Unit:kl)
国名 輸入量 中東諸国 カザフスタン 01,512,802 ベトナム 00,471,604 マレーシア 00,777,150 ブルネイ 00,170,784 インドネシア 01,225,348 イラン 06,664,356 * イラク 02,595,566 * バーレーン 03,356,177 * サウジアラビア 67,695,379 * クウェート 13,466,843 * カタール 14,202,518 * オマーン 03,284,662 * アラブ首長国連邦 44,894,178 * イエメン 00,083,352 * ロシア 07,785,624 アメリカ合衆国 04,176,553 メキシコ 01,470,603 コロンビア 00,265,915 エクアドル 01,684,704 アルジェリア 00,358,340 アンゴラ 00,387,291 タンザニア 00,011,619 オーストラリア 00,472,545 パプアニューギニア 00,028,940 ※経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html■図3:国別原油輸入量(2018年)(単位:kl/Unit:kl)
※経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html
わかりやすく我が国の原油輸入先の中東依存率を円グラフにしてみましょう。
■図4:国別原油輸入量(2018年)と中東依存率(単位:kl/Unit:kl)
※経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html
日本の石油中東依存率は、156,613,048 / 177,477,098 = 0.8825153252585689、すなわち
88.25%に及んでいるわけです。
さてアメリカです。
米国の原油生産量が2018年に45年ぶりに世界首位になったことが昨年3月、米エネルギー情報局(EIA)の報告書で明らかになりました。
シェールオイルの増産により生産量が17年から約2割増え、世界首位の原油生産国になったのであります。
ここ10年で、アメリカが原油大量輸入国から逆に大量輸出国へと急激に変貌を遂げようとしている、いわゆる「シェール革命」です。
(参考サイト)
■資源エネルギー庁
第1節 米国の「シェール革命」による変化
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/1-1-1.html
興味深いのは原油生産量が世界一になっても、大量消費国アメリカですから国内需要を満たせてはいません、原油の輸出量を増やしながらですが、原油の輸入も続いております。
ひとつにはアメリカが生産するシェール石油が軽油中心であり必要な重油を補うことができないからだとされています。
さて、アメリカの石油中東依存率を、やはり直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりましょう。
ここに合衆国エネルギー情報局(EIA)の公式サイトがあります。
■アメリカ合衆国エネルギー省 エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration (EIA))
https://www.eia.gov/
サイト内のレポートを少し調査してみますと、米国石油輸出入の直近のデータを扱っている興味深いレポートがありました。
Oil: crude and petroleum products explained
Oil imports and exports
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php
このレポートによれば、直近2018年のアメリカにおける原油消費の国産(domestic)と輸入(imports)の割合は、国産が86%、輸入が11%であることがわかります。
■図5:アメリカにおける原油消費の国産と輸入の割合(%)
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php
※合衆国エネルギー情報局(EIA)レポートより『木走日記』作成
また、レポートでは"In 2018, about 16% of U.S. petroleum imports came from Persian Gulf countries"、2018年では米国の石油輸入の約16%が中東(ペルシャ湾岸諸国)からのものであることがわかります。
全消費量の11%にあたる輸入の中でその16%が中東諸国であるわけですから、
米国の石油中東依存率は、
0.11 * 0.16 = 0.0176、つまり1.76%であることがわかります。
■図6:アメリカにおける原油消費の中東依存率(%)
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php
※合衆国エネルギー情報局(EIA)レポートより『木走日記』作成
日本では数値データとしてはほとんど報じられていませんが、今検証したとおりアメリカにおける石油の中東依存率は2%を割り込んでいます、88.25%の日本から見ると羨ましい数値です。
この事実は、日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策が当然ながら大きく異なることを意味します。
アメリカは中東で何があろうとも「アメリカはもはや、中東の原油に依存していない」ために「ルールが変わった」のだとBBCニュースは指摘しています。
中東で軍事的危機が発生しても石油供給という点で以前より価格の影響が出にくくなったというのです。
■BBCニュース
【解説】 もしも戦争になったら石油はどうなる? イラン司令官殺害(前略)
ルールが変わった
アメリカの無人機(ドローン)がイラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたソレイマニ司令官を殺害したというニュースに、3日のブレント原油価格は69.5ドルと4%上昇した。
これに合わせ、英BPやロイヤル・ダッチ・シェルといった石油メジャーの株価も1.5%ほど上がった。
バンク・オブ・アメリカでコモディティー戦略に携わるマイケル・ウィドマー氏によると、2004年から現在にかけて石油市場を変えた最大の要因は、アメリカが自国で十分な石油を生産し、輸入に頼らなくなったことだという。
「これが実質的なルールを変えた」とウィドマー氏は指摘する。
たとえば、昨年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃された事件などは良い例だ。
昨年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃され、同国は一時的に石油の生産を停止した
「石油供給という点では、世界の石油市場にとって最大の事件のひとつだったが、持続的な影響はなかった」とウィドマー氏は話した。
攻撃当日、原油価格は1バレル当たり10ドル近く上昇したが、その後は大きな出来事はなかった。
(後略)
BBCニュースはトランプ氏の8日の声明を分析しています。
■BBCニュース
「イランは戦闘態勢から引く様子」とトランプ氏 追加制裁の方針示す
https://www.bbc.com/japanese/51036827
着目すべきは、トランプ氏が「アメリカがエネルギー独立を実現したため、もはや中東の石油に依存していないと主張」し、「北大西洋条約機構(NATO)に、これまで以上に中東情勢に関わるよう求める方針」と発言していることです。
北大西洋条約機構(NATO)に、これまで以上に中東情勢に関わるよう求める方針も示した。
トランプ氏はさらに、自分の手腕により米経済がかつてなく強くなり、アメリカがエネルギー独立を実現したため、もはや中東の石油に依存していないと主張。また自分の政権によって米軍は刷新されて強力になり、今回の攻撃も被害を最小限に食い止めることができたと述べた。
その上でトランプ氏は、「アメリカの軍事力と経済力が最善の抑止力」だとして、「素晴らしい軍事力と装備を持つからと言って、その力を使う必要もないし、使いたいわけでもない」と強調した。
また、イランがいずれ世界の国々と協調して繁栄する、本来あるべき素晴らしい未来を実現するよう期待すると述べ、「合衆国は平和を求める全ての相手と、平和を受け入れる用意がある」と主張した。
この発言を、ジョナサン・マーカスBBC防衛担当編集委員はこう分析しています。
アメリカがエネルギー独立を達成したと強調し、NATO諸国に「中東のプロセスにもっと関わる」よう呼びかけた。この発言は当然ながら、やはりアメリカは中東での役割にもうくたびれてしまったのだと、そういう意味だと受け止められる。そしてそれは、中東の同盟諸国もNATO加盟各国も、決して歓迎しない。
歴史的に欧米諸国は地下に眠る石油資源その利権目当てに中東諸国に深く関わってきました、多くの血を流し現地で人工的な国境を引いてまで強く干渉してきました。
その中でアメリカが中東石油依存から脱却しつつあり、そこに米軍を駐留させ続ける本質的理由を失いつつあることは重要です。
石油中東依存率88.25%の日本は、今後アメリカが中東においてどう動くのか注意深くその動向を見守りながら、しかし日本として独自の外交チャンネルを中東諸国と保つことが重要だと思います。
幸い日本は中東において過去一滴の血も流していません、中東諸国に親日国が多いのも非白人国として経済的に成功し独自のポジションを築いた日本を好意的に見てくれているのが理由です。
この度の自衛隊派遣をイラン大統領でさえ好意的に理解してくれているのも象徴的です。
(関連記事)
イラン大統領、自衛隊派遣に理解示す 安倍首相、核合意停止に懸念
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000781&g=pol
今回は、日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策について、直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりました。
中長期的にはアメリカは中東への関わりを薄めていくことは必定でありましょう。
しかし日本はアメリカに追随して中東諸国と距離を置くというわけにはいかないのです。
資源の乏しい日本の国益を俯瞰して捉えれば、このたびの安倍首相中東3国歴訪及び自衛隊中東派遣は、十分に日本のエネルギー安全保障上、国益を守るための外交的布石として支持できます。
同盟国とはいえ、石油を中東に大きく依存する日本は、もはや石油では中東を必要としないアメリカとは、そのエネルギー安全保障政策は異なって当然なのだと考えます。
石油中東依存率88.25%の日本と1.76%のアメリカ、この現実をしっかり踏まえておきたいです。
(木走まさみず)
「ゴーンに選ばれし事実に客観的な唯一の新聞、それは朝日新聞」だと?〜軽くめまいがするほどのタチの悪い笑えないギャグだ
さて、カルロス・ゴーン被告のベイルートにおける会見ですが、興味深いのはゴーン広報側はこれは「会見」ではなく「懇親会」であるとして、招待状を送った各国のメディアだけが選別されて参加できたことでした。
日本のメディアには特に厳しくて、招待状を受け取って参加できたのは3社だけでした。
テレビ局ではテレビ東京のみです。
テレ東が選ばれたのは、看板番組『ガイヤの夜明け』で何度もゴーン氏の特集を組んできた実績や、親会社の日本経済新聞と連携した経済番組などで、逮捕以前から何度もインタビューを行い、その報道姿勢が、ゴーン側に評価されたものと言えます。
定時ニュースで繰り返し鋭く報道していたNHKや、ワイドショーであることないこと面白おかしく報道していた民報他局は全滅というわけです。
出版系では小学館のみです。
興味深いのは、小学館記者から、なぜ一部日本メディアを招かなかったのかと聞かれると、ゴーン被告は「私は日本メディアを差別していない。日本のメディアだけを閉め出したわけでない」としたうえで、「あなたが参加できているのは、客観的な見方ができる方と判断されたからです。正直に言って、プロパガンダを持って発言する人たちは私にとってプラスにならない。事実を分析できない人たちはプラスにならない」と発言しています。
(関連記事)
ゴーン被告 朝日新聞、テレビ東京、小学館などを入れた訳
https://news.livedoor.com/article/detail/17637749/
新聞社では朝日新聞のみです。
なぜ朝日が選ばれたのか、ライバルの読売が苦々しい記事をおこしています。
過去の報道内容などをチェックした上で、出席を認めるメディアを選別したのだといいます。
読売新聞も出席を申し込んだが、「ゴーン氏に攻撃的な記事を書いている」(ゴーン被告の弁護団の一人)として拒否されたのだそうです。
読売新聞記事より。
過去の報道内容でメディア選別、朝日新聞・テレビ東京・小学館には出席許可
【ベイルート=倉茂由美子】ゴーン被告の記者会見場となった報道機関の連盟が入る建物の前には、土砂降りの雨の中、各国の報道陣が大勢詰めかけた。警備員や迷彩服姿の警察官らが厳重な警備を敷き、ゴーン被告を乗せたと思われる車が到着する度にカメラマンらが車を取り囲むなど、物々しい雰囲気に包まれた。
記者会見は、ゴーン被告側が選んだ一部のメディアだけが出席を許され、拒否されたメディアの記者らは、スマートフォンなどで中継を視聴した。
出席が許されたのは、レバノンやフランスのテレビ局などで、日本のメディアは多くが出席できなかった。関係者によると、過去の報道内容などをチェックした上で、出席を認めるメディアを選別したという。読売新聞も出席を申し込んだが、「ゴーン氏に攻撃的な記事を書いている」(ゴーン被告の弁護団の一人)として拒否された。朝日新聞やテレビ東京、小学館は出席した。
新聞で朝日新聞だけが選別されたのは、当ブログとして一部納得できます。
他紙に比べ朝日新聞の報道はゴーン被告に対してなぜか消極的だと感じていたからです。
ゴーン被告批判より、朝日新聞お得意の角度を付けての、検察・裁判所やひいては政府を含むこの国の体制のあり方批判に明らかに報道の偏りが見られたからです。
例えば、昨年暮れに電撃的に日本脱出を成功したゴーン被告に対して新聞主要5紙はどう報じたか、社説で検証します。
2日付けで社説に掲げたのは日経新聞でした。
【日経社説】日本の主権揺るがすゴーン被告の逃亡
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54013040S0A100C2SHF000/
3日付けで産経新聞が続きます。
【産経社説】ゴーン被告逃亡 保釈を認めたのが誤りだ
https://www.sankei.com/column/news/200103/clm2001030002-n1.html
5日付けで、読売新聞、毎日新聞が続きます。
【読売社説】ゴーン被告逃亡 逃げ得を許してはならない
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200105-OYT1T50054/
【毎日社説】ゴーン被告の国外逃亡 司法の基盤揺らぐ事態だ
https://mainichi.jp/articles/20200105/ddm/005/070/038000c
この段階で朝日新聞社説だけがゴーン被告を取り上げていませんでした。
これだけの大事件なのに朝日新聞だけが一週間も社説で取り上げないのは、少し奇異にうつりました。
今回の会見前、ゴーン前会長側の弁護士は、参加メディアは前会長が選別すると話し、レバノン国外のメディアが参加する場合、招待状が必要とされました。
多くの日本メディアには、この招待状が届かず、参加できなかったわけですが、ゴーン前会長は「日本のメディアが少ないのはなぜか」との質問に答えて「日本のメディアの多くは日産と検察当局の言い分を垂れ流してきた」と批判しています。
それはともかく、おそらく朝日新聞に招待状が届いたのは、今年に入り8日に会見することが決定されてからゴーン側が各国メディア選別したうえで各社に送ったはずです、まあ前日ということはないでしょうから1月1日〜6日ごろに招待状が各社には届いたと推測できます。
朝日新聞はようやく、会見前日の7日付けに社説を掲げます。
(社説)ゴーン被告逃亡 身柄引き渡しに全力を
https://www.asahi.com/articles/DA3S14317743.html?iref=editorial_backnumber
ゴーン被告側になにを忖度したのかしなかったのか知りませんが、朝日新聞社説の結語は意味深長です。
日本では容疑を認めない人を長く拘束する悪弊が続き、国内外の批判を招いていた。それが裁判員制度の導入などを機に見直しが進み、保釈が認められるケースが増えてきている。ゴーン被告の処遇は象徴的な事例の一つであり、運用をさらに良い方向に変えていくステップになるべきものだった。その意味でも衝撃は大きいが、だからといって時計の針を戻すことはあってはならない。
捜査・公判の遂行と人権の保障。両者のバランスがとれた保釈のあり方を模索する営みを続けるためにも、今回の逃走の徹底した検証を求める。
今回のゴーン被告逃亡でもって「時計の針を戻すことはあってはならない」とし、「捜査・公判の遂行と人権の保障。両者のバランスがとれた保釈のあり方」を模索していくべきとあります。
「逃げ得を許してはならない」(読売社説、産経社説)などとする他紙社説の結論に比べて、確かに朝日社説の結論はゴーン氏個人への批判は薄れているようにも読めます。
ゴーン氏に「事実を客観的な見方ができる」と評価された唯一の日本の新聞メディア、それが朝日新聞なのでした。
これですね、「事実を客観的な見方ができる」との評価は大いなる誤解です。
朝日新聞だけは本件である「角度」でもって報道する傾向があっただけなのです。
つまり、朝日報道は7日付け社説でも見られるとおり、ゴーン被告に対する個人批判(「逃げ得を許してはならない」(読売社説、産経社説)など)よりも、日本国の有り様、つまり政府や検察や裁判所など日本の法制度に対する批判に、比重が重かっただけなのです。
つまり、ゴーン氏の訴える日本の裁判制度批判と、朝日の報道の偏向した「角度」がたまたまシンクロしただけなのです。
朝日ほど事実を主観的に「角度」を付けて報道する新聞はありません。
「ゴーン被告側に選ばれし事実を客観的な見方ができる唯一の日本の新聞メディア、それは朝日新聞」だと?。
軽くめまいがするほどのタチの悪い笑えないギャグなのです。
ふう。
(木走まさみず)
安倍批判に執着するその異様さが浮き彫りになる【朝日社説】〜米イラン緊張で社説5紙読み比べ
社説読み比べです。
中東の緊張が高まっています。米トランプ政権がイランの革命防衛隊司令官を隣国イラクの首都バグダッドで殺害しました。対してイランは報復を宣言し、軍事衝突の危険が増しています。
これを受けて各紙社説が一斉に取り上げています。
【朝日社説】米イラン緊迫 報復の連鎖を避けよ
https://www.asahi.com/articles/DA3S14316528.html?iref=editorial_backnumber
【読売社説】米イラン緊張 強硬策の応酬に歯止めかけよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200106-OYT1T50249/
【毎日社説】米のイラン司令官殺害 湾岸危機あおる身勝手さ
https://mainichi.jp/articles/20200107/ddm/005/070/061000c
【産経社説】米イラン緊迫 大規模紛争を封じ込めよ
https://www.sankei.com/column/news/200107/clm2001070002-n1.html
【日経社説】中東での報復の応酬回避に全力あげよ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54072830W0A100C2SHF000/
まず、各紙のアメリカ・トランプ政権との距離感が見事に出ています、反米の色彩の強い論説から並べると、【毎日社説】>【朝日社説】>【日経社説】>【読売社説】>【産経社説】となります。
【毎日社説】は、「なにより問題は、トランプ氏の短絡的ともみえる意思決定」と断罪します。
【毎日社説】
トランプ政権は「差し迫った脅威への自衛手段」と攻撃の正当性を強調する。だが、脅威の詳細を明らかにしていない。米議会から法的根拠への疑問が出るのは当然だろう。今回の攻撃にイラクは「主権侵害」と反発し、議会は米軍撤退を求めた。イラクの承諾なしに武力行使したなら国際法違反の疑いが生じる。
なにより問題は、トランプ氏の短絡的ともみえる意思決定だ。
【朝日社説】も「この人物が米軍の最高司令官を務めている危うさを改めて痛感」とトランプ氏を強烈に批判します。
【朝日社説】
空爆の現場はイランの隣国イラクの首都で、イラク首相は「主権の侵害だ」と反発している。米軍は、脅威に対応するため3500人を中東に増派するというが、反米感情をあおっているのは米国自身である。秋に大統領選を控えるトランプ氏は、自らの弾劾(だんがい)から国民の関心をそらす狙いではないか、との見方もある。真相がどうあれ、この人物が米軍の最高司令官を務めている危うさを改めて痛感せざるをえない。
一方、【日経社説】は「バグダッドの米国大使館が受けるデモや攻撃などの背後にいるとみられてきたのが、殺害された司令官」と米国の判断に理解を示しつつ、とはいえ「危うい選択だと言わざるを得ない」と危惧を示します。
【日経社説】
イランはイラクやレバノン、イエメンなどで、同じイスラム教シーア派の武装勢力を通じて影響力を広げている。そうした工作活動の責任者で、バグダッドの米国大使館が受けるデモや攻撃などの背後にいるとみられてきたのが、殺害された司令官である。とはいえ、軍事組織幹部の殺害によるイランの反発を米国がどこまで予見し、対応を覚悟したうえでの判断だったのか。危うい選択だと言わざるを得ない。
同様に【読売社説】も、英仏が米国との連帯を表明した事実にふれ米国の行動に理解を示しつつ、しかし大統領選をにらんで「国民に「強い大統領」をアピールする狙いを優先したのなら批判は免れまい」と危惧を示します。
【読売社説】
トランプ米大統領は、自らが殺害作戦を指示したとし、司令官は「テロの首謀者」だとして正当性を強調した。ジョンソン英首相は「彼の死を悼むことはない」と同調し、マクロン仏大統領も米国との連帯を表明した。問題は、司令官殺害がイランやイラクの反米感情を煽あおり、情勢悪化を招くリスクを、トランプ氏がどこまで認識していたかだ。11月に大統領選を控え、国民に「強い大統領」をアピールする狙いを優先したのなら批判は免れまい。
最後に【産経社説】は「米国にすれば、国民の安全を守るためのやむを得ない措置として司令官の殺害に踏み切った」と理解を示し、「トランプ米政権が今回、米国を脅かす行為をもはや容赦しないという姿勢を明確にした」のだとその行動を肯定いたします。
昨年暮れにはイラク駐留米軍が武装組織の攻撃を受け、米国人軍属も死亡した。米国にすれば、国民の安全を守るためのやむを得ない措置として司令官の殺害に踏み切ったのだろう。
見逃してはならないのは、トランプ米政権が今回、米国を脅かす行為をもはや容赦しないという姿勢を明確にしたことである。
ご覧のとおり、トランプ政権に対して【毎日】【朝日】は批判、【日経】【読売】は危惧、【産経】は無批判です、綺麗に各紙のスタンスが出ていますね。
さて、このような国際問題を社説で取り上げるときに、日本のメディア社説には、「テンプレート」と言いますか「ひな形」「決められた様式」があります。
社説の結語に日本はどうすべきかに軽く触れて、各紙の論説を結ぶことです。
そして興味深いのは、この社説の結びでは、各紙の日本・安倍政権との距離感が見事に出るのです、親安倍の色彩の強い論説から並べると、【産経社説】>【日経社説】>【読売社説】>【毎日社説】>【朝日社説】となります。
【産経社説】は「米国、イランの双方と強いつながりを持つ日本が担うべき役割は大きい。仲介役として積極的に関わっていくべき」と、安倍外交を支持します。
【産経社説】
英国とフランス、ドイツの3首脳はイランに合意の順守と暴力行為の停止を求める共同声明を出した。米国、イランの双方と強いつながりを持つ日本が担うべき役割は大きい。仲介役として積極的に関わっていくべきだ。
【日経社説】も安倍晋三首相は年頭記者会見に触れながら「衝突の回避へ両国の橋渡し役となる努力が今こそ、求められている」と安倍外交を支持いたします。
安倍晋三首相は年頭記者会見で「すべての関係者に外交努力を尽くすことを求める。地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、これからも日本ならではの外交を粘り強く展開する」と述べた。
日本は米国、イランともに良好な関係にある。衝突の回避へ両国の橋渡し役となる努力が今こそ、求められている。
二紙に比べて【読売社説】は消極的です、「日本を含む全ての関係国が重大さを認識し、事態収拾に努めるべき」と仲介役からは一歩引いています。
【読売社説】
中東の混乱は原油高を招き、世界経済に悪影響を及ぼす。日本を含む全ての関係国が重大さを認識し、事態収拾に努めるべきだ。
対して【毎日社説】は、「護衛艦を予定通り派遣する」より、「双方に自制を促す努力こそ最優先にすべきではないか」と、やんわり安倍外交に否定的な見識を示します。
【毎日社説】
日本は中東で情報収集する護衛艦を予定通り派遣するという。緊張緩和に向けて双方に自制を促す努力こそ最優先にすべきではないか。
さて最後に【朝日社説】です。
いかなるときも安倍政権批判を忘れない朝日新聞なのですが、今回も【朝日社説】だけは、社説全文で「日本」という国名が一回も出現しません、代わりに社説の結びで「安倍政権」「安倍首相」と名指しで批判します。
「安倍政権は先月に国会論議もしないまま決めた」「反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない」と批判した上で、安倍首相には「国民に正面から説明する義務がある」のだと、義務を課します。
【朝日社説】
その中東近海に自衛隊を派遣することを、安倍政権は先月に国会論議もしないまま決めた。米主導の「有志連合」には加わらないとはいうものの、反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない。外交の常識では予測できないトランプ氏のふるまいに、ただ追随するリスクは明らかだ。安倍首相は中東情勢の緊迫をめぐる見解を示したうえで、何のために自衛隊を派遣し、どんな危険を伴うのかを、国民に正面から説明する義務がある。
おかしなことです。
朝日新聞は 中東近海に自衛隊を派遣することを「反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない」と決めつけます。
しかしながら先月20日、安倍晋三首相はイランのロウハニ大統領と首相官邸で会談、首相が中東への自衛隊派遣計画について説明したのに対し、ロウハニ師は「自らのイニシアチブにより、航行の安全確保に貢献する日本の意図を理解し、透明性を持ってイランに説明していることを評価する」と明言しています。
(関連記事)
イラン大統領、自衛隊派遣に理解示す 安倍首相、核合意停止に懸念
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000781&g=pol
「反米勢力」のコアであるイラン大統領から「日本の意図を理解し、透明性を持ってイランに説明していることを評価する」と全面的な支持を得ているのです。
朝日社説は、安倍首相なりにしっかり根回ししてイランの理解を得る努力をしてきたことを、一切触れていません。
米イラン緊張も安倍批判に繋げる朝日新聞なのでした。
こうして社説を読み比べてみると、【朝日社説】が如何に安倍批判に執着しているか、その異様さが浮き彫りになります。
(木走まさみず)
パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーから名前が消えた二人の自民党議員
さて国会議員逮捕者(秋元司容疑者)を出している日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件でありますが、ついに大臣経験者である大物政治家の名前が報道されました、岩屋毅前防衛相であります。
報道によれば贈賄の疑いが持たれている中国企業「500ドットコム」側が現金各約100万円を渡したと供述した衆院議員5人の中の一人であります。
(関連記事)
カジノ汚職聴取の衆院議員5人判明 自民前防衛相ら
[2020年1月4日2時18分]
https://www.nikkansports.com/general/news/202001030000509.html
岩屋毅前防衛相は4日午前に記者会見を開き事実関係を全面的に否定いたします。
岩屋毅
2020年01月04日 13:26
1月4日 記者会見の要旨について
https://blogos.com/article/427481/
その100万円は「同僚議員の地元の政治資金パーティーで、私が講演したことへの感謝の気持ちを込めて、寄附」されたものであると弁明いたします。
【記者会見要旨】
報道にて、中国企業が私を含む5人の衆議院議員に100万円ずつ渡し、IR議連幹部側に工作したとする記事が出ました。
まず、はっきりと申し上げますが、私が中国企業から金銭を受け取った事実は断じてありませんし、まして工作を受けたこともありません。政治資金規正法上も外国企業から寄附を受けることなどあり得ません。
報道によれば、同僚議員の政党支部からの寄附100万円が中国企業からの寄附ではないかとのことです。しかし、この寄附は、平成29年8月の同僚議員の地元の政治資金パーティーで、私が講演したことへの感謝の気持ちを込めて、寄附をしたいとの申し出が同僚議員からあり、平成29年10月5日に政党支部(自民党北海道第4選挙区支部)から政党支部(自民党大分県第3選挙区支部)へ寄附していただいたものです。
(後略)
ただただ胡散臭い言い分です。
本件は「IR議連」に注目が集まっていますが、その真の裏の繋がりは主要登場人物が「パチンコ」議員であったことです。
事実だけ、粛々と整理しておきます。
昨年5月に当ブログは、当時の韓国擦り寄り発言が止まらない岩屋毅防衛相を批判するエントリーをしています。
この局面で韓国擦り寄り発言が止まらない「パチンコ」議員岩屋毅防衛相
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/05/20/162447
岩屋毅防衛相は自他共に認める「パチンコ」議員であります。
岩屋氏は大学在学中は早稲田大学雄弁会に所属し、また選挙でのアルバイトを通じて故鳩山邦夫衆議院議員の事務所に勤務し、大学卒業後は鳩山氏の秘書を務めています。
故鳩山邦夫氏といえば、パチンコチェーンストア協会の重鎮の政治分野アドバイザーでありました。
で、岩屋氏は鳩山氏死去後、パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーを引き継いでいます。
昨年五月時点のパチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーを当時のエントリーで紹介しています。
ご覧のとおり、自民党議員政治分野アドバイザー(25人)の中でナンバー3です、IR議連幹事長でもあります。
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/05/20/162447
ご覧のとおりパチンコアドバイザー自民党議員25名の中に、岩屋毅前防衛相の名前も今回逮捕された秋元司容疑者の名前も存在していたわけです。
で、今日確認してみればご覧のとおりです。
逮捕されて自民党を離党した秋元司容疑者の名前がないのは当然ですが、パチンコ議員ナンバー3だった岩屋毅防衛相の名前も偶然なのでしょうか、消去されています。
二人とも「パチンコアドバイザー」をこのタイミングで離職しております。
この表でも確認いただけますが、IR議連の議員の全てではありませんが、逮捕された秋元司容疑者や岩屋毅前防衛相など多くの「パチンコ」議員達がギャンブル繋がりでIR議連で熱心に活動してきた事実があります。
当ブログは「パチンコ」議員たちを8年前から着目しております。
(関連エントリー)
政治家やマスメディアが絶対触れない深刻でダークなパチンコ業界問題
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20120527/1338106493
岩屋毅前防衛相も秋元司容疑者も、ただただ胡散臭い「パチンコ」議員繋がりなのでありました。
今回はなぜか同時期にパチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーから名前が消えた二人の自民党議員について取り上げました。
(木走まさみず)
韓国を東京オリンピックから排除してほしい件
さて韓国です。
昨年7月4日に日本政府は、「安全保障上の輸出管理措置」として半導体やディスプレイの製造に必要な感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)の3品目について、従来の簡略な手続きを改めて、個別に輸出審査を行なう方針に切り替えました。
これに対し韓国は猛反発、日本産製品不買運動や日本旅行自粛などのNOJAPAN運動、また政府レベルでは
日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))破棄を決めたのは、我々の記憶にも新しいところであります。
その一連の反日活動の中で、一際非科学的な嫌がらせだったのが、東京五輪は放射能まみれである、韓国スポーツは“放射能の恐怖”にどう対処するのか、といった東京五輪ボイコットも辞さずという論であります。
被災地福島県に対する韓国の言いたい放題が止まりませんでした。
与党・共に民主党の「日本経済侵略対策特別委員会」の崔宰誠委員長は、「ソウル外信記者クラブ」主催の会見で、「日本に、オリンピックを開催する資格があるのか」と発言します。
「日本の措置への国際世論の反発が広まれば、東京オリンピックにも影響が及ぶ。歴史認定と率直な謝罪をしない日本に、オリンピックを開催する資格があるのかを聞きたい」
「日本国民も冷遇する(福島の)食品を全世界の参加選手らの食卓に上げるという。政治に目がくらんで、オリンピック選手まで人質に取るものだ」
翌26日には、同委員会の幹事を務める呉奇炯幹事も、記者団に対し、「日本に平和の祭典であるオリンピックを主催する資格はない。放射能水産物にも問題があり、日本も落ち着いて考えねばならない」と語っています。
8月5日、崔宰誠委員長は、ラジオのインタビューで「それ(放射能)が基準値よりはるかに高く検出されたので、(日本)全域に旅行禁止地域を拡大すべきと見る」と述べます、実際に、特別委員会は外交部に対し「日本旅行規制措置を検討してほしい」と公式要請しました。
外交部のキム報道官は「今後、必要に応じて国際機関と被害が懸念される太平洋沿岸の国々とも緊密に協力し、福島原発汚染水の放出問題に積極的に対応していく」と述べました。
韓国政府は今年9月の国際原子力機関(IAEA)総会と11月に中国で開かれる韓中日原子力規制者会議などで、関連問題を提起する案を検討中です。
韓国政府は「福島汚染水に積極的対応」することで、対日本の新たなカードを切り出した形です。
与党・共に民主党の「日本経済侵略対策特別委員会」の崔宰誠委員長は、8月12日、みたび、暴言を放ちます。
記者たちを前に「日本の放射能のリスクが度を越えている。五輪選手らはもちろん、隣国の命まで人質にしている」と主張しました。
(関連記事)
韓国政府「福島汚染水に積極的対応」…新たなカードを切り出した
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34094.html
韓国政府の日本の経済報復への対抗措置と受け止められていました。
当時の韓国スポーツ紙スポーツソウルより関連記事を抜粋。
東京五輪の福島開催に懸念の声。「食事は別途用意」「出場権確保してから検討する」
韓国スポーツは“放射能の恐怖”にどう対処するのか。
日本は来年、1964年以来56年ぶりに首都・東京で2度目のオリンピックを開催する。津波の被害に遭った2011年東日本大震災からの「復興五輪」もオリンピックのテーマのひとつだが、とあることが引っかかる。
放射能汚染があった福島原子力発展所がある福島県産の農産物が使われることと、福島で野球とソフトボールの試合が開催されるということだ。福島を「見て食べる」ということを世界の人々に経験させることで、「この地域が安全だということを知らせる」ということを東京五輪で実現させる考えたのようだ。
(後略)
さて、2020年1月の最新ニュースです。
東京五輪選手村で提供される食事に東京電力福島第1原発事故が起きた福島産の食材が使われるとしてその食事をボイコット、選手村から約15分離れたホテルを借り切り、韓国選手団のための食事を提供することを正式決定したのです。
朝鮮日報1月2日付け記事より。
韓国五輪委 東京のホテル借り切り選手に食事提供へ=放射能懸念で
【ソウル聯合ニュース】大韓体育会(韓国オリンピック委員会)の李起興(イ・ギフン)会長は2日、聯合ニュースとの新年のインタビューで、「昨年末に東京を訪問し、五輪期間中、わが国の選手団の食事をサポートする支援センターとの契約を終えた」と明らかにした。
東京五輪を巡っては、選手村で提供される食事に東京電力福島第1原発事故が起きた福島産の食材が使われるとして、韓国をはじめ各国から安全性を懸念する声が出ている。
大韓体育会は選手村から約15分離れたホテルを五輪期間中に借り切り、選手団のための拠点を用意した。
放射能汚染に対する懸念が払拭(ふっしょく)されていない中、大韓体育会は韓国選手団の食の安全を最優先に考え、韓国選手団のための食堂を用意すると早くから明らかにしており、先ごろ関係機関との契約を終えた。
忠清北道・鎮川の国家代表選手村から派遣された調理師が韓国から空輸された食材を使って選手団の食事を24時間サポートする。
(後略)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/02/2020010280005.html
・・・
日本のメディアはどこも取り上げないのが不思議なのですが、本件は外交的に問題だと思うのです。
日本政府は一連の福島県に対する韓国の根拠なき暴言・暴挙に対し断固抗議をすべきです。
またオリンピック開催国として、韓国政府の選手村近傍で勝手に韓国選手に対する食事支援施設の設置を許してはいけません。
そこまで福島に嫌がらせ・ボイコットをするなら、いっそのこと望み通り東京オリンピックをボイコットしてほしいです。
読者のみなさんは、本件いかがお考えでしょうか?
(木走まさみず)
ゴーン氏によるこの脱出コメディ劇で証明されたこと
さて、元日産社長カルロスゴーンの隠密かつ電撃のレバノンへの日本脱出劇であります。
そして今回は、未確認ではありますが、レバノンの主要テレビMTV(電子版)は三十一日、カルロス・ゴーン被告が楽器箱に隠れ、日本の地方空港から出国したと報じています。
(関連記事)
ゴーン元会長「楽器箱に隠れ出国」 現地メディア報道
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54001500R31C19A2I00000/
さて、今回の日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の国外逃亡について、逃亡先のレバノンや国籍を持つフランスのメディアはおおむね好意的に伝えています。
レバノン紙によると、ゴーン被告は三十日に首都ベイルートの国際空港に到着。大手紙アンナハル記者は「レバノン市民として合法的に入国した。アウン大統領と面会した」としています。
両親の出身地で被告が少年時代を過ごしたレバノンでは、立身出世の「英雄」として被告を擁護する声が多いく、友人の一人は「新年に訪れた奇跡だ」と歓迎し、「彼はいま、適切な保護下にある」と明かしています。
また仏高級紙ルモンドは、再保釈された四月から監視下に置かれ「妻と会い、話す権利すらなかった」と一定の理解を示しています。
(関連記事)
ゴーン被告逃亡 海外報道は好意的 レバノンや仏メディア
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020010102000104.html
「ゴーン氏の華々しい新展開」と伝えた仏経済紙レゼコーは、連日本件で複数記事を掲載しているのですが、中でも注目すべき深い記事がありましたのでご紹介。
記事タイトルは、"Pourquoi Carlos Ghosn ne court quasiment plus aucun risque judiciaire"、そのものズバリ「カルロスゴーンが法的リスクをほとんど負わない理由」であります。
Pourquoi Carlos Ghosn ne court quasiment plus aucun risque judiciaire
https://www.lesechos.fr/industrie-services/automobile/pourquoi-carlos-ghosn-ne-court-quasiment-plus-aucun-risque-judiciaire-1159717
記事を要約すれば、「カルロスゴーンは偶然レバノンを選択したわけではない」、極めて計画的な「大脱走」であるとの分析です。
ブラジルで生まれたがレバノン出身で6歳で母親と一緒にベイルートに戻った彼はそこで育ち、17歳でフランスのスタニスラス高校に留学、彼のキャリアのおかげで、カルロスゴーンはブラジル、レバノン、フランスの三重国籍者、3つの国籍を持っているわけです。
結果、彼は引き渡しから保護されます。
この企業家はレバノン市民であるため、ベイルートはカルロスゴーンを日本に引き渡すことができません。レバノンと日本は犯罪者引き渡し契約に署名していません。
また、日本からの要望で、フランスがフランス国籍を根拠にパリへの身柄引き渡しをレバノンに要求し、その後彼を東京に送るケースはどうでしょう?
フランス人弁護士は「それも不可能であり、フランスは何も要求することができない」と断言します。。
レバノンとフランスも、刑事問題における相互法的支援協定に拘束されていないのです。
従って最も可能性の高いのは、消極策ではありますが日本によるインターポールを介した国際逮捕令状の申請です。
申請が通れば、カルロス・ゴーンは、逮捕される危険を冒すことなく、レバノンを離れることができなくなります。
日本もしくはフランスと犯罪者引渡し条約を結んでいる国への渡航はリスクを伴うことに、理論上ではなります。
しかし隠密に入出国をする多くの手段を資産家の彼はもっているのです。
以上のことから、仏経済紙レゼコーは、記事タイトル通りの「カルロスゴーンが法的リスクをほとんど負わない理由」があるのだと主張します。
すでに彼が日本の法を犯している事実を無視して「法的リスクをほとんど負わない」と言い切るレゼコー記事なのでした。
・・・
まとめます。
おそらくこの仏紙記事の報じるように、残念ながら彼は逃げ延びる公算が高いのでしょう。
このコメディのような展開は、今振り返れば昨年3月の、保釈に際し、世界中の注目を集めた「変装劇」、あそこから繋がっているように思えてなりません。
当時の産経新聞記事から。
保釈時の変装「名声に泥」 ゴーン前会長弁護人が謝罪
https://www.sankei.com/affairs/photos/190308/afr1903080008-p1.html
あの「変装劇」は日本人弁護士の発案だったそうですが、何が顰蹙を買ったかと言えば他人の発案であろうとも、ゴーン氏自ら積極的に変装してまで世間を欺こうと劇に参加していたことです。
今回の「楽器箱に隠れ、日本の地方空港から出国した」のが事実だとすれば、これも世間を欺く全くのコメディ劇そのものです。
ひとつはっきり証明されたことは、やはりカルロスゴーン氏には法律を守ろうという遵法意識は欠片もなかったことであります。
おそらく日産の社長をしていたときも、遵法意識は欠片もなかったことは容易に想像できるのでした。
やれやれです。
(木走まさみず)